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2012年10月15日月曜日

手術の医科点数と医療保険の手術給付金の関係について


(グラフはクリックすると拡大します。)


保険診療において診療や手術の内容は点数化(医科点数)されており、毎年度厚労省より「診療報酬改定」が行われています。

平成24年度診療報酬改定では、医療従事者の負担軽減や医療と介護の機能分化、在宅医療の充実などに重点配分され、点数表が見直しされています。

手術についても1つ1つの手術について点数化されていて、24年度については1750項目それぞれに医科点数が明記されています。

ちなみにこの1750項目のうち手術の最高点数(保険適用手術で最も高額)は、K605-4 心肺移植術 286,010点(約286万円)、最低点数はK404 抜歯手術(乳歯) 130点(1300円)となっています。

診療報酬と医科点数の関係は、医科点数1点が10円に換算されます。
患者負担額は、3割負担の場合、医科点数1点が3円に換算されます。

最高点数となった心肺移植術の場合、患者が負担する手術代は286,010点×3円=858,030円となります。

しかし健康保険には高額療養費制度がありますから、手術を含む入院費などの診療報酬全体で月の支払額が10万円を超えることはありません。(差額ベット代や食事代は別)

以上の関係を上のグラフに示しています。

手術は全1750項目について高額な手術を左側に、右になるほど手術代が安くなるように並べています。

縦軸は、医科点数に×3円した患者負担額となっています。


このグラフをもとに、医療保険の手術給付の適用範囲について、88種類と健康保険適用手術(いわゆる1000種類)の違いについてはおおまかには次のように理解されたらよいと思います。

グラフでは高額療養費の青の線が600~700のところで交差していますが、この金額を超えるような高額な手術について給付金を支払うのが88種類の手術給付であり、青い線の下の低額な手術についても給付金を支払うのがいわゆる1000種類の手術給付ということです。

厳密には高額であっても観血手術ではない場合は手術給付金が出ない場合や、もともと不担保とされている手術もありますが、88対1000という単純な比の関係ではないことをこのグラフからおおまかに理解していただければよいと思います。

蛇足として、高額な600項目の手術について一律20万円を給付する場合(Aタイプ)と低額な1150項目の手術について2.5万円を給付する場合(Bタイプ)の合計金額を比較すると、

Aタイプ 20万円×600項目=12,000万円
Bタイプ 2.5万円×1150項目=2,875万円

オリックスのCUREはAタイプです。
新EVERはAタイプについて重大手術と一般手術で給付金に差(減額)をつけることでBタイプの給付金をまかなっていると言えます。

この比較はかなり大まかで、厳密には各手術について発生確率を乗じて期待値を計算して比較すべきですが、この比較でも1000種類の手術給付が88種類に比較して何倍もお得になるわけではないことがそれなりに納得いただけるのではないでしょうか。

この比較より、私の意見は、5万円の手術に対して2.5万円の手術給付はうれしいかも知れませんが、小さなリスクに対して保険料を支払うことはムダなので、大きなリスクに保険で備えるという考え方により近いオリックスのCUREに軍配を上げたいと思います。


参考
医科点数表はこちらからエクセルファイルをダウンロードできます。


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。




2012年4月2日月曜日

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その1)


(図はクリックすると拡大します。)


ライフネット生命が医療保険の原価(純保険料)を公表しています。

純保険料が20歳では74%、60歳では81%となっています。

つまり支払った保険料の74~81%が給付金として契約者に返されることになりますから、30%ぐらいしか返さない大手生保の商品に比較したいへん良い保険だと思います。

ライフネット生命の終身医療保険「じぶんへの保険」は保障内容がとてもシンプルになっています。

入院給付金 ¥5,000 ¥10,000 ¥15,000 いずれかを選択
手術給付金 一律10万円(医科診療報酬点数表記載の手術) 付加を選択
限度日数  60日  180日 いずれかを選択

さて、入院給付金はいくらぐらいがよいでしょう?
手術は付けますか?
限度日数は60日でだいじょうぶですか?

医療保険の選び方をすこし考えて見ましょう。

まず医療費(入院関係)として国民は年間平均いくらぐらい支払っているのでしょう?

前回の投稿で示した厚労省の「人口一人当たり国民医療費」より
20歳   5,388円
30歳  8,730円
40歳  11,232円
50歳  18,834円
60歳  35,622円

注 当該データは5歳間隔の階級値となっていますから補正をしています。

これに対して「じぶんへの保険」からの給付額(純保険料)はいくらぐらいか。
入院日額5千円と1万円の場合、手術付き、60日タイプについて年齢別にグラフ(上図)に示しました。

入院日額1万円の場合、国民医療費に比較し4.7倍から2.7倍の給付額になっています。
日額5千円でも2.9倍から1.6倍あります。

国民医療費よりも多めの給付額ですから入院した契約者は儲かったかと言うと、差額ベッド代や雑費がありますから、かならずしもこの倍率分だけお得ということはありません。

では具体的にいろいろなケガや重い病気となったときの自己負担額と給付額を比較してみましょう。

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その2

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その3

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その4


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。


2012年3月27日火曜日

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その2)


(図はクリックすると拡大します。)

いろいろなケガや重い病気となったときの自己負担額と給付見込額(独自推定)を比較してみましょう。

比較したのは、ライフネット生命の終身医療保険「じぶんへの保険」の入院給付金5千円と1万円(いずれも60日型、手術付き)及びアフラックの新EVERです。

新EVER(ベースプラン)は入院給付金5千円、特約として長期入院、三大疾病、先進医療を付けています。

保険料は、それぞれ表に示したとおりです。
前提は50歳男性の場合です。

ケガ・病気については次の6種類について自己負担額と各保険商品からの給付見込額を比較しています。

足の骨折
虫垂炎
胃がん乳がん
心筋梗塞
脳梗塞

自己負担額については、それぞれのリンク先をご覧ください。

それでは上図下側のレーダーチャートをご覧ください。

中央の薄紫色の六角形が自己負担額100%の範囲になります。
この範囲の外側なら自己負担額よりも多く保険からの給付金がもらえることになります。

最初にライフネット生命の「じぶんへの保険」入院給付金5千円タイプを見てみます。

虫垂炎と足の骨折はわずかに100%範囲の外側になっていますが、胃がんなどの主要な病気では50~60%程度の給付額となっています。

これは「じぶんへの保険」が高額療養費を前提に、保険診療の自己負担額をカバーできる給付金という考え方で保険が設計されているためです。

この考え方から胃がんなどの主要な病気の場合の医療費の自己負担額と「じぶんへの保険」からの給付見込額を比較すると、

胃がん  医療費 96,261円  給付見込額  230,000円
乳がん  医療費 93,429円  給付見込額  225,000円
心筋梗塞  医療費 186,410円  給付見込額  260,000円
脳梗塞  医療費 182,993円  給付見込額  255,000円

入院日額5,000円でも手術付きなら医療費の自己負担額は十分カバーされていることが分かります。

しかし、一般的に考えて差額ベッド代等の自己負担額が0円となることはありませんから、重大な病気などへの備えとしては不十分と言わざるを得ません。

では「じぶんへの保険」入院給付金1万円タイプはどうでしょう。

胃がんを除けば、ほぼ自己負担額(医療費+差額ベッド代他)をカバーできています。

一方、虫垂炎や足の骨折では自己負担額の約1.4倍から1.7倍の給付額となっています。
これは、手術給付金10万円が一律に給付されるためです。

この結果、軽易な入院・手術で「じぶんへの保険」は、保障が手厚く(ムダな保障)なっています。
このムダのために保険料が新EVERに比較し2,018円高くなっています。


なぜ手術給付を一律としたのか分かりませんが、ライフネット生命社内における診査能力の制約なのか、あるいは事務の効率化のためなのか。

いずれにしろ、手術給付を「一律」としたことで割高な保険料となっているので、保険設計の間違いと言えます。


アフラックの新EVERはどうでしょう。

胃がんなどの主要な病気では自己負担額をほぼカバーできています。
これは開頭、開胸、開腹手術などの重大手術では20万円の手術給付があり、また三大疾病特約により入院が1日1万円給付されるようにしているためです。

一方、虫垂炎や足の骨折では自己負担額の70%から85%程度の給付となっています。
これは手術給付の倍率が低いためです。

しかしこの場合の自己負担額との差額はいずれも5万円ですから、特約をさらに付けるよりも貯蓄で対応した方がトータルでお得になります。

さて新EVERについては、ご覧のとおり全体として特約を活用し給付バランスをうまく取れるようにしてみました。



保険の善し悪しは給付と保険料のバランスが大事ですから、この3種類の保険についてコストパフォーマンスを計算してみました。
コストパフォーマンスの内容は、保険料1円あたりの累計の給付見込額となっています。

表の下段に数値を示しています。(数値の値が大きいほどよい保険と言えます。)
(コストパフォーマンスの細部についてはこちらをご覧ください。)

この数値より、同じ保険料なら、新ENERはじぶんへの保険の1.3倍(=418÷316)給付金がもらえることになります。

じぶんへの保険は原価率が74~81%と高く良い保険です。
しかし給付についてはばらまき(一律給付)となっていますから、ここで取り上げた3大疾病の場合には保障が薄くなってしまっています。

1000種類の手術すべてについて同様のコストパフォーマンスを算出したら、たぶんじぶんへの保険のコストパフォーマンスはかなり高くなるものと考えますが、やはり保険はいざというときに役に立つかどうかで私は善し悪しを判断したいと考えています。



さて以上から医療保険を選ぶ基準(目安)として、次のプランを提案します。

プラン 1
入院日額 5,000円
三大疾病 5,000円
手術   20万円(給付倍率のあるもの)
自営業の方は、入院1万円とされたほうが良いでしょう。

プラン 2
入院日額 10,000円
手術   10万円(給付倍率のあるもの)
自営業の方は、入院1.5万円とされたほうが良いでしょう。

その他特約
先進医療
長期入院(三大疾病)

参考
入院限度日数についてはこちらをご覧ください。

この基準に沿っていれば、原則として「がん保険」や「女性特約」などは不要です。


次回は生涯を通じて支払う累計保険料について考えて見ます。

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その1

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その3

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その4


参考
コストパフォーマンス値


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。



2012年3月26日月曜日

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その3)


(表はクリックすると拡大します。)

一生のうち支払う医療費の合計額(国民医療費)はこちらの投稿に書きましたのでご参照ください。

90歳まで生きるとして計算すると、一生の合計医療費は2,224万円にもなります。
この内、実際お財布から支払う自己負担分の合計金額は382万円となります。

注意
保険屋さんは、国民医療費として2,224万円をさかんにアピールしています。この金額はウソではありませんが、平均寿命は90歳ではありませんし、保険の3割負担及び高額療養費を意図的に無視し、いかに医療費が高額となるのかをお客の耳に残るよう説明しています。
でも以下に説明するように、一生涯の医療費負担は約166万円ぐらいにしかなりません。
保険屋さんの説明には気を付けましょう。

50歳男性を基準として考えると、平成21年簡易生命表より平均余命は31.5年ですから、0歳から81歳までの自己負担分の合計金額は166万円となります。

81歳と90歳では9年の差しかありませんが累計の医療費はこの間に2倍以上になっています。

では、国民医療費を基本に医療保険に支払う合計の保険料(累計保険料)について考えて見ましょう。

基準は50歳男性です。

まず、医療保険に加入せず、貯蓄から医療費を支払った場合、50歳から81歳までの合計の医療費は124万円となります。

多くの人にとってこの場合(貯蓄からの支払)が最もお得になります。
なぜなら保険会社に支払う手数料分がなく、支払うのは100%が医療費だけとなるからです。

ですから医療費として使える貯蓄が200万円ぐらいあるなら、医療保険に加入する必要はありません。

上のグラフの青線(いちばん下側の線)で示したのがこの場合の累計医療費を示しています。(このグラフでは線が下側にあるほどお得になります。)

ちなみに貯蓄が200万円あれば、
胃がんなら4回、乳がんなら6回、心筋梗塞なら4回、脳梗塞なら3回入院してもまだ余裕がある金額です。


70歳以上の方は医療費の自己負担額が1割(10%)なので、青線はこれを示しています。
2割負担に引き上げられた場合は、薄紫の線になります。
縦棒は、50歳時点の平均余命である81歳(男性)、88歳(女性)を示しています。
縦棒(男性)と青線の交差しているところが、左の目盛りから累計医療費124万円と読み取れます。
2割負担となった場合(薄紫の線)と、81歳の縦棒(男性)との交点から累計医療費は165万円となります。


では医療保険に加入した場合の累計保険料の推移を見てみましょう。

じぶんへの保険 入院給付金 ¥5,000(60日、手術付)[オレンジ色の線]
じぶんへの保険 入院給付金¥10,000(60日、手術付)[緑色の線]
新EVER            入院給付金   ¥5,000(60日、三大、長期、先進付)[鎖線]

81歳時点でのそれぞれの商品の累計保険料は、

じぶんへの保険 入院給付金  ¥5,000 《160万円》
じぶんへの保険 入院給付金 ¥10,000  《264万円》
新EVER        入院給付金      ¥5,000  《187万円》

前回の投稿の給付見込額と合わせて累計保険料の基準を示すと、

【家計に優しい】
医療費の自己負担分だけが給付されるなら累計保険料は《160万円》

【標準的】
医療費+差額ベッド等の自己負担額がほぼ0円なら累計保険料は《190万円》

【ちょっぴり余裕】
医療費+差額ベッド等+多少の余裕なら累計保険料は《260万円》


以上より、50歳男性の場合、終身医療保険に加入する目安として、累計保険料がグラフのオレンジ色で網掛けした範囲内であればおすすめできる商品であると考えます。

累計保険料の計算のしかた(終身払の場合)
月額保険料×12×余命=累計保険料

男性の余命=81歳-現在の年齢
女性の余命=88歳-現在の年齢

40歳男性の場合は、支払期間が延び、入院リスクも少ないため、この範囲内の金額から10%割り引いた金額で考えてよいでしょう。

50歳女性についても、グラフで示した範囲から10%割り引いた金額が目安となります。

以上ご参考としてください。


医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その1

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その2

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その4


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。


2012年3月22日木曜日

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その4)


いわゆる医療保険のコストパフォーマンスについて考えて見ました。

基本となる考え方は以前の投稿のとおりですが、ここに整理補足して解説したいと思います。

1 医療保険のコストパフォーマンス値とは
  医療保険を適切に評価するため、保険料に対する給付見込額を数値化したものである。

2 給付見込額とは
経済的リスクの高い3大疾病を主として、その他に骨折などのけが及び虫垂炎などの軽度の入院手術についても保険から給付される給付金などを推計し加算した額である。

3  給付見込額の推計要領とは
給付の有無については、約款所定の状態に該当する場合に、所定の額が給付されるものとして、入院日数に応じた給付額、手術内容に応じた給付額及びその他一時金などを各疾病等ごとに推計する。

4 保険料とは
月額保険料とし、払込期間の長短については期間補正する。
   払込期間は、終身保険では平均余命までの終身払の保険料とし、指定年齢までの払込の場合は、月額保険料に(指定の払込期間÷平均余命)を掛けて補正する。(予定利率は考慮しない。)
月額保険料に替えて、累計保険料を使用して比較しても可。(定期保険などの場合)

5 計算式
コストパフォーマンス=給付見込合計額÷月額保険料(または累計保険料)


コストパフォーマンス値使用上の注意点

1 保険種類は同一のものとすること。
   評価対象として3大疾病を重視しているため、医療保険とがん保険については、がん保険が高い数値となるため、この2種類の保険を比較することは適切ではありません。

2 定期保険の比較では保障期間を同一のものとすること。

3 がん診断給付金(特約)は付加しない場合で評価すること。
がん診断給付金(特約)は、がん保険と同様コストパフォーマンス値がよくなりますので公平な評価としては特約を付加しない場合で比較します。
   またこの特約を付加する場合は、別の評価基準(たとえば自己負担額を基準とした給付倍率など)によりマイナス面の評価を補足する必要があります。(給付倍率が200%を超えるような手厚すぎる保険(特約)は保険料のムダであることを付記する。)


補足
手術給付について、一律給付型と倍率設定型で比較すると、一律給付型はこの数値が低くなる傾向があります。これは、評価対象として3大疾病を重視しているためです。


以上、医療保険を比較する際のコストパフォーマンス値(川島CP値)について一案を示しましたのでご参考としてください。

医療保険は、各種特約が有り、契約者側にも重点的に備えたい保障がそれぞれにあるものと思います。
したがって何がよい医療保険なのかの絶対的な指標はありません。

しかし、同じ保障なら安い方がよいのは当然ですから、この観点から多少の「雑」さを承知の上であえて一案を作ってみました。

今後、FPを中心として医療保険を評価するコストパフォーマンスの研究が大いに進展することを期待しています。



医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その1

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その2

医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その3


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。


2012年3月12日月曜日

一生のうち医療費はいくら必要なのだろうか?


(グラフはクリックすると拡大します)

このグラフは、厚生労働省の統計データを元に作成し「人口一人当たりの国民医療費(平成21年度)」を示しています。

グラフの見方として、たとえば、年齢階級が40歳から44歳までの人について、年間の平均で入院費が3万7千円、入院外は5万8千円となっています。

これは医療費ですから保険からの給付と自己負担額の合計額です。
年齢階級が40歳から44歳の場合では年間で合計で9万5千円となります。

したがって、この年代の方が実際1年間にお財布から支払う金額は、約3万円(3割負担)となります。


入院費には手術費用等が含まれていますが、差額ベッド代等の選定療養や先進医療などの評価療養は含まれていません。

このグラフで注目は、60歳以降に医療費が急激に上昇していることです。

70歳では医療費が年間で平均48万3千円にもなります。

しかし70歳以降は自己負担額が1割ですから5万円でおつりが来ます。
また高額療養費の限度額も44,400円ですから、年金だけの生活でも現状ではそれほど心配はいりません。


いずれは現状の1割負担が本来の2割負担に戻される予定です。


グラフの金額は平均値ですから、当然2倍、3倍の医療費となることもあります。

とは言うものの、この年代は収入が年金だけとなりますから、がんや脳梗塞などの重大な病気となった場合には大きな不安があると思います。

したがって重大な病気となったときに自己負担額を適切にカバーできる終身医療保険に50歳までにご加入されることをおすすめします。

またグラフから60歳で保障が切れる均一料金の保険や共済が役に立たないことがわかると思います。


さて一生のうち医療費はいくら必要なのでしょう?

このデータを元に90歳まで生きるとして計算すると、
一生の合計医療費は2,224万円
入院に関する累計額は225万円となります。

参考
40歳以降の累計額は202万円
50歳以降の累計額は194万円

終身型の医療保険を検討するときに、支払う保険料の累計額がこの金額を超えるような保険は割高と言えますから、できるだけ避けた方がよいと考えます。

保険料の累計額の具体例はこちらをごらんください。
具体例その2はこちらをごらんください。

特に医療保険+がん保険などの組み合わせ、または特約を付加した場合の累計保険料がこの金額を超える方がわりと多いのではないでしょうか。

この金額を超えている場合は、割高な保険もしくは過大な保障となっている可能性があります。

この金額を医療保険選びのひとつの目安としてお考えください。


一方、割安な保険料の広告に釣られると保険給付自体がとても貧弱な医療保険がありますから注意してください。

一生涯の医療費(入院)が225万円なのに、国内大手のパッケージタイプの保険では3大疾病の給付金が300万円、累計保険料が1千万円にもなり、しかも70歳で保障が切れてしまうという、まったく詐欺といっても良いような保険があります。

「手厚い保障」とは保険会社の「儲け」が手厚いのであって、契約者にとっては保障額の3倍もの保険料を支払っていることを知っておく必要があります。

もし1千万円の貯金があったら、どれほど「安心」できることでしょう。
これだけの貯金があれば介護費用でも、有料老人ホームでも、リホームでも自由になんにでも使うことができます。

いたずらに将来の不安に駆られ手厚すぎる保障を買わないよう、このグラフをしっかり見て、最適な保険を選びましょう。


参考
2016/5/3
人生の後半で必要な医療費と介護費用はいくらぐらいか

入院したら1日平均でいくらぐらいか-厚労省データからご紹介します



保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。


2010年5月16日日曜日

医療保険の入院日額はいくらぐらいか?

保険屋さんは、
「胃ガンで入院したら治療費は248万円も掛かるんですよ。知ってますか?」
「入院すると、平均一日1万4千円も掛かるんですよ!」
と言います。

ウソではありません。
これを正しく分析すると、
治療費は248万円になりますが、健康保険や国保から7割給付されるので、窓口の支払は、3割分の744,000円になります。

またこの支払額は高額療養費に該当しますから、実際の自己負担額(食事代を含む)は20万円だけです。したがって、差額の74.4万円-20万円=54.4万円は、会社か市区町村役場に支給申請すれば、後日払い戻されます。

入院の平均日額1万4千円の根拠は、生命保険文化センターが公表している金額で、医療費代20万円+差額ベッド代等30万円を入院日数36日で割った13,800円という金額なのです。
差額ベッド代等30万円は、お金に余裕のある人は払えばいいし、余裕のない人なら節約し10万円ぐらいにできる金額なのです。

したがって差額ベッド代等を除き、入院費用だけを考えれば、どんな病気でも保険診療なら1ヶ月当たり高くても9万円程度と考えてよいでしょう。

例えば、医療保険で入院日額5000円なら、36日入院して18万円給付されますから、医療費分20万円に近い額になります。
これに手術代(多くは主契約に含まれています。)が10万円給付されると、28万円になりますから、差額ベッド代を1万円ではなく5000円ぐらいに下げれば、お財布からの実質的な持ち出しは合計で2~3万円程度になります。

特約としてガン入院5000円があれば18万円が上乗せされ、合計46万円給付されるので、1万円の差額ベットの部屋に入ってもOKです。

以上の結論として、入院日額5000円、ガン(三大疾病をお薦め)入院5000円、手術10万円あれば大丈夫です。

なお、脳血管疾患、高血圧性疾患の入院は長期になるので長期入院(120日)への備えと先進医療の特約は付けた方がよいでしょう。

いらない特約は、特定疾病診断、入院初期給付、通院、退院、女性です。
なぜなら、これらの特約は、医療保険からの給付額が入院時の自己負担額を大きく上回ることになり、その分保険料が割高となります。

医療保険は、必要な自己負担額をカバーできていれば最適な保障なのです。

手厚い保障は保険会社を儲けさせるだけです。
あまり個別の特約に目を奪われないことが賢い消費者なのです。
ですから全体の給付額が、自己負担額をカバーしているかどうかだけチェックしてください。

参考
ガンなどの入院費用はいくら掛かるか?

注:個人事業主の場合は、収入の確保も必要になりますから、入院日額1万円または特定疾病診断30万円などの特約を付加することもよいでしょう。
保険の選び方は、こちらを参考にしてください。

参考
医療保険を選ぶ基準(その1

保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。

2010年4月16日金曜日

入院限度日数について


厚生労働省の「患者調査の概要」より、65歳以上の方の平均の在院日数は、昭和62年をピークに、平成2年以降減少傾向にあります。

平成14年以降は、平均在院日数は60日を下回るまでに低下して来ていることから、多くの生命保険会社(特に通販で売られている保険)で入院限度日数60日型が販売されるようになりました。

このように最新のデータに基づき設計販売された保険は、医療技術の発達に合わせて見直しされた結果として「安い」商品となっています。

90日型、120日型、300日型等の医療保険がありますが、その分割高な商品と言えます。

一方、脳血管疾患などのように在院日数が100日超となる病気もありますので、長期入院への備えは必要です。

長期入院の可能性が高いのは、前記調査結果より、結核、精神病、脳血管疾患です。

結核、精神病については健康保険に加えて公費負担があり、自己負担は医療費の5%となっていますから、リハビリ等で長期入院となる脳血管疾患(脳卒中等)への備えを医療保険でしなければなりません。

割安な60日型の医療保険に三大疾病入院(長期入院)特約を付加することで、長期入院への備えを行えば割安で最適な保障が得られると考えます。


参考

医療保険とがん保険を検討するときに参考となる入院日数、医療費等の資料


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。

2010年4月13日火曜日

先進医療について

最近の医療保険ではその多くが先進医療特約を付加できるようになりました。
先進医療とは、「将来的な保険導入のための評価を行うものとして、保険診療との併用を認めたもの」であり、厚生労働省が医療技術ごとに一定の施設基準を設定し、施設基準に該当する保険医療機関は届出により保険診療との併用ができることとされています。

簡単に言いますと、保険適用間近の医療技術で、実施できる医療施設は指定されており、特例として保険適用療養との併用が認められた医療技術のことです。

したがって先進医療については、保険がきかないので全額自己負担となります。

いまこの先進医療が注目されているのは、陽子線や重粒子線治療ガン治療に目覚ましい成果を挙げている一方、自己負担額が200~300万円と高額なため、医療保険としては外せない保障となっているからです。

しかもこの特約の保険料は100~200円程度なので保険会社はここぞとばかり、この特約を「餌」に医療保険を売り込もうとしているのです。

契約者側にとっても、保険適用の治療では60%程度の生存率が、諸条件はあるものの、先進医療を受けることで80~100%にもUPする可能性があるのですから、二人に一人がガンになると言われている現在、この特約を付加することで大きな安心が得られます。

一方、先進医療特約の各社の給付額はまちまちです。先進医療とは名ばかりで雀の涙程度の保障しかないものがありますので気を付けてください。

私のお薦めは、技術料相当額を保障(1回の支払限度300万円以上)し、かつ累計額が1000~2000万円、終身保障の商品がよいと思います。

安い保険料で高額な保証が得られる「先進医療保障」は貯蓄では対応困難であり、最も保険のメリットが活かせる保障と言えます。

医療保険にはぜひ「先進医療特約」を付けることをお勧めします。


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。