2015年1月8日木曜日

こんなにお得な高額療養費制度!


2017/8/5 更新


健康保険(健保)や国民健康保険(国保)には高額療養費制度があります。

病院窓口では、保険証を提示し医療費の3割を支払いますが、その月の合計支払額が80,100円を超えた場合、越えた部分のほとんどが健保や国保から払い戻されます。

健保などは3割負担ですから、その月の窓口支払合計額が80,100円なら実際の医療費は80,100円÷0.3=267,000円です。

高額療養費制度では、267,000円を越える医療費は1%だけ支払えばよいことになっています。
つまり3割負担の場合の1/30にまで減ります。

例えばある月の窓口支払額が15万円なら、実際の医療費は、
15万円÷0.3=50万円 になります。

267,000円を越える金額は1%だけになりますから
50万円-267,000円=233,000円 の1%は、
2,330円にしかなりません。


したがって、80,100円+2,330円=82,430円
この金額が50万円の医療費に対する最終的な自己負担額となります。(グラフ参照)



(グラフはクリックすると拡大します。)

平成27年1月1日より、収入額により細分化されたため、50万円の医療費に対する高額療養費を適用した自己負担がは次のようになります。

年収が1,160万円超
150,000円 (医療費が842,000円までは高額療養費の適用なし、3割負担のまま)

年収が770万円超~1,160万円以下
150,000円 (医療費が558,000円までは高額療養費の適用なし、3割負担のまま)

年収が370万円超~770万円以下
82,430円  (前記計算式による)

年収が370万円以下
57,600円(医療費が高額になっても保険適用ならこの金額が自己負担の上限額となります)

住民税非課税者
35,400円(医療費が高額になっても保険適用ならこの金額が自己負担の上限額となります)

上位所得者について、医療費が100万円(自己負担額30万円)の場合の計算式は次のとおりです。

年収が1,160万円超の方の自己負担額
252,600円+(1,000,000円-842,000円)×0.01=254,180円

年収が770万円超~1,160万円以下の方の自己負担額
167,400円+(1,000,000円-558,000円)×0.01=171,820円


[70歳以上の高齢者]は、最初から44,400円が限度額となりますから、保険適用の治療等の場合は、月の支払額は最高でも44,400円となります。(月収28万円以上の現役並み所得者(3割負担の方)は年収が370万円超の計算式が適用されます。)

注意
2017年8月から70歳以上の高齢者についても、収入額により、現役並の所得がある人は自己負担額が上がることになります。とりあえず2018年7月までは、年収が370万円を超える方が現役と同じ限度額となり、2018年8月からは年収がより細分化され、高齢者もこのグラフに示された年収区分どおりの自己負担額となります。(つまり年齢に関係なく、その人の収入額だけで自己負担額が決まります。)


○この他に高額療養費のお得な方法を2つ紹介します。
1つは、入院は月初めにする方がお得になります。窓口の支払が30万円の場合、たとえば4月に入院、退院した場合は、高額療養費制度により、自己負担額は87,430円ですが、4月と5月にまたがって入院し、各月ごとに15万円ずつ支払った場合は、高額療養費は各月について82,430円の支払ですから、合計164,860円の支払となり、倍近くになってしまいます。(救急の方は選べませんが、糖尿病などの場合は病院と相談してください。)

2つめは、窓口支払いの段階で高額療養費制度の適用を受ける方法です。(高額な窓口支払がさけられ、ほぼ10万円以内の支払で済みます。)

この手続きは、事前に被保険者(患者)が全国健康保険協会または健康保険組合(国民健康保険の場合は市町村役場)に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関の窓口に認定証と被保険者証を提出すればOKです。
24年4月からは通院の場合にも、同一月内で病院窓口の支払額が限度額を超えたときには、超えた額は支払わなくてよいことになりました。


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