2020/5/30 年金改革の内容を反映
2016年10月から大きな企業でパートとして働いている人も社会保険に加入できる(せざるを得ない)ようになりました。
2022年10月からは、企業規模が501人の大企業から101人以上の中企業へも拡大され、2024年10月からは、51人以上の企業が対象となります。
社会保険料は労使折半ですから、小規模の会社にとってはかなりの負担となります。
なぜこのような改正が行われたのかについては、低収入の人たちにも将来公的年金が(より手厚く)支払われるようにしたのです。
大きなお世話と思っている人もいるかと思いますが、社会保険は保険会社の売っている個人年金保険などよりもかなり割安で手厚い保障となっていてとてもお得なのです。
では「社会保険に加入できる人」とはどのような要件になるのか、
○従業員が501人以上の企業(コンビニや大手チェーン店など)で働いている人
参考(2020年改正)
2022年10月からは101人以上の企業に適用されます。
2024年10月からは51人以上の企業に適用されます。
○今後勤務期間が1年以上見込まれる人(実績として1年以上働いているか、期間の定めがない雇用契約、あるいは雇用契約書に更新されることが書かれてある場合。)
○継続して週20時間以上働いている人(例:毎日5時間×週4日=20時間)
○賃金月額が8万8千円以上(年収106万円以上)の人
○学生ではない人(学生とは修業年限が1年以上の課程(各種学校を含む)に在学している人。6ヶ月の語学学校の生徒は学生とは認められません。)
参考
賃金月額8万8千円とは、給与から次の金額を除いた額です。
>深夜労働・休日労働・時間外労働などの割増賃金
>通勤手当・家族手当・精皆勤手当
>賞与などの臨時的なもの
例:月の給与が8万円+通勤手当1万円の場合、賃金月額は8万円だけとなります。アルバイトなどで深夜の時給が高いのは労働基準法で定める割増賃金ではありません。
このすべてに該当する人は、10月から社会保険に加入することになります。
社会保険とは、「健康保険」、「厚生年金保険」です。
参考
社会保険にはこの他に「労災保険」と「介護保険」、「雇用保険」があります。
「雇用保険」は現状でもパートの人(週20時間以上働いている人)は既に加入しており保険料が天引きされているはずです。
「労災保険」は、どんな仕事でも働き始めたその瞬間から適用(保険料は全額事業主負担)されますから、2時間だけのアルバイトで事故に遭って負傷や入院し、4日以上仕事が出来ない時には保障されます。(事業主は隠したがりますが、労働基準監督署に請求すれば何とかしてくれるはずです。)
「介護保険」は、40歳以上で健康保険または国民健康保険に加入している人(つまり日本に住んでいる人(居住者)のすべて)が第2号被保険者になります。
社会保険に加入すると社会保険料として、健康保険料約6万円、厚生年金保険料約10万円、合計約16万円(年額)ぐらいが天引きされます。(たぶん給与から毎月1万4千円ぐらいが天引きされることになります。)
参考
夫の扶養(3号被保険者)なら保険料0円で、基礎年金がもらえるので、厚生年金に入ると損した気分になるかと思いますが、国民年金(1号被保険者)の保険料が年間19.5万円もするのに、厚生年金(2号被保険者)は保険料を事業主が半分負担しますから、たった10万円程度にしかならず、しかも国民年金は基礎年金しかもらえないのに、厚生年金は基礎年金+報酬比例の年金ももらえるのでとってもお得なのです。
したがって年収が106万円を超える人については、手取額がかなり減ってしまうことになります。
この状況を踏まえ選択支は2つです。
1つは賃金月額を8.8万円(年収106万円)よりも少なくなるようにコントロールする。
もう1つは精一杯働いて、150万円以上の収入を目指す。
どちらが良いかはその人しだいです。
後述しますが、FPとしての意見は、一般の保険会社が売っている介護保険や年金保険などに月額2万円(年額24万円)も入っている人は、社会保険料16万円の方が給付が手厚く、税金も安くなりとってもお得ですから社会保険へのご加入をぜひおすすめします。(介護保険や年金保険などを解約する前提で)
各社会保険からの給付内容はこちらをご覧ください。
以上は社会保険関連の適用拡大についてですが、年収約100万円から141万円の間にさまざまな「壁」があり、よく分からない人が多いと思いますので、以下に整理して分かりやすく説明したいと思います。
1 所得税の103万円の壁
パートによる収入はサラリーマンと同様に給与所得となります。給与所得の計算式は、
課税所得=年収-給与所得控除-基礎控除38万円-その他の控除
注:住民税の基礎控除額は33万円です。
年収とは、事業主が支払った金額です。(源泉徴収票の支払金額です。)
基礎控除38万円は全ての人に一律で適用されます。
給与所得控除は年収により変わりますが、年収180万円以下の人は65万円です。
ちなみに給与所得控除の意味はサラリーマンの必要経費と考えられます。
必要経費とは、仕事をするために服や靴を買ったり、バックを買ったり、パソコンや筆記具やいろんなものを買わなくてはならないでしょうから、そのための費用として65万円を始めから引いてあげますと言う国税庁のとてもやさしい心遣いなのです。・・・そうでもないのかな?
「その他の控除」とは、生命保険料控除や社会保険料控除などですが、夫婦の場合、所得の多い人(税率の高い人)の収入から控除した方がお得になるので、パートの奥さんの収入から控除することは賢くありません。
お得情報
2017年から確定拠出年金(通称iDeCo:イデコ)の対象者が拡大され、新に公務員、専業主婦など約2600万人がこのお得な制度を使えるようになります。専業主婦の場合、毎月確定拠出年金に23,000円まで積立できるので、最高年額276,000円を所得から控除でき、103万円+27.6万円=130.6万円以内であれば課税所得は0円となります。
参考(2020改正)
iDeCoは2022年5月から加入上限が65歳未満に引き上げられます。(現状は60歳)
企業型については70歳未満に引き上げられます。
以上より、給与収入については、基礎控除38万円+給与所得控除65万円=103万円を最初から差し引くことができ、この金額を超えた額がいわゆる「所得」となり課税されるのです。
このため一般に「所得税の103万円の壁」と言われています。
一方住民税の基礎控除額は33万円なので、この金額が98万円(=65万円+33万円)となりますから、103万円の壁の前に98万円の壁がちょこっとあるのです。
例えば年収が103万円の場合、98万円の控除後の課税所得が5万円となりますから、住民税として1万円を取られます。(所得割が10%で5,000円、均等割が県と市の合計で5,000円)
参考
住民税均等割の非課税基準額として93万円~100万円が地域別に設定されていますから正確に言えば、住民税については「98万円付近の壁」ということになります。
住民税均等割はお金持ちでもそうでない人も一律(人頭税)で、都道府県が1,000円、市町村が3,000円、またそれぞれに復興特別税500円が加算され、住民税均等割の合計は5,000円となります。(横浜市など6,000円を超える市町村もあります。)
以上より、パートの年収が120万円の人の場合で税額を計算すると、
所得税の基礎となる課税所得
120万円-38万円-65万円=17万円
住民税の基礎となる課税所得
120万円-33万円-65万円=22万円
この所得に対して所得税5%、住民税10%(都道府県民税4%、市町村民税6%)、住民税均等割(5000円)が課税されるので、
所得税額 170,000円×5%(5/100)=8,500円
これに復興特別税が加算され所得税額は8,600円となります。
住民税額 220,000円×10%(10/100)=22,000円
これに均等割と復興特別税が加算され住民税額はだいたい27,000円ぐらいになります。
所得税が8,600円、住民税が27,000円ですから、一般に言われている所得税の「103万円の壁」よりも住民税の「だいたい98万円付近の壁」の方が家計にとっては影響が大きいのです。(住民税は、基礎控除額が5万円低く、税率が10%、しかも均等割もありますから税額が所得税よりも大きくなるのです。)
103万円は「配偶者控除」についても壁になっています。
妻のパート収入が103万円以下(つまり所得がない)の場合、夫は自分の収入から配偶者控除として38万円を差し引くことができます。
所得税10%・住民税10%とすると、38万円の20%、7万6千円だけ税金が安くなります。
妻の収入が増えて110万円(103万円から7万円アップ)の場合は、配偶者特別控除が適用され、控除額は38万円から7万円が引かれて31万円を控除できます。(税金が6万2千円安くなります。)
注意
夫の年収が1,230万円以下が配偶者控除を適用する条件です。
妻についてはパート以外の収入がないことが条件です。(あれば収入に加算される)
妻の収入が141万円(103万円から38万円アップ)になると、配偶者特別控除は38万円-38万円=0円となり適用できなくなります。
2 社会保険料の106万円の壁
前記のとおり大きな企業でパートとして働いている人(106万円を超える人)は10月から、1年間にだいたい16万円~20万円ぐらいの社会保険料を支払うことになります。
毎月の給与から天引きされた場合は1万5千円前後が引かれることになります。
一方、社会保険料はその全額を収入から控除できますから、所得税・住民税が安くなります。
パートの年収が120万円の場合で試算すると、
所得税8,600円が400円に、住民税27,000円が17,000円ぐらいに下がります。
以上のすべてを合計すると年収が120万円の人は10月からの手取額は約14万円ぐらい減ることになります。
130万円の人の場合は約9万円ぐらい手取額が減ります。
参考
収入が143万円ぐらいになると9月以前の手取り額とほぼ同じレベルになります。(家計全体としては夫の会社からの扶養手当がなくなったりしますから、同レベルになるには150万円が目安となります。)
でもね悪いことばかりではないのです。
この改正は国民のためを思って(?)施行されたのですから良い面もあるのです。
まず厚生年金に加入することで将来もらえる年金が増えます・・・と政府は言っています。
また厚生年金には保険が付いていますから、程度の軽い傷害(3級)から重い障害(1級)になったときには障害基礎年金や障害厚生年金がもらえます。
例えば両眼の矯正視力が0.1以下になったら3級障害に該当し障害厚生年金がもらえます。(最低保障額585,100円)
細部はこちらをご覧ください。
その他に健康保険にも加入しますから、妊娠出産では出産育児一時金(約42万円)の他に出産手当金(給与の約3ヶ月分)がもらえるようになり、また病気やけがで入院・療養した場合、仕事が出来なかった(給料がもらえなかった)日数に応じてその分の給料の約67%を保障(傷病手当金)してくれるので、とってもお得なのです。
こんなに手厚い所得補償保険は世の中にありません!
細部はこちらをご覧ください。
ですから個人年金保険や所得補償保険や医療保険などに加入されている人は、この際すべての保険を解約してもよいくらいです。
3 社会保険料の壁130万円
これまでは週30時間以上、年収130万円以上が社会保険加入の条件でした。
これが10月より大企業に勤めるパートの人については、前記要件に該当する場合年収が106万円に引き下げられました。
したがって前記要件に該当しない中小企業にお勤めのパートの方は引き続き130万円を超えなければ社会保険へ加入する必要はありません。
でもいずれは130万円の壁が撤廃され、週20時間、年収106万円がすべてのパートの方に適用されるようになる予定です。
これまで税金や社会保険のしくみは、働く夫とそれを支える専業主婦の妻を前提として法律が作られていました。
しかし離婚したら妻の年金はごく僅かしかありませんし、女性の活用と言っても103万円を超えて働くと損をする制度となっていましたし、なにより独身者が急増していますから、これまでのしくみが時代に合わなくなって来ています。
そこで夫婦を前提とした社会のしくみを男女ともに公平に扱えるよう改善が進められています。
国の制度改革は当然良くなるところと、悪くなるところがありますが、賢い消費者としては国の制度をよく知り、最大限これを活用することが明るい未来につながります。
以上ご参考としてください。
パート収入と税金と社会保険の基礎知識(その2)
(配偶者特別控除について)
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
2020年5月30日土曜日
2018年3月22日木曜日
パート収入と税金と社会保険の基礎知識(その2)
2016年10月からパートでも年収106万円以上の人は社会保険に加入できる(せざるを得ない)ようになりました。詳細はこちらをご覧ください。
一方、パートの奥さんを扶養している旦那さん(納税者)の配偶者控除の適用範囲が平成30年から拡大されます。(税金が安くなります。)
配偶者控除とは、奥さんを養っているといろいろと出費が嵩んで大変でしょうと、奥さんのための支出については税金を掛けないよう配慮してくれています。
奥さんの中には、ブランドバックを買い、豪華なランチを食べている派手な人や、貯蓄が趣味という地味な人もいますが、不公平にならないように、奥さんのための予算額は一律38万円と決められています。(配偶者の収入が103万円までは、課税所得が0円なので、旦那さん(納税者)の配偶者控除額は満額の38万円となります。)
このため、旦那さん(納税者)の所得からは奥さんのための金額として38万円が差し引かれ(非課税となる)、残った金額(課税所得)に税金が掛けられます。
でも奥さんのパート収入が104万円になったら控除額が0円というのも可哀想なので、141万円まではだんだんと控除額を減らすように考慮されていました。
一方、2016年10月からパートでも厚生年金や健康保険に加入できるようになり、これまでの103万円の壁を乗り越える奥さんたちが増えつつあります。
しかし奥さんの収入が伸びても、社会保険料の負担や、旦那さんの配偶者控除がなくなってしまうハンデなどにより、家計としては思ったほどには収入が伸びていません。
そこで、「103万円の壁」「106万円の壁」「141万円の壁」を乗り越えても家計収入がグンと伸び、パートの労働人口も増えるよう、政府は配偶者特別控除を大幅に拡大しました。
これまでは、奥さんの収入が141万円以上なら、納税者本人、つまり旦那さんの収入から差し引ける配偶者特別控除額は0円でしたが、平成30年よりこれが201万円に拡大されたのです。
平成29年4月財務省パンフレット「税制改正」より(図をクリックすると拡大します)
この図の説明
これまでは、奥さんの収入が103万円以内なら配偶者控除は満額の38万円でしたが、平成30年からは、これが150万円に拡大されたため、パート収入が150万円以内なら、旦那さんの収入から満額の38万円を差し引くことができます。(税率が20%なら税金が7.6万円安くなります。)
奥さんの収入が150万円から201万円の間は、この控除額が38万円からだんだんと下がり、201万円となったら、配偶者特別控除額は0円になります。
注意
これが適用されるのは、旦那さん(納税者本人)の収入が1,120万円以下の場合です。また内縁関係では配偶者控除は適用されません。
この図より、拡大されたのは配偶者特別控除であり、配偶者控除については現行どおりとなっています。
なぜ配偶者控除を変更しなかったのか不思議なのですが、多分配偶者特別控除の方が、簡単に変更でき、いつでも元に戻せるので財務省にとってはさじ加減をしやすかったのではないでしょうか。
いずれにしても夫婦の家計にとっては年間数十万円も収入が増やせるので、パートの奥さんは103万円の壁を乗り越えバンバン稼ぎましょう。
そうすることで、人手不足も解消し、日本のGDPも右肩上がりとなり、景気回復に多大の効果が出る・・・かも知れません。
参考
①妻の収入が多く、夫の収入が150万円という場合は、妻が納税者本人となり、夫が配偶者として前記の配偶者特別控除が納税者本人(妻)に適用されます。
②共働きで育休中の妻の場合、育児休業給付金には所得税がかかりませんから、納税者(夫)に配偶者控除、配偶者特別控除が適用される可能性があります。(年末調整や確定申告により税金の還付を受けられます。)
その1
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
2010年5月23日日曜日
こんなに手厚い社会保険(その1)
すでに高額療養費制度は解説しましたから、今回は社会保障制度の全般について説明します。
憲法に基づき国民が人間らしい生活を営めるよう保障しようと設けられた国の制度が社会保障制度です。
国の制度(社会保険)には、医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険の5種類があります。
個人が保険加入を考えるとき、第1に考慮しなければならないのがこれらの国の社会保障制度です。
次に地方自治体の各種助成制度です。(住んでいる地域により特色があります。不妊治療助成金なんてのもあります。)
3番目には、勤めている会社の福利厚生制度です。(会社には、企業年金や、団体定期保険、医療費補助制度などがあります。)
そして最後に、それでも不足する場合は、自分の給料から保険料を出して、保険に入ることになります。
【国の社会保障制度】
1 国民年金、厚生年金、共済年金
年金制度は複雑で分かりにくいのですが、国民年金法が土台にあり、その上に厚生年金保険法などが乗っているイメージです。
ですから、生涯サラリーマンだった人は厚生(共済)年金の被保険者なのですが、自動的に国民年金にも加入(2号被保険者)しており、65歳からは、国民年金から老齢基礎年金(約79万円)を、厚生年金から老齢厚生年金(約110万円程度、平均給与額が多いともっと多くなる)を貰えます。
1号(自営業者とその妻)と3号(サラリーマンの妻)は国民年金からの老齢基礎年金だけが給付されます。
1号や3号でも途中で2号の期間が1ヶ月でもあれば、そのときの標準報酬と期間に応じた老齢厚生(退職共済)年金が貰えます。
【老齢基礎年金、老齢厚生(退職共済)年金】
老齢基礎年金は、国民なら全員が貰えます。
ただし保険料を10年(120ヶ月)以上支払っていること。(免除期間やから期間(昭和61年前の任意加入の期間)は加算してくれます。)
年金額は保険料の支払月数を掛けた額となり、40年間(20歳~60歳)、つまり480ヶ月支払うと約79万円の年金が貰えます。
2号の人(サラリーマン)は、標準報酬と勤続期間に比例した老齢厚生(退職共済)年金が老齢基礎年金にプラスして貰えます。(このほかに、公務員には職域加算があります。)
主婦の方は、1号、2号、3号を渡り歩くことが多く、年金記録がない場合がありますから、「ねんきん定期便」でよく確認しましょう。
その他に、1号の方には国民年金基金が扱っている付加年金があり、月400円を払うと、200円×保険料納付済期間分の年金が毎年もらえます。(2年で元が取れますのでお得です。)
2号の方(特に大企業)には厚生年金基金があり、老齢厚生年金の上乗せとして老齢年金がもらえます。
これら以外に確定拠出年金(いわゆる401K)がありますが、それについてはまたの機会に。
【遺族基礎年金、遺族厚生(共済)年金】
夫に万一の時は、国民年金から、残された遺族に遺族基礎年金(79万円+子の加算)が支給されます。
遺族とは、18歳未満の子がいる妻、または子が対象となり、子のいない妻には60歳から寡婦年金が支給されます。(妻が死亡しても「主夫」には支給されません。)
注意
妻により扶養されていた夫及び両親、祖父母について、妻が死亡した時点で55歳以上ならば、60歳から遺族厚生(共済)年金が支給されます。
夫が厚生(共済)年金加入者で死亡したときは、さらに遺族厚生(共済)年金(老齢厚生年金額の3/4)が上乗せ(子の有無は問わない)されます。
また妻が40歳以上で18歳未満の子がいない妻(寡婦)には中高齢寡婦加算(59万円)があります。
(子があれば遺族厚生(共済)年金+遺族基礎年金(79万円+子の加算)がもらえますが、子がいなければ遺族厚生(共済)年金+中高齢寡婦加算(59万円)がもらえるということです。)
遺族厚生(共済)年金は、加入期間にかかわらず遺族(妻の年齢制限あり)に支払われ、加入期間が25年以下なら300ヶ月分の報酬比例額×3/4が最低保証されます。
【障害基礎年金、障害厚生(共済)年金】
病気やケガなどで障害者(65歳未満、65歳からは老齢基礎年金)となったとき(初診日から1年6月後)、その程度に応じて、国民年金加入者は障害基礎年金(1級99万円、2級79万円)が、厚生(共済)年金加入者はさらに傷害厚生(共済)年金(3級)が受け取れます。
年金制度については、議論はいろいろありますが、制度としては非常によい内容です。
ただそれを管理している役人の問題や、保険料の未払い者が多いことなど、長期に安定的に制度を維持することが困難になりつつあります。
しかし、夫に万が一のことがあると、遺族年金から合計して5千万円ぐらいの給付がされますので、遺族補償の大きな柱となります。
30代の妻、子2人の遺族保障は約1憶2千万必要ですが、将来(遺族年金+死亡退職金+妻の収入)で約8千万ぐらいの収入が見込めますから、残りの4千万が必要保障額になります。
会社に団体定期保険があれば、これに4千万加入することで、万が一の保障は万全です。
会社等の保障については、また後で・・・
こんなに手厚い社会保険(その2)
憲法に基づき国民が人間らしい生活を営めるよう保障しようと設けられた国の制度が社会保障制度です。
国の制度(社会保険)には、医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険の5種類があります。
個人が保険加入を考えるとき、第1に考慮しなければならないのがこれらの国の社会保障制度です。
次に地方自治体の各種助成制度です。(住んでいる地域により特色があります。不妊治療助成金なんてのもあります。)
3番目には、勤めている会社の福利厚生制度です。(会社には、企業年金や、団体定期保険、医療費補助制度などがあります。)
そして最後に、それでも不足する場合は、自分の給料から保険料を出して、保険に入ることになります。
【国の社会保障制度】
1 国民年金、厚生年金、共済年金
年金制度は複雑で分かりにくいのですが、国民年金法が土台にあり、その上に厚生年金保険法などが乗っているイメージです。
ですから、生涯サラリーマンだった人は厚生(共済)年金の被保険者なのですが、自動的に国民年金にも加入(2号被保険者)しており、65歳からは、国民年金から老齢基礎年金(約79万円)を、厚生年金から老齢厚生年金(約110万円程度、平均給与額が多いともっと多くなる)を貰えます。
1号(自営業者とその妻)と3号(サラリーマンの妻)は国民年金からの老齢基礎年金だけが給付されます。
1号や3号でも途中で2号の期間が1ヶ月でもあれば、そのときの標準報酬と期間に応じた老齢厚生(退職共済)年金が貰えます。
【老齢基礎年金、老齢厚生(退職共済)年金】
老齢基礎年金は、国民なら全員が貰えます。
ただし保険料を10年(120ヶ月)以上支払っていること。(免除期間やから期間(昭和61年前の任意加入の期間)は加算してくれます。)
年金額は保険料の支払月数を掛けた額となり、40年間(20歳~60歳)、つまり480ヶ月支払うと約79万円の年金が貰えます。
2号の人(サラリーマン)は、標準報酬と勤続期間に比例した老齢厚生(退職共済)年金が老齢基礎年金にプラスして貰えます。(このほかに、公務員には職域加算があります。)
主婦の方は、1号、2号、3号を渡り歩くことが多く、年金記録がない場合がありますから、「ねんきん定期便」でよく確認しましょう。
その他に、1号の方には国民年金基金が扱っている付加年金があり、月400円を払うと、200円×保険料納付済期間分の年金が毎年もらえます。(2年で元が取れますのでお得です。)
2号の方(特に大企業)には厚生年金基金があり、老齢厚生年金の上乗せとして老齢年金がもらえます。
これら以外に確定拠出年金(いわゆる401K)がありますが、それについてはまたの機会に。
【遺族基礎年金、遺族厚生(共済)年金】
夫に万一の時は、国民年金から、残された遺族に遺族基礎年金(79万円+子の加算)が支給されます。
遺族とは、18歳未満の子がいる妻、または子が対象となり、子のいない妻には60歳から寡婦年金が支給されます。(妻が死亡しても「主夫」には支給されません。)
注意
妻により扶養されていた夫及び両親、祖父母について、妻が死亡した時点で55歳以上ならば、60歳から遺族厚生(共済)年金が支給されます。
夫が厚生(共済)年金加入者で死亡したときは、さらに遺族厚生(共済)年金(老齢厚生年金額の3/4)が上乗せ(子の有無は問わない)されます。
また妻が40歳以上で18歳未満の子がいない妻(寡婦)には中高齢寡婦加算(59万円)があります。
(子があれば遺族厚生(共済)年金+遺族基礎年金(79万円+子の加算)がもらえますが、子がいなければ遺族厚生(共済)年金+中高齢寡婦加算(59万円)がもらえるということです。)
遺族厚生(共済)年金は、加入期間にかかわらず遺族(妻の年齢制限あり)に支払われ、加入期間が25年以下なら300ヶ月分の報酬比例額×3/4が最低保証されます。
【障害基礎年金、障害厚生(共済)年金】
病気やケガなどで障害者(65歳未満、65歳からは老齢基礎年金)となったとき(初診日から1年6月後)、その程度に応じて、国民年金加入者は障害基礎年金(1級99万円、2級79万円)が、厚生(共済)年金加入者はさらに傷害厚生(共済)年金(3級)が受け取れます。
年金制度については、議論はいろいろありますが、制度としては非常によい内容です。
ただそれを管理している役人の問題や、保険料の未払い者が多いことなど、長期に安定的に制度を維持することが困難になりつつあります。
しかし、夫に万が一のことがあると、遺族年金から合計して5千万円ぐらいの給付がされますので、遺族補償の大きな柱となります。
30代の妻、子2人の遺族保障は約1憶2千万必要ですが、将来(遺族年金+死亡退職金+妻の収入)で約8千万ぐらいの収入が見込めますから、残りの4千万が必要保障額になります。
会社に団体定期保険があれば、これに4千万加入することで、万が一の保障は万全です。
会社等の保障については、また後で・・・
こんなに手厚い社会保険(その2)
2010年5月22日土曜日
こんなに手厚い社会保険(その2)
2 医療保険
国民は、次のどれか一つの医療保険に必ず加入することとされています(国民皆保険制度)
○健康保険(組合けんぽ)
大企業が設立する健康保険組合(法人)が保険者となり、従業員が被保険者
○健康保険(協会けんぽ)
全国健康保険協会(非公務員型の法人)が保険者となり、中小企業の従業員が被保険者
○共済組合(短期給付事業)
国家公務員共済組合連合会等が保険者となり、国家公務員・地方公務員・私立学校職員等が被保険者
○日雇健康保険
全国健康保険協会が保険者となり、日々、雇い入れをされる労働者が被保険者
○国民健康保険(国保)
市町村または、同種の業種、又は事務所に従事する者を組合員とする国民健康保険組合が保険者となり、前記のいずれの被保険者でないものが被保険者(後期高齢者を除く)
参考
国民健康保険の被保険者は次のようになっています。
市町村の区域内に住所を有するもので、次に該当しない者はその意思のいかんにかかわらず、全員が自動的にその市町村の国民健康保険に加入することになる(国民健康保険法第5条、第6条)。
・健康保険等の職場の保険に加入している者(サラリーマン、公務員)と、その被扶養者
・国民健康保険組合に加入している者(大企業サラリーマン)と、加入者の世帯に属する者
・生活保護を受けている者
・後期高齢者医療制度に加入している者
○後期高齢者医療制度
【高額療養費制度】(すべての保険で適用)
こちらをご覧ください。
【家族療養費】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
被保険者に扶養されている者は、病院等で治療を受けたときは被保険者と同様に、3割負担で療養を受けられます。
【出産育児一時金】(後期高齢者医療制度を除く)
被保険者本人が出産した場合に給付されます。
妊娠4カ月以上で出産(死産や流産をした場合も給付されます。)した人は、子供一人につき42万円(双子なら2倍)が給付され、市区町村や健保組合、共済組合によっては、付加金が付くこともあります。
(「産科医療補償制度」に加入していない病院で出産すると39万円)
【家族出産育児一時金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
妻が被保険者の扶養になっていたら、被保険者の健康保険から支給(前項と同額、同条件)されます。
扶養していれば、娘の出産でももらえます。
【出産手当金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
勤めている女性で、産休中で給与がもらえない場合、自分の健康保険(夫の扶養はダメ)から、標準報酬日額の2/3×98日(産前42日+産後56日)分の手当が支給されます。
出産が予定日より遅れたら、遅れた分も支給されます。社員のほか、契約社員やパート、アルバイト、派遣社員であっても健康保険に加入していれば貰えます。
(健康保険を脱退したか、任意継続の人は貰えません。)
参考
会社員ではない自営業者や学生などが加入している国民年金(1号被保険者)についても、2019年4月より出産予定日または出産日の前4ヶ月から、出産した翌月から4ヶ月分(双子などの多胎妊娠の場合は6ヶ月)の保険料が免除されます。(死産や流産した場合も適用されます。) この制度は「市町村の国民年金窓口」に申請しないと受けられません。
【傷病手当金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
被保険者が病気やケガで入院・療養し、そのため仕事を休み、給料の支払を受けられなかったとき、標準報酬日額の2/3が給付されます。
もらえる期間は、休養後(3日連続して仕事を休んだ後)4日目から休んだ日数分がもらえ、最長1年6ヶ月までもらえます。
「3日連続して仕事を休んだ後」とは休日でも、有給休暇でもOKです。
一日のうち一部就労し給与の一部を貰った場合は、支給調整はあるものの傷病手当金はもらうことができます。
また出産手当金、障害厚生年金・障害手当金、老齢年金等、休業補償給付との併給調整があります。(日雇については、金額、期間は別基準)
続く
こんなに手厚い社会保険(その3)
国民は、次のどれか一つの医療保険に必ず加入することとされています(国民皆保険制度)
○健康保険(組合けんぽ)
大企業が設立する健康保険組合(法人)が保険者となり、従業員が被保険者
○健康保険(協会けんぽ)
全国健康保険協会(非公務員型の法人)が保険者となり、中小企業の従業員が被保険者
○共済組合(短期給付事業)
国家公務員共済組合連合会等が保険者となり、国家公務員・地方公務員・私立学校職員等が被保険者
○日雇健康保険
全国健康保険協会が保険者となり、日々、雇い入れをされる労働者が被保険者
○国民健康保険(国保)
市町村または、同種の業種、又は事務所に従事する者を組合員とする国民健康保険組合が保険者となり、前記のいずれの被保険者でないものが被保険者(後期高齢者を除く)
参考
国民健康保険の被保険者は次のようになっています。
市町村の区域内に住所を有するもので、次に該当しない者はその意思のいかんにかかわらず、全員が自動的にその市町村の国民健康保険に加入することになる(国民健康保険法第5条、第6条)。
・健康保険等の職場の保険に加入している者(サラリーマン、公務員)と、その被扶養者
・国民健康保険組合に加入している者(大企業サラリーマン)と、加入者の世帯に属する者
・生活保護を受けている者
・後期高齢者医療制度に加入している者
○後期高齢者医療制度
都道府県を単位とする広域連合(後期高齢者医療広域連合)が保険者となり、国内に住む75歳以上の後期高齢者全員と、前期高齢者(65~74歳)で障害のある者が被保険者
【高額療養費制度】(すべての保険で適用)
こちらをご覧ください。
【家族療養費】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
被保険者に扶養されている者は、病院等で治療を受けたときは被保険者と同様に、3割負担で療養を受けられます。
【出産育児一時金】(後期高齢者医療制度を除く)
被保険者本人が出産した場合に給付されます。
妊娠4カ月以上で出産(死産や流産をした場合も給付されます。)した人は、子供一人につき42万円(双子なら2倍)が給付され、市区町村や健保組合、共済組合によっては、付加金が付くこともあります。
(「産科医療補償制度」に加入していない病院で出産すると39万円)
【家族出産育児一時金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
妻が被保険者の扶養になっていたら、被保険者の健康保険から支給(前項と同額、同条件)されます。
扶養していれば、娘の出産でももらえます。
【出産手当金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
勤めている女性で、産休中で給与がもらえない場合、自分の健康保険(夫の扶養はダメ)から、標準報酬日額の2/3×98日(産前42日+産後56日)分の手当が支給されます。
出産が予定日より遅れたら、遅れた分も支給されます。社員のほか、契約社員やパート、アルバイト、派遣社員であっても健康保険に加入していれば貰えます。
(健康保険を脱退したか、任意継続の人は貰えません。)
参考
会社員ではない自営業者や学生などが加入している国民年金(1号被保険者)についても、2019年4月より出産予定日または出産日の前4ヶ月から、出産した翌月から4ヶ月分(双子などの多胎妊娠の場合は6ヶ月)の保険料が免除されます。(死産や流産した場合も適用されます。) この制度は「市町村の国民年金窓口」に申請しないと受けられません。
【傷病手当金】(組合けんぽ、協会けんぽ、共済、日雇のみ)
被保険者が病気やケガで入院・療養し、そのため仕事を休み、給料の支払を受けられなかったとき、標準報酬日額の2/3が給付されます。
もらえる期間は、休養後(3日連続して仕事を休んだ後)4日目から休んだ日数分がもらえ、最長1年6ヶ月までもらえます。
「3日連続して仕事を休んだ後」とは休日でも、有給休暇でもOKです。
一日のうち一部就労し給与の一部を貰った場合は、支給調整はあるものの傷病手当金はもらうことができます。
また出産手当金、障害厚生年金・障害手当金、老齢年金等、休業補償給付との併給調整があります。(日雇については、金額、期間は別基準)
続く
こんなに手厚い社会保険(その3)
2010年5月21日金曜日
こんなに手厚い社会保険(その3)
3 雇用保険
雇用保険からの給付は、次のようなときにもらえます。
○失業したとき(基本手当、技能習得手当等、傷病手当)
○仕事を続ける事がむづかしいとき(育児、介護、高年齢)
雇用保険の被保険者には、一般被保険者、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者の4つの種類があります。
会社員は一般被保険者となりますが、パートタイマー、アルバイト、派遣などについても次のいずれにも該当する場合には被保険者となります。
(未加入の方は、事業所で従業員が5人以上いれば強制適用となりますから、次の条件に該当していれば、事業主に相談してください。)
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・1年以上引き続き雇用されることが見込まれる
(次の場合はこれに該当します)
・期間の定めがない場合
・雇用期間が1年の場合
・3ヶ月等の期間を定めて雇用される場合であって、契約更新規程がある場合
・3ヶ月等の期間を定めて雇用される場合であって、同様の契約で雇用されている他の者の過去の就労実績等から見て、契約を1年以上にわたって反復更新することが見込まれる場合
では、給付内容について以下に説明します。
【傷病手当】
雇用保険に加入していた人が会社を退職し、失業等給付(基本手当:給料の約80%~50%)を受けることができるとき、病気やケガをしてしまい、続けて15日以上働くことができないあいだ、基本手当に代えて同額の傷病手当が支給されます。
つまりそのまま手当がもらえるのですが、基本手当は「働く意志と能力のある人」に支給されるため、病気などで「働く能力」がない人にも給付するための理由付として「傷病手当」があります。
基本手当がもらえない、高年齢、短期雇用、日雇の人は傷病手当ももらえません。
【育児休業給付金】
一般被保険者(男女を問いません)が1歳未満の子を養育するため、育児休業を取得した場合にもらうことができます。
ただし、入社早々のように、賃金支払が12か月に満たないと、もらえませんので注意しましょう。
また休業中で仕事をして、休業が1ヶ月に20日未満となったり、8割以上の給料をもらったりすると、その月は給付金はもらえません。
もらえる額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の50%(2014/4/1からは、育児休業の開始から6か月までは67%)相当額となっています。
支給(単位)期間は、産休明けに育児休業を開始したときから、子が1歳の誕生日の2日前の日までです。
子供が1歳になっても、保育所に入れなかったり(公的な保育所だけで判断し、無認可はOKです)、配偶者が病気や死亡または離婚したり、次の子を6週間以内に産む場合は、1歳6か月まで延長できます。
手続きは会社に書類を提出すればやってくれます。
注意:平成22年4月1日以前に育児休業を開始し、現在育休中の方(育児休業基本給付金をもらっている人)は、職場に復帰し6ヶ月を経過したら育児休業者職場復帰給付金(休業開始時賃金日額の10%)がもらえます。
[保険料と税金]
健康保険、厚生年金保険の保険料については、育児休業取得者について、育児休業等を開始した月の当月からその育児休業が終了する日の翌日の属する月の前月までの期間、事業主及び被保険者負担分の保険料が免除されます。
雇用保険料は、無給の場合は、事業主及び被保険者負担分がともにありません。
所得税、住民税については、育児休業中は賃金の支払いがあれば、その分の所得税は納付しなければなりません。
しかし、無給である場合には課税されません。
なお、育児休業給付金については非課税とされています。
【介護休業給付】
家族を介護するための休業をした場合に給料の約40%をもらうことができます。
(被保険者期間(直前の2年間の賃金支払)が12か月に満たないと、もらえません。)
対象家族は、同居し扶養している配偶者、父母(配偶者の父母(同居は問わない)も含む)、祖父母、兄弟姉妹、孫になります。
対象家族1人について通算93日以内であり、要介護状態ごとに1回が原則なので、同じ対象家族で、同じ要介護状態については1回限りとなります。
したがって要介護状態が異なれば、同一家族について複数回(通算93日以内)もらうことができます。
要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態のことです。
休業期間中に仕事をして休業が1ヶ月に20日未満となったり、8割以上の給料をもらったりすると、その月は給付金はもらえません。
手続きは会社に書類を提出すればやってくれます。
[保険料と税金]
健康保険及び厚生年金保険料は免除されません。
雇用保険料は無給の場合、事業主及び被保険者負担分がともにありません。
所得税、住民税については、介護休業中は賃金の支払いがあれば、その分の所得税は納付しなければなりません。しかし、無給である場合には課税されません。
なお、介護休業給付金については非課税とされています。
こんなに手厚い社会保険(その4)
雇用保険からの給付は、次のようなときにもらえます。
○失業したとき(基本手当、技能習得手当等、傷病手当)
○仕事を続ける事がむづかしいとき(育児、介護、高年齢)
雇用保険の被保険者には、一般被保険者、高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者、日雇労働被保険者の4つの種類があります。
会社員は一般被保険者となりますが、パートタイマー、アルバイト、派遣などについても次のいずれにも該当する場合には被保険者となります。
(未加入の方は、事業所で従業員が5人以上いれば強制適用となりますから、次の条件に該当していれば、事業主に相談してください。)
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・1年以上引き続き雇用されることが見込まれる
(次の場合はこれに該当します)
・期間の定めがない場合
・雇用期間が1年の場合
・3ヶ月等の期間を定めて雇用される場合であって、契約更新規程がある場合
・3ヶ月等の期間を定めて雇用される場合であって、同様の契約で雇用されている他の者の過去の就労実績等から見て、契約を1年以上にわたって反復更新することが見込まれる場合
では、給付内容について以下に説明します。
【傷病手当】
雇用保険に加入していた人が会社を退職し、失業等給付(基本手当:給料の約80%~50%)を受けることができるとき、病気やケガをしてしまい、続けて15日以上働くことができないあいだ、基本手当に代えて同額の傷病手当が支給されます。
つまりそのまま手当がもらえるのですが、基本手当は「働く意志と能力のある人」に支給されるため、病気などで「働く能力」がない人にも給付するための理由付として「傷病手当」があります。
基本手当がもらえない、高年齢、短期雇用、日雇の人は傷病手当ももらえません。
【育児休業給付金】
一般被保険者(男女を問いません)が1歳未満の子を養育するため、育児休業を取得した場合にもらうことができます。
ただし、入社早々のように、賃金支払が12か月に満たないと、もらえませんので注意しましょう。
また休業中で仕事をして、休業が1ヶ月に20日未満となったり、8割以上の給料をもらったりすると、その月は給付金はもらえません。
もらえる額は、支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の50%(2014/4/1からは、育児休業の開始から6か月までは67%)相当額となっています。
支給(単位)期間は、産休明けに育児休業を開始したときから、子が1歳の誕生日の2日前の日までです。
子供が1歳になっても、保育所に入れなかったり(公的な保育所だけで判断し、無認可はOKです)、配偶者が病気や死亡または離婚したり、次の子を6週間以内に産む場合は、1歳6か月まで延長できます。
手続きは会社に書類を提出すればやってくれます。
注意:平成22年4月1日以前に育児休業を開始し、現在育休中の方(育児休業基本給付金をもらっている人)は、職場に復帰し6ヶ月を経過したら育児休業者職場復帰給付金(休業開始時賃金日額の10%)がもらえます。
[保険料と税金]
健康保険、厚生年金保険の保険料については、育児休業取得者について、育児休業等を開始した月の当月からその育児休業が終了する日の翌日の属する月の前月までの期間、事業主及び被保険者負担分の保険料が免除されます。
雇用保険料は、無給の場合は、事業主及び被保険者負担分がともにありません。
所得税、住民税については、育児休業中は賃金の支払いがあれば、その分の所得税は納付しなければなりません。
しかし、無給である場合には課税されません。
なお、育児休業給付金については非課税とされています。
【介護休業給付】
家族を介護するための休業をした場合に給料の約40%をもらうことができます。
(被保険者期間(直前の2年間の賃金支払)が12か月に満たないと、もらえません。)
対象家族は、同居し扶養している配偶者、父母(配偶者の父母(同居は問わない)も含む)、祖父母、兄弟姉妹、孫になります。
対象家族1人について通算93日以内であり、要介護状態ごとに1回が原則なので、同じ対象家族で、同じ要介護状態については1回限りとなります。
したがって要介護状態が異なれば、同一家族について複数回(通算93日以内)もらうことができます。
要介護状態とは、負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護(歩行、排泄、食事等の日常生活に必要な便宜を供与すること)を必要とする状態のことです。
休業期間中に仕事をして休業が1ヶ月に20日未満となったり、8割以上の給料をもらったりすると、その月は給付金はもらえません。
手続きは会社に書類を提出すればやってくれます。
[保険料と税金]
健康保険及び厚生年金保険料は免除されません。
雇用保険料は無給の場合、事業主及び被保険者負担分がともにありません。
所得税、住民税については、介護休業中は賃金の支払いがあれば、その分の所得税は納付しなければなりません。しかし、無給である場合には課税されません。
なお、介護休業給付金については非課税とされています。
こんなに手厚い社会保険(その4)
2010年5月20日木曜日
こんなに手厚い社会保険(その4)
4 労災保険
健康保険は、仕事以外の時間中に起こった事故や病気に対して医療給付されますが、労災保険は仕事中や通勤途中での事故や病気に対して国から給付が行われます。
主な給付内容は、
○業務災害に関する保険給付
・療養補償
・休業補償
・障害補償
・遺族補償
・その他(葬祭料、傷病保障、介護保障)
○通勤災害に関する保険給付
業務災害に関する保険給付と同様ですが、「補償」が付きません。
この理由は、業務災害が起こった場合、雇用主に安全管理の責任があるため、雇用主が従業員に対して「補償」しますが、通勤災害については、雇用主に安全管理の責任がありませんから「補償」が付きません。(ただし仕事の一部分として労災保険には取り込まれています。)
○二次健康診断等給付
定期健康診断等で血圧、血中脂質、血糖値、BMI(肥満度)のいずれの数値にも異常所見がある場合、無料で精密検査が受けられます。
これは、過労死を予防するため「脳血管疾患」「心疾患」に繋がる異常所見のある人について保険給付として二次健康診断を受けてもらうものです。
以下特に「補償」は付けませんが、業務災害も含みます。
【労災保険への加入】
労災は、1人でも労働者(アルバイト、パート、日雇等も当然に労働者となります。)を使用していれば強制加入となります。
労働災害については事業主に被災労働者に対して保障する責任があるので、事業主が保険者である国に保険料を支払うことになります。(労働者の負担はありません。)
被災労働者への給付は事業主に代わって国が行います。(実務は労働基準監督署)
小規模事業や個人経営の商店などは届出していないところが多いと思いますが、届出の有無に関係なく、労働者を使って仕事を始めたその日に労災保険は成立すると法律で定められていますから、業務に関わる事故がいつ起こっても労災保険から保険給付を受けられます。
労災保険からの給付を受ける請求手続きはこちらを見てください。
無届けで労働災害が発生し、労災保険から保険給付が行われた場合、雇用主には後からしっかりと保険料の請求が行きます。
労災保険の適用が除外されるのは、国・官公署の事業、船員、労働者が5人未満の農業・水産業及び林業(年間300人・日以下)だけです。
つぎの労働者以外の方の場合は任意加入が認められています。
第1種特別加入者: 中小事業主及びその従事者(労働者を除く)
第2種特別加入者: 一人親方、特定作業従事者、家内労働者等及びその従事者(労働者を除く)
第3種特別加入者: 国際協力事業団、国内事業(有期事業を除く)から海外の事業へ派遣される者
【労災の認定】
業務事故等については原因が比較的明確ですが、通勤途中の判定や病気、過労死については認定が難しくなります。
一般に「業務遂行性」「業務起因性」で判断されます。
業務遂行性: 事業主の支配下にある状態(勤務時間中など)で、命じられた業務に従事しようとする意志行動がある(私用ではない)こと。
業務起因性: 業務に内在する危険有害性が現実化したと経験則上認められる原因であること。(仕事中に隕石に当たって死亡しても労災認定されません。病気については仕事との因果関係の立証が難しく、過労死については一定の基準(注)があります。)
注:労働省労働基準局長通達
「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」
「精神障害による自殺の取扱いについて」
労災の認定にはかなりの時間がかかります。
労働基準監督署による事故調査などにより「業務遂行性」「業務起因性」が確認されることになります。
過労死(自殺)などの精神疾患の場合、労災の認定までに平均8.7ヶ月を要しています。
ただし、診療報酬(保険が適用される治療行為等)の全額が支給されるだけですから、差額ベッド代等の患者の要望による費用は自己負担となります。
【療養の給付】
指定病院等においてケガなどで入院治療を受けた場合、原則自己負担はありません。
療養の給付は一端治癒しても、後日再発した場合には、再度給付を受けることができます。
【休業の給付】
入院治療のため仕事に就けない日、またはケガ等の状況により仕事ができない日(賃金がもらえない日)について、4日目から賃金の60%が支給されます。(最初の3日間(連続していなくてもよい)については事業主に休業補償の支払義務があります。)
休業の給付に加えて休業特別支給金20%が上乗せされますから、合計すると平均給与の80%が補償されているためとても安心できると思います。
休業開始後1年6ヶ月を経過し療養中で、一定の障害がある場合は、労働基準監督署長の権限で休業給付が打ち切られ「傷病年金」に切り替えられます。
【障害の給付】
ケガ等が治癒し障害が残った場合は、障害年金(1~7級)が給付されます。障害が軽度(8~14級)の場合は障害一時金が給付されます。
ちなみに、障害等級1級の年金額は、平均賃金の313日分になります。
障害等級8級の場合の一時金は、平均賃金の503日分になります。
障害基礎年金や障害厚生年金から給付がある場合は併給調整されます。
【遺族への給付】
労働者が業務事故等で死亡した場合には、遺族年金が支給されます。(妻は無条件で、父母や夫などは60歳以上、子や孫は18歳の3月31日までのもの)
遺族年金は遺族(生計維持関係にあったもの)の人数により、1人のみなら平均賃金の153日分、2人なら201日分、3人なら223日分が支給されます。
遺族厚生年金が支給されても併給調整されません。
【介護の給付】
傷病年金又は障害の給付を受けており、常時又は随時介護が必要な状態で、現在介護を受けているときに支給されます。
○社会復帰促進等事業
保険給付ではありませんが、労災のおまけ給付としてつぎのものがあります。
・被災労働者等(遺族も含まれます。)援護事業
特別支給金、労災就労保育援護費、休業補償特別援護金
以上より、業務に係わる事故等については国と事業主から十分手厚い補償が受けられます。
事業主の経営状況にかかわらず、国が補償してくれますから、労災については個人で保険に入る必要はありません。
強いてあげれば、保険より「貯蓄」に励んでください。
なを、労災保険についてくわしくは、最寄りの労働基準監督署にお問い合わせいただくか、ホームページをご覧ください。
2010年5月19日水曜日
こんなに手厚い社会保険(年金の補足)
障害年金の障害等級について。(国民年金、厚生年金、共済年金共通)
ケガや病気により身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害がある場合、いずれかの年金に加入していれば65歳以前において障害年金がもらえます。
認定の基準となる障害等級表は、国民年金、厚生(共済)年金いずれも共通しており、1、2級(重度)については国民年金からは「障害基礎年金」が給付され、3級(軽度)については厚生(共済)年金からは「障害厚生(共済)年金」が給付されます。
厚生(共済)年金加入者に国民年金から障害基礎年金が給付される理由は、厚生(共済)年金加入者が国民年金の2号被保険者となっているためです。
2号被保険者には65歳になると国民年金からは老齢基礎年金(いわゆる1偕部分(定額))が給付され、厚生(共済)年金からは老齢厚生(退職共済)年金(いわゆる2偕部分(報酬比例))が給付されます。
このため厚生(共済)年金からは国民年金へ基礎年金に相当する拠出金が支払われています。
この拠出金を原資として、国民年金から1、2級の障害のある1~3号被保険者に対して障害基礎年金が給付されます。
3級の障害者については、厚生(共済)年金の独自給付として障害厚生(共済)年金が給付されます。
したがって、1号(自営業)と3号被保険者(サラリーマンの妻)には3級の障害があっても障害厚生(共済)年金は給付されません。
障害等級の認定基準は以下のとおりです。
国民年金、厚生(共済)年金の障害等級表
【障害基礎年金】
1級障害
年金額 792,100円×1.25倍+子の加算
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。具体的には、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることが出来ず、活動の範囲が、病院ではベッド周辺、家庭では室内に限られるもの。
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力の和が0.04以下のもの
2 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
3 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
4 両上肢のすべての指を欠くもの
5 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
6 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
7 両下肢を足関節以上で欠くもの
8 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有するもの
9 前各号に掲げるものの他、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
10 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
11 身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級障害
年金額 792,100円+子の加算
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。具体的には、必ずしも他人の介助は必要無いが、日常生活が極めて困難で、活動の範囲が、病院では病棟内、家庭では家屋内に限られるもの。
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
2 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
3 平行機能に著しい障害を有するもの
4 そしゃくの機能を欠くもの
5 音声または言語機能に著しい障害を有するもの
6 両上肢の親指と人差し指または中指を欠くもの
7 両上肢の親指と人差し指または中指の機能に著しい障害を有するもの
8 1上肢の機能に著しい障害を有するもの
9 1上肢のすべての指を欠くもの
10 1上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
11 両下肢のすべての指を欠くもの
12 1下肢の機能に著しい障害を有するもの
13 1下肢を足関節以上で欠くもの
14 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
15 前各号に掲げるものの他、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
16 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
17 身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
【障害厚生(共済)年金】
3級障害
年金額 (厚生年金の報酬比例年金額) ※最低保障額 594,200円
傷病が治癒したものにあっては、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
傷病が治癒しないものにあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力が0.1以下に減じたもの
2 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
3 そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
4 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
5 1上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
6 1下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
7 長管状骨に疑関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
8 1上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ、1上肢の3指以上を失ったもの
9 おや指及びひとさし指を併せ1上肢の4指の用を廃したもの
10 1下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
11 両下肢の十しの用を廃したもの
12 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
13 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
14 障害が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生大臣が定めるもの
準3級障害(3級より軽度の障害の状態)
一時金 障害手当金
傷病の治癒後、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。
(なを、準3級障害として認定され、障害手当金を一旦受給してしまうと、その後、障害の程度がどんなに悪化した場合でも、他の新たな傷病を発症していない限り、障害年金を再度請求することは出来なくなります。)
注1:障害者手帳に記載された障害等級と、国民(厚生)年金保険法の規定する障害等級は必ずしも一致しません。(年金の障害認定基準の方がより厳しくなっています。)
また労災保険の障害(補償)年金の障害等級1~14級についても、まったく基準が異なっています。
注2:一般の保険会社の販売している定期保険、終身保険における「高度障害」は障害基礎年金の1級障害に概ね相当しています。
傷害特約及び保険料払込免除特約の身体障害の状態は、概ね2級障害に相当しますが、保険会社により違い(基準の明確化と厳格化)が大きいと言えます。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
ケガや病気により身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害がある場合、いずれかの年金に加入していれば65歳以前において障害年金がもらえます。
認定の基準となる障害等級表は、国民年金、厚生(共済)年金いずれも共通しており、1、2級(重度)については国民年金からは「障害基礎年金」が給付され、3級(軽度)については厚生(共済)年金からは「障害厚生(共済)年金」が給付されます。
厚生(共済)年金加入者に国民年金から障害基礎年金が給付される理由は、厚生(共済)年金加入者が国民年金の2号被保険者となっているためです。
2号被保険者には65歳になると国民年金からは老齢基礎年金(いわゆる1偕部分(定額))が給付され、厚生(共済)年金からは老齢厚生(退職共済)年金(いわゆる2偕部分(報酬比例))が給付されます。
このため厚生(共済)年金からは国民年金へ基礎年金に相当する拠出金が支払われています。
この拠出金を原資として、国民年金から1、2級の障害のある1~3号被保険者に対して障害基礎年金が給付されます。
3級の障害者については、厚生(共済)年金の独自給付として障害厚生(共済)年金が給付されます。
したがって、1号(自営業)と3号被保険者(サラリーマンの妻)には3級の障害があっても障害厚生(共済)年金は給付されません。
障害等級の認定基準は以下のとおりです。
国民年金、厚生(共済)年金の障害等級表
【障害基礎年金】
1級障害
年金額 792,100円×1.25倍+子の加算
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。具体的には、他人の介助を受けなければほとんど自分の用を弁ずることが出来ず、活動の範囲が、病院ではベッド周辺、家庭では室内に限られるもの。
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力の和が0.04以下のもの
2 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
3 両上肢の機能に著しい障害を有するもの
4 両上肢のすべての指を欠くもの
5 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
6 両下肢の機能に著しい障害を有するもの
7 両下肢を足関節以上で欠くもの
8 体幹の機能に座っていることができない程度または立ち上がることができない程度の障害を有するもの
9 前各号に掲げるものの他、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
10 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
11 身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級障害
年金額 792,100円+子の加算
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。具体的には、必ずしも他人の介助は必要無いが、日常生活が極めて困難で、活動の範囲が、病院では病棟内、家庭では家屋内に限られるもの。
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
2 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
3 平行機能に著しい障害を有するもの
4 そしゃくの機能を欠くもの
5 音声または言語機能に著しい障害を有するもの
6 両上肢の親指と人差し指または中指を欠くもの
7 両上肢の親指と人差し指または中指の機能に著しい障害を有するもの
8 1上肢の機能に著しい障害を有するもの
9 1上肢のすべての指を欠くもの
10 1上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
11 両下肢のすべての指を欠くもの
12 1下肢の機能に著しい障害を有するもの
13 1下肢を足関節以上で欠くもの
14 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
15 前各号に掲げるものの他、身体の機能の障害または長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
16 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
17 身体の機能の障害もしくは病状または精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
【障害厚生(共済)年金】
3級障害
年金額 (厚生年金の報酬比例年金額) ※最低保障額 594,200円
傷病が治癒したものにあっては、労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。
傷病が治癒しないものにあっては、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの
以下のいずれかに該当するもの。
1 両眼の視力が0.1以下に減じたもの
2 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの
3 そしゃく又は言語の機能に相当程度の障害を残すもの
4 脊柱の機能に著しい障害を残すもの
5 1上肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
6 1下肢の3大関節のうち、2関節の用を廃したもの
7 長管状骨に疑関節を残し、運動機能に著しい障害を残すもの
8 1上肢のおや指及びひとさし指を失ったもの又はおや指若しくはひとさし指を併せ、1上肢の3指以上を失ったもの
9 おや指及びひとさし指を併せ1上肢の4指の用を廃したもの
10 1下肢をリスフラン関節以上で失ったもの
11 両下肢の十しの用を廃したもの
12 前各号に掲げるもののほか、身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
13 精神又は神経系統に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの
14 障害が治らないで、身体の機能又は精神若しくは神経系統に労働が制限を受けるか、又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するものであって、厚生大臣が定めるもの
準3級障害(3級より軽度の障害の状態)
一時金 障害手当金
傷病の治癒後、労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。
(なを、準3級障害として認定され、障害手当金を一旦受給してしまうと、その後、障害の程度がどんなに悪化した場合でも、他の新たな傷病を発症していない限り、障害年金を再度請求することは出来なくなります。)
注1:障害者手帳に記載された障害等級と、国民(厚生)年金保険法の規定する障害等級は必ずしも一致しません。(年金の障害認定基準の方がより厳しくなっています。)
また労災保険の障害(補償)年金の障害等級1~14級についても、まったく基準が異なっています。
注2:一般の保険会社の販売している定期保険、終身保険における「高度障害」は障害基礎年金の1級障害に概ね相当しています。
傷害特約及び保険料払込免除特約の身体障害の状態は、概ね2級障害に相当しますが、保険会社により違い(基準の明確化と厳格化)が大きいと言えます。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
2010年5月4日火曜日
ここでチョット年金のお話です!
老後資金を考える上で、収入の大半を占める公的年金を知ることはとても大切なことだと思います。
公的年金については、制度が複雑でなかなか理解しずらい面がありますが、現在の年金制度について大まかに説明をしたいと思います。
まず国民はすべて公的年金に加入しています。(国民皆年金制度)
1 サラリーマンの場合
サラリーマンは、国民年金の第2号被保険者(20歳から60歳未満の人)であり、また厚生年金の被保険者(年齢制限なし)になります。
サラリーマンが65歳になると、国民年金から老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)と老齢厚生年金(現役のころの報酬に比例した額、約120万円ぐらい)及び65歳未満の配偶者がいれば、扶養手当として加給年金約40万円(特別加算を含む)が老齢基礎年金に上乗せされ、合計239万円(月額約20万円)が給付されます。
(実際は偶数月に2ヶ月分が口座に振り込まれます。)
妻が65歳になると夫への加給年金が停止され、妻の老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)と振替加算約2万円(生年月日により変化、妻が老齢厚生年金を受給者できる場合は対象外)が給付されますから、夫婦合計で280万円(月額約23万円)が目安となります。
男性で、昭和36年4月1日以前(女性は昭和41年4月1日以前)に生まれた人は、65歳前(生年月日による)から老齢厚生年金と同額(報酬比例部分)が特別支給されます。
公務員の場合は、この他に職域加算(報酬比例部分の20%に相当する額)が上乗せされます。
2 サラリーマンの妻の場合
サラリーマンの妻は、国民年金の第3号被保険者(20歳から60歳未満の人)であり、65歳より国民年金の老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)が給付されます。
会社勤めをしており、厚生年金に加入していた場合(加入期間が1ヶ月以上あればよい)は、その期間が国民年金の第2号被保険者となり、報酬に比例した老齢厚生年金が給付されます。
2号 → 3号 → 2号 → 3号のように結婚、再就職等を繰り返していた場合は、年金記録に欠落がある場合も考えられますから、年金定期便をよく確認してください。
3 個人事業主、学生等の場合
個人事業主や学生等の場合は、国民年金の第1号被保険者(20歳から60歳未満の人)となり、65歳より国民年金から老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)が給付されます。
付加年金加入者には、この他に200円 × 保険料納付済期間の月数が給付されます。
参考
受給資格 25年以上(1号期間+2号期間+3号期間+カラ期間を合算)
カラ期間 任意加入であった昭和61年以前の期間、その他法律で認められた期間
具体的金額は、日本年金機構または読売オンラインの公的年金受給額シミュレーションをご覧ください。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
公的年金については、制度が複雑でなかなか理解しずらい面がありますが、現在の年金制度について大まかに説明をしたいと思います。
まず国民はすべて公的年金に加入しています。(国民皆年金制度)
1 サラリーマンの場合
サラリーマンは、国民年金の第2号被保険者(20歳から60歳未満の人)であり、また厚生年金の被保険者(年齢制限なし)になります。
サラリーマンが65歳になると、国民年金から老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)と老齢厚生年金(現役のころの報酬に比例した額、約120万円ぐらい)及び65歳未満の配偶者がいれば、扶養手当として加給年金約40万円(特別加算を含む)が老齢基礎年金に上乗せされ、合計239万円(月額約20万円)が給付されます。
(実際は偶数月に2ヶ月分が口座に振り込まれます。)
妻が65歳になると夫への加給年金が停止され、妻の老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)と振替加算約2万円(生年月日により変化、妻が老齢厚生年金を受給者できる場合は対象外)が給付されますから、夫婦合計で280万円(月額約23万円)が目安となります。
男性で、昭和36年4月1日以前(女性は昭和41年4月1日以前)に生まれた人は、65歳前(生年月日による)から老齢厚生年金と同額(報酬比例部分)が特別支給されます。
公務員の場合は、この他に職域加算(報酬比例部分の20%に相当する額)が上乗せされます。
2 サラリーマンの妻の場合
サラリーマンの妻は、国民年金の第3号被保険者(20歳から60歳未満の人)であり、65歳より国民年金の老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)が給付されます。
会社勤めをしており、厚生年金に加入していた場合(加入期間が1ヶ月以上あればよい)は、その期間が国民年金の第2号被保険者となり、報酬に比例した老齢厚生年金が給付されます。
2号 → 3号 → 2号 → 3号のように結婚、再就職等を繰り返していた場合は、年金記録に欠落がある場合も考えられますから、年金定期便をよく確認してください。
3 個人事業主、学生等の場合
個人事業主や学生等の場合は、国民年金の第1号被保険者(20歳から60歳未満の人)となり、65歳より国民年金から老齢基礎年金(40年間加入していれば79万円)が給付されます。
付加年金加入者には、この他に200円 × 保険料納付済期間の月数が給付されます。
参考
受給資格 25年以上(1号期間+2号期間+3号期間+カラ期間を合算)
カラ期間 任意加入であった昭和61年以前の期間、その他法律で認められた期間
具体的金額は、日本年金機構または読売オンラインの公的年金受給額シミュレーションをご覧ください。
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