2010年5月8日土曜日

第一生命㈱の医療保険(「主役人生」についてのFPの評価)

2014/01/06
第一生命(株)「ブライトWay」についてのFPの評価(その1


主役人生の主契約は、終身保障の、入院、手術、放射線治療、ICU管理、死亡保障がパックされたものです。入院限度日数は60日、120日、240日が選択でき、基本型(A)、生活習慣病重点型(B)、女性専用型(C)があります。

多くの医療保険が主契約(入院)+特約(手術、放射線、死亡)の構成にし、単純な組み立てと、保険料の安い選択が可能としているのに比べて、いろいろな保障をパックにして、なるべく保険料を下げまいとする努力の跡が伺えます。

特約は、定期型と終身型の2種類あります。
終身型の特約として、終身保険、特定疾病保障終身保険特約(3大疾病診断+死亡)の2つがあることになっていますが、なぜか詳しい説明がなく、ひっそりと隠されています。
(大手生保は、契約者が一番望んでいる終身などの長期保障契約を極端にきらい、経営上リスクの低い10年程度の定期だけの保険の組み合わせにしたがります。)

定期型の特約は、
・入院一時給付特約
・保険料払込免除
・定期保険特約
・逓減定期保険特約
(40歳以上のみ付加可能、通常30代で子供が生まれると、40歳はもう保障を下げてよい時期になりますが、会社都合により高額な保障期間を引き延ばすため、40歳からとしています。ひどい会社です。)
・遺族収入保障特約
(年金は55歳までしか出ません、公的年金は65歳からなのに残り10年はどうしたらよいのでしょうか?)
・特定疾病保障定期保険特約
(シールド、3大疾病診断保障は100万円以下が相場ですが、300万円はやりすぎで、先進医療もカバーできる金額です。先進医療なら他社では107円の保険料で1000万円の特約が付けられます。)
・特定状態収入保障特約(インカムサポート)
・障害補償特約(スーパーリライ)

以上の特約はすべて10年ごとの更新になります。

この特約の多さには辟易させられますね。

定期保険、逓減定期保険、遺族収入保障、特定状態収入保障、障害補償はほとんどが重複した保障であり、お客を惑わせてダブルで特約を付けさせる手なのかなと勘ぐってしまいます。
いわゆる手を変え品を変え、あの手この手で要らないモノを売っている気がしてなりません。

パンフレットを見ていて気づいたことは、更新後の保険料の注意書きです。

他社では「更新日における被保険者の契約年齢および保険料率で計算いたします。」なのに、第一生命㈱では「更新後の保険料は更新前の保険料とは異なります。」ですって!

「契約年齢で計算」は保険料のアップをイメージさせますが、「異なる」の表現はものすごく曖昧で、実態が「激UP」なのを隠したい思いが伝わってきます。

では、主契約部分の保険料と保障内容を分析してみます。
40歳(男)の場合、60日型(B)の主契約保険料は、7,525円(75歳満了)

入院      5,000円
生活習慣病入院 5,000円
手術      2.5~10万円
ICU管理   10万円
入院一時給付   5万円
放射線治療    5万円(先進医療を含む)
死亡保障     10万円

主契約の保障内容は、適切だと思います。
ICU、放射線治療を付けるなら、手術を20万円とし、対象範囲を1000種類としたほうがよりよい保障と考えます。

参考:同一条件で比較するため、人気のアフラック「新EVER」を取り上げました。
新EVERベースプラン(60日型)
40歳(男)の場合
保険料 5,760円(60歳から半額です)

この保険料には、終身保険分(100万円の死亡保障)として2,218円が含まれています。
死亡保障は、主役人生の10倍にしています。
ほんとはいらないと思いますが、比較のため付けています。
削ると保険料は3,542円になります。

新EVERの保障内容はつぎのとおりです。
入院     5,000円
三大疾病増額 5,000円
手術     2.5~20万円
放射線治療   5万円
先進医療一時金 5万円
総合先進医療  通算700万円
終身保険    100万円

保険料の支払総額は、40歳(男)の平均余命を40年(平成20年簡易生命表)として、

主役人生 約316万円
(特約が1つ以上付き、10年更新なので推定で400万円を越えます。)

新EVER  約207万円
(終身保険で、料金一定ですからほぼ正しい金額です。)

手術、先進医療、終身保険でアフラックの方が優れていますし、累計保険料では圧倒的にアフラックがお得です。
主役人生には何の利点もありません。

ちなみに保険選びを規模が大きく潰れない会社、有名な会社から選んでいる方が多いと思いますが、S&P格付けはつぎのとおりです。
アフラック    AA-
明治安田生命  A-
注:A-はAA-に比較し3段階下になります。

最後に主役人生は、主契約以外に必ず1つ以上の特約を付けなければなりません。
いらなくても保険会社の都合により付けなければならないのです。
「主役」はあなたではなく保険会社なのですから。

注:2011年1月、ついに「堂堂人生」と「主役人生」が販売停止となりました。「順風ライフ」が主力商品となったようです。


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