2012年3月22日木曜日
医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その4)
いわゆる医療保険のコストパフォーマンスについて考えて見ました。
基本となる考え方は以前の投稿のとおりですが、ここに整理補足して解説したいと思います。
1 医療保険のコストパフォーマンス値とは
医療保険を適切に評価するため、保険料に対する給付見込額を数値化したものである。
2 給付見込額とは
経済的リスクの高い3大疾病を主として、その他に骨折などのけが及び虫垂炎などの軽度の入院手術についても保険から給付される給付金などを推計し加算した額である。
3 給付見込額の推計要領とは
給付の有無については、約款所定の状態に該当する場合に、所定の額が給付されるものとして、入院日数に応じた給付額、手術内容に応じた給付額及びその他一時金などを各疾病等ごとに推計する。
4 保険料とは
月額保険料とし、払込期間の長短については期間補正する。
払込期間は、終身保険では平均余命までの終身払の保険料とし、指定年齢までの払込の場合は、月額保険料に(指定の払込期間÷平均余命)を掛けて補正する。(予定利率は考慮しない。)
月額保険料に替えて、累計保険料を使用して比較しても可。(定期保険などの場合)
5 計算式
コストパフォーマンス=給付見込合計額÷月額保険料(または累計保険料)
コストパフォーマンス値使用上の注意点
1 保険種類は同一のものとすること。
評価対象として3大疾病を重視しているため、医療保険とがん保険については、がん保険が高い数値となるため、この2種類の保険を比較することは適切ではありません。
2 定期保険の比較では保障期間を同一のものとすること。
3 がん診断給付金(特約)は付加しない場合で評価すること。
がん診断給付金(特約)は、がん保険と同様コストパフォーマンス値がよくなりますので公平な評価としては特約を付加しない場合で比較します。
またこの特約を付加する場合は、別の評価基準(たとえば自己負担額を基準とした給付倍率など)によりマイナス面の評価を補足する必要があります。(給付倍率が200%を超えるような手厚すぎる保険(特約)は保険料のムダであることを付記する。)
補足
手術給付について、一律給付型と倍率設定型で比較すると、一律給付型はこの数値が低くなる傾向があります。これは、評価対象として3大疾病を重視しているためです。
以上、医療保険を比較する際のコストパフォーマンス値(川島CP値)について一案を示しましたのでご参考としてください。
医療保険は、各種特約が有り、契約者側にも重点的に備えたい保障がそれぞれにあるものと思います。
したがって何がよい医療保険なのかの絶対的な指標はありません。
しかし、同じ保障なら安い方がよいのは当然ですから、この観点から多少の「雑」さを承知の上であえて一案を作ってみました。
今後、FPを中心として医療保険を評価するコストパフォーマンスの研究が大いに進展することを期待しています。
医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その1)
医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その2)
医療保険を選ぶ基準を考えて見ました(その3)
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