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2019年11月25日月曜日

高金利の外貨建て保険商品は儲かるのか?


いよいよ2020年1月より標準利率が現状の0.25%から0%になります。

保険会社はこの標準利率をもとに保険商品の予定利率を設定します。

このため、年明けから貯蓄性の保険商品の貯蓄性はなくなってしまいます。

利回りが0%付近ですから、10年たっても利子は付きません。

「保険料は一生上がりません」と言っている保険も予定利率が0%ですから、支払った保険料は増えることはなく、その中から手数料として70%を取られ、30%程度が給付されることになります。

それなら保険ではなく貯蓄をしていれば、貯蓄額の100%が、病気でも介護でも海外旅行でもリフォームでもなんにでも使えるお金になります。

また貯蓄では、世の中の金利が上昇すると利子が付き始めます。利子が2%なら1年後の返戻率は確実に102%になります。(税抜きで101.8%)

保険は契約した時点の予定利率が一生適用されるので、2020年に契約すると、いつまで経っても予定利率は0%のままです。(お宝保険ではなく「お荷物保険」)

したがって2020年に貯蓄性の保険に入ろうとする人は、とりあえず止めた方がよさそうです。

反対に10年の定期保険はおすすめです。死亡率の低下などにより割安になっています。


この超低金利は保険会社も苦しめています。

終身保険が売れないため、責任準備金がどんどん目減りし、運用資産が減ってしまいます。

そこで高金利の外貨投資に踏み出していますが、リスクも増大します。

しかし外貨を契約者に買って貰えば、リスクは契約者へ、リターンは保険会社がゲットできますから、左うちわの商売ができます。

もしかしてあなた!・・・外貨建て保険、買ってないでしょう?

いずれにしても保険会社はガッチリ儲け、保険を買う人が騙されるのです。

でも契約者は高利回りの投資ができてハッピーだよ!・・・と言う銀行員がいそうですが、そういう為替を理解していない馬と鹿が売っているから金融庁は怒っているのです。

なぜ馬と鹿なのか。

為替レートが不変ならば「高金利商品」はとても魅力的です。

世界中を見渡して米国債の利回り1.8%は極めて魅力的です。

なにしろEUのギリシャやイタリア国債までもが1%付近ですから、ほぼノーリスクの米国債を世界中の投資家が買いたがるはずです。

そうすると世界各国の投資家はこぞって米ドルを買い、そのお金で米国10年債に投資することでしょう。

さてその時、為替レートはどうなるのか?

プロの世界では「裁定取引(Arbitrage)」といいますが、人気の米ドルは値上がりし、人気の無い(売られる通貨)は値下がりします。

この為替の裁定取引により、米国10年債の利回りは、これを買う国の国債の利回りと同じになるまで低下します。

参考
詳しくはこちらの投稿をご覧ください。

そして理論的には、表面的な利回りにかかわらず、為替の裁定取引により各国の金利差は解消され、どの国の国債も利回りは同じレベルになってしまうのです。

もしそうでなければ、日本国債を買う外国人投資家はいなくなってしまいます。

この結果、外貨建ての貯蓄性保険商品の利回りは、ほぼ日本国債と同程度の利回りになる可能性が高いと言えます。

注意
為替は常に変動していますから、ときどきで儲かったり損したりしますが、契約時点の高利回りで円貨の利子を受け取れると思っていると、がっかりします。おおざっぱには日本国債より儲かる確率が50%、損する確率が50%と見ておくと無難です。


2020年は世界各国で利下げ競走となりそうです。

そうすると債券投資で利子を稼ぐ事が困難になります。

銀行などは高利回りの外貨投資を強力に勧めてきますが、騙されてはいけません。

ではどうしたらよいのか?

私のおすすめは「個人向け国債(変動10)」です。

安心安全な投資商品であり、最低金利保証(0.05%)、変動金利のためインフレにも強く、いつでも中途換金ができます。

銀行窓口などではこの商品を鼻で笑う輩がいますが、「おすすめしない」担当者は腹黒く、「いい商品です」とすすめてくれる担当者は善人です。

そして川島FPも善人なのです・・・(^^;)


保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。








2017年2月13日月曜日

「イールドカーブ・コントロール」により「標準利率」を下げる必要性は無くなった!



これからの保険の選び方(2016年8月18日木曜日)」に書きましたように、生保各社は超低金利に苦しめられており、利回りを確保するため米国債などに投資先を振り向けて来ました。

そして金融庁は生保各社の苦境を救うべくこの4月から「標準利率」を1.0%から0.25%に大幅に引き下げます。

この結果、生保各社は外債投資から日本国債投資へと大きく舵を切り始めています。

日経記事2017/2/8 12:42
意外な金利低下、立役者は「ザ・セイホ」

しかしザ・セイホが国内回帰した本当の理由は「標準利率」の大幅な引き下げよりも長期国債の利回り改善が主因と思われます。

次のグラフは長期国債(10年債、20年債、30年債)の利回りの推移状況です。



政府日銀は2016年1月に「マイナス金利政策」を導入しましたが、生保や銀行への影響が極めて甚大であり、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされたこの業界は一致団結し金融庁や日銀に働きかけた結果、金融庁は標準利率を下げ、日銀は2016年9月21日に「イールドカーブ・コントロール」を導入しています。

参考
日銀はマイナス金利政策を導入した時点で、銀行などがガンバッテ利回りの良い貸付先をどんどん開拓してくれるものと考えたようですが、結局「担保主義」は一切変わらず、国債投資の利ざや稼ぎでしか生きて行けない護送船団体質は変化しなかったため、早々にマイナス金利政策は止めてしまったようです。
[東京28日ロイター] - 麻生太郎金融担当相は3月28日、参院決算委員会で「融資態度を変えなければ銀行も生き残れない」との認識を示した。

「イールドカーブ・コントロール」について頭の堅いエコノミストは長期金利はコントロールできないと言っていましたが、現実的にはグラフが示すように長期金利はみごとに復活しました。

今では30年国債の利回りは0.87%まで戻って来ています。

そうすると30年国債の利回り0.34%では生保が可哀想だから標準利率を1%から0.25%に大幅に下げてあげましょうと言った金融庁はバカみたいなもので、4月実施は当然中止すべきです。

でも日経の記事では「イールドカーブ・コントロール」により長期金利が戻ってきたことよりも、標準利率が下がったからザ・セイホが日本国債投資に戻って来たと分析しています。

しかし保険会社の投資判断で最も重要なのは国債の利回りのはずですから、日銀が「イールドカーブ・コントロール」をすると宣言し、実際長期金利が戻って来ている状況を見れば、保険会社は利回りの良くなった長期国債に投資し始めるのは当然です。

日経記事では「日銀が実施する国債買い入れのオペ(公開市場操作)を巡り、運営方針が読みづらくなっているためだ。」として「イールドカーブ・コントロール」をまったく信用していません。(もしかしたら大スポンサーである生保にごまをすったのかも。)

鉛筆を持つ人と実際にお金を運用する人とは感覚がだいぶずれているようです。


いずれにしても現下の状況では予定利率を下げる必要性はまったくありません。

したがって予定利率を下げると言う保険会社はまったく信用できないと言えます。



保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。




2010年5月9日日曜日

「予定利率」を知るために



(グラフはクリックすると拡大します。)

2012/12/19更新


基礎から分かる保険(会社)のお話しです。

まず、保険会社は何で儲けているのか?

3つあります。
【死差益】予定した死亡者数を下回ったことにより、保険金の支払いが少ないと利益になります。

【利差益】保険料は、将来の支払に備えその一部(責任準備金)を運用(投資等)しており、予定した利回り(予定利率)を越える運用益がでると利益になります。

【費差益】事務の効率化、経費節減等により浮いたお金が利益になります。

この3利源からの利益を合計したものが剰余金です。保険業法では剰余金の80%以上を契約者に配当することとされています。

大手生保については「逆ざや」がときどきニュースに取り上げられますが、これは利差益がマイナス(契約者に約束した運用利回りを下回っている状態)となっている状況のことです。

図は、予定利率の推移状況を示しています。(図をクリックすれば拡大します。)
1995年以前、保険商品が3%を越えるような高い利回りを保障(予定利率)して販売されており、現在もその契約(終身保険や個人年金保険が主)が多数残っています。

このころに貯蓄タイプの保険を契約した人は、お宝保険ですから、なにがなんでも解約や乗り換えに応じてはいけません。


予定利率がよいころは、契約書に明記されていましたが、最近はどこにも書いてありません。
営業に聞いても分からないと思います。

よい保険かどうかは単純に、付加保険料率が低い(還元率が高い)こと、予定利率が高いことで判断できますが、いずれも公表されていません。

保険もいずれ価格競争時代になると思いますので、契約者側がこの2つを比較できる日はそう遠くないと思います。

「逆ざや」は、リーマンショックのような急激な株価下落等があると拡大し、保険会社の経営に大きな影響を与えています。2000年ころの生保破綻は、この「逆ざや」が大きな原因と云われています。(投資物件の不良債権化も一因です。)

他方、保険会社にとって死差益は救いの神です。
平均寿命は、
平成 2年(1990)に(男75.92歳)(女81.90歳)であったものが、
平成20年(2008)に(男79.29歳)(女86.05歳)となり、

男が3.37歳(+4.4%)、女が4.15歳(+5.1%)も延びています。
したがって、その分保険会社は保険金の支払額が少なくなり大きな利益を得ています。

数年前「保険金の不払い」が問題になりましたが、その原因は単なる事務手続きのミスではなく、逆ザヤ解消のための利益確保(死差益)にあり、保険会社が組織的にノルマとして「不払い」を行っていたのです。
(現在も逆ザヤが解消していない生保には気を付けたほうがよいと思います。)

一方カタカナ生保につては、バブル崩壊後の保険、金融の自由化によって日本に進出(破綻生保の買収等を含む)して来ましたので、その多くは「逆ざや」がありません。
損保も貯蓄性の長期契約がないので「逆ざや」はありません。

費差益については、各社通販や来店型窓口等の販売チャネルの多様化を進めていますが、保険会社はどうしても対面販売の営業社員が主力であるため、これを切らない限りは根本的な経営の効率化は難しい状況です。

保険選びは、予定利率の高い保険がよいのですが、非公表ですし、各社おおむね1.5%程度ですから、現状としては利回りのよい商品は見あたりません。
(個人年金商品などでは外貨建て利率変動型で高利回りの商品があります。)

一方付加保険料は、大手生保が70%(純保険料が30%)に対して、ネット専業保険会社では20~40%(純保険料が60%~80%)ですから、ネット販売されている保険は、保険料が半額以下になります。(大手国内生保の保険料が倍も高い。)
生命保険の原価はこちらをご覧ください。)

もう一つ、保険選びでは会社の経営状況も重要な要素です。
それについては「保険はどのように選んだらよいか(その1)」をご覧ください。


参考
2013年4月より予定利率が1.5%から1%に引き下げられるため、貯蓄性の保険(終身保険や年金保険など)の保険料が値上げされる見通しです。


2013/1/20更新
日本生命保険は2013年1月19日、大半の保険商品の生命保険料を4月以降も据え置く方針を固めたとのこと。大手生保各社も追随か?

2013/1/28更新
本日(1月28日)付日本経済新聞朝刊は、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)が4月以降も医療保険とがん保険の保険料を据え置くと報じた(記事『アフラックも据え置き 保険料、生保の競争激しく』)。すでに日本生命保険、かんぽ生命保険も主力商品での据え置きを発表しているが、両社に続き3社目となる。



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