2010年12月4日土曜日

死亡保障を割安な保険料にする方法

死亡保障(いわゆる生命保険)には2種類あります。
貯蓄タイプの終身保険と掛け捨てタイプの定期保険です。
保険料は定期保険が断然安くなります。
理由はこちらをご覧ください。

終身保険は割高であり、低金利の現状ではあまりお勧めできる商品がありません。
詳しくはこちらをご覧ください。

ですから現状では、死亡保障には定期保険をお勧めします。

定期保険は一定期間、死亡または高度障害になったときに契約した保険金を受け取れますが、その保険金は残された遺族のための生活費や教育費です。

したがって、子供の成長と共に教育費は減り、妻の余命もだんだんと短くなり合計の生活費は減って行きますから、保障額(保険金額)は被保険者の年齢と共に低下します。

最近では、このように必要補償額の低下に合わせ、合計の保険金額がだんだん低下して行くタイプの生命保険(収入保障型の保険)に人気があります。

収入保障型の保険は、被保険者が熟年になるにしたがって保険金額が低下して行きますから、むだが少なく、通常の定期保険よりも割安な保険料となります。

収入保障型の保険のしくみは、遺族補償として保険金をまとめて貰うのではなく、家族の生活費として毎月一定額(つまり月の収入を保障してくれる。)を契約満期まで受け取れるものです。

被保険者の死亡年齢が上がるほど、契約満期までの期間が短くなるので、結果としてその間の受取額がだんだん少なくなるという訳です。

注:この保険については、被保険者が死亡したときに相続税が、年金受取時に所得税が課税されていましたが、最高裁で二重課税は違法と判断が出たので、今後は所得税が課税されませんから(配当金には課税されます。)よりお得度が増します。

さて、ここまでは一般的なお得情報ですが、より徹底して保険料を下げたい方へのアドバイスです。
ご紹介するのは勤め先の会社で加入する「総合福祉団体定期保険・団体定期保険」です。
いわゆる「団体保険」と言われている、会社などの同一組織内の人たちだけが入れる割安な保険のことです。

団体定期保険は、企業(団体)の従業員や役員の方を被保険者として一括で保険会社と契約し、被保険者の死亡・高度障害に対して保険金を支払う1年更新の定期保険です。

その目的は、社員の万が一の場合に対して、会社として死亡退職金や弔慰金などを支払うとともに、その上乗せの給付を行うもので、会社などの団体において広く活用されている割安かつ手軽な保険です。

保険料を企業が負担し、従業員全員の加入を原則とする「総合福祉団体定期保険(Aグループ保険)」と従業員が保険料を負担する任意加入の「団体定期保険(Bグループ保険)」があります。

注:「団体扱いの保険」とは異なります。出入りの保険屋さんと契約する保険は「普通保険」であり、保険料の払方が給与天引きとした場合に「団体扱い」として多少の割引があります。会社を退職しても「団体扱い」の割引がなくなるだけで、契約は継続します。

「総合福祉団体定期保険」の特徴は、

○保険料は無料(会社負担)

○業務内、業務外にかかわらず災害や疾病による死亡・高度障害を保障

○簡単な告知書に記入(保険加入の同意書が必要です。)

○災害総合保障特約の付加(事故による身体障害または入院について給付がある。)

○加入時期が限定

○企業にとっては保険料は全額損金算入が可能(個人企業では必要経費)

○会社を退職したら保障はなくなります。

保険料が無料ですから、これは絶対お得です。
会社にこの制度があるなら、是非加入すべきです。
ただし、保険金額は400万円~1000万円程度なので、これだけで十分とは言えません。

「総合福祉団体定期保険」がない会社では「団体定期保険」があります。
その特徴は、

○保険料は従業員の負担(かなり割安です。)

○保険料は天引き

○簡単な告知書に記入(高額な場合でも医師による診査はありません。)

○保険金額は任意(加入口数により上下し、高額な保障も可能 *)

○年齢にかかわらず一定の保険料

○1年ごとに自動更新

○1年ごとに決算され、配当金(割戻金)がある(10~30%程度)

○会社を退職したら保障はなくなります。

*  加入口数には限度があります。

具体例
私は、航空自衛隊に勤務していましたので、その間防衛省の「団体定期保険」に加入していました。
この保険は国内最大規模の「団体定期保険」で、加入者が25万人(全自衛官及び全防衛省職員)もいます。

私の加入状況
1口100円の保険に100口加入
保険料は毎月1万円が天引き

さて保険金額はいくらくらいだと思いますか?

合計で 6,000万円(病気死亡)
災害で死亡すると  8,000万円にもなります。

割安な保険料で知られるライフネットの「かぞくへの保険」と比較します。
30歳男性
保険金額 6,000万円
保険期間 20年間(50歳まで)
保険料  9,568円
注:この保険金額では定期健康診断の結果表(コピー)を提出する必要があります。

防衛省の「団体定期保険」では、
保険料 10,000円(年齢にかかわらず一定)
簡単な告知だけです。

一見すると「かぞくへの保険」が安いように見えますが、「団体定期保険」では配当金が30%ぐらいあります。
(毎年度決算し、配当金は6月のボーナス前に現金で還付されます。私の場合は100口で約4万円ぐらいでした。)

したがって、実質の保険料は 7,000円程度になります。
それに災害死亡は8,000万円ですから、断然「団体定期保険」が割安です。
たぶん国内最安値の保険だと思います。
特に40歳、50歳になっても1口100円のままなので、50歳過ぎはほぼ純保険料に近くなります。

(なんと驚くことに日本生命がこの保険の幹事会社です。団体定期保険は薄利多売の保険ですが、日生さんは普通保険でも薄利多売の保険を売ってもらいたいものですね。)

この保険だけで、家族への保障は十分すぎるので、私は普通保険には一切加入していませんでした。

団体定期保険は、勤務先の会社(労働組合)が斡旋している保険です。
割安かつ給与天引きがこの保険の利点なのですが、積極的に売り込む人(担当部署)がないのでいまいち普及していないようです。

団体定期保険がいかにお得なのかを知らないため、出入りの保険屋さんに騙されて高額な保険に入ってしまっている人を私は多く見ています。

多少の知識と算数ができるならば、自分が数百万円も損をしていることに気が付くはずなのですが、日々の100円の節約には努力しても、「保険」の節約は避けてしまっているようです。

たぶん「めんどうくさい!」「保険はどれもみんな同じ」と思っているのでしょうが、とんでもないことです。

私は、「総合福祉団体定期保険・団体定期保険」を声を大にして「お勧め」します。


参考
保険会社の原価率比較


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