2010年5月3日月曜日

保険はどのように選んだらよいか(その1)

つぎのステップを参考にしてください。
1 保険選びの基本原則

(1)保険は損な金融商品です、貯蓄で対応できない高額な保障だけに限定しましょう。

貯蓄は元本保証(還元率100%)ですが、保険の還元率は40%程度と極めて不利な商品です。
人生のリスク(不意の支出)は大リスク(50万円以上)、中リスク(11万円~50万円)、小リスク(10万円以下)がありますが、中小リスクはなるべく貯蓄で備え、保険では大リスクに限定しましょう。(保険の特約で1万円~10万円程度のものは大損の元です。特に祝い金など。)

(2)20歳~30歳の若く健康な時期に終身型に加入しないこと。

保険は日々新しい割安な保険が発売されています。
保険商品は、開発時点において利用できるデーター、死亡率や金利、医療技術等を保険料計算の前提としていますから、発売したとたんに保険は古くなり、割高になって行きます。

このため早めに終身保険に加入すると一生涯割高な保険料を払い続けなければなりません。
したがって5~10年で最新の(割安な)保険に乗り換えるのがよいでしょう。

しかし年齢により保険料もあがりますから乗り換えは40歳ぐらいまでを目安にしましょう。
また健康に問題があれば新規加入ができませんので注意が必要です。
その場合は自動更新で対応できます。

(3)手厚い保障は不要な保障、適切な補償額を自分で勉強し選ぶこと。

宝くじは賞金が100万円よりは1億円のほうが夢があります。
でも保険は夢を買うわけではありません。
還元率が宝くじ以下の保険ですから、まず考えるべきは必要最小限度の保険料はいくらなのかです。

不安だからと言って特約をいっぱい付加する人は、保険会社にとってはいいカモです。

必要最小限度の保険料とするためには、保険は不意の支出(大リスク)を埋め合わせることができればよいと考えましょう。

「他の人はどのくらい入ってますか?」の質問は営業にとってカモネギです。
「みなさんこのくらい加入されていますよ!」は100%無視すべきです。

不意の支出がいくらになるのか一生懸命情報を集めましょう。
営業から聞いてはいけません。

特に大手生保が扱っているパッケージタイプの保険は、死亡保障をいろいろな言い方に替えて複数の特約に分散し、意味のない貧弱な主契約に10個も特約を載せています。

そのため10年後の更新では、保険料が払いきれなくなるほど高くなりますから、いずれにしろ長い間契約を続けられるものではありません。

ですから、特約が複雑すぎて理解困難なものより、シンプルに理解できるよう、家族のための「死亡保障」と自分のための「医療保障」の2つだけ(別々の契約)に絞りましょう。

いろいろ心配なことがあると思いますが日本には「国」や「自治体」「会社」の手厚い保障がありますから、保険屋さんの言うリスク全部を自分で保障する必要はまったくありません。

特約がてんこ盛りで、保険料が1万円を越える提案を保険屋さんが持って来たら即座に断るべきだと私は思います。

(4)保険は単品がお薦め
シンプルなのが一番よいと思います。特約が複雑になると不払いの原因になりますし、見直しのときの障害にもなります。
自分が理解できる単純な保険がベストです。

(5)保険は掛け捨て!

断然掛け捨てです。
銀行に預けても利子はほとんどつきません。

ましてや、還元率が40%程度の保険に増えることを期待してもムダです。
増えるのは保険会社の利益だけです。

保険は、自分が必要とする保障を安く買うのがベストです。
(スーパーで大根を買うのと一緒です。)
投稿「定期型と終身型どっちがお得?」を参照してください。

(6)保険会社選びは規模より財務力

銀行も保険会社も昔は護送船団で守られていたため、規模こそがよい会社の証明でしたが、現状では収益力と財務力で評価されます。

少ない資産でより大きな収益を上げている会社が良い会社なのです。
具体的には格付けとソルベンシーマージン比率を参照してください。

続く
保険はどのように選んだらよいか(その2)

保険はどのように選んだらよいか(その3)

保険はどのように選んだらよいか(その4)

保険はどのように選んだらよいか(その5)

保険はどのように選んだらよいか(その6)


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