2010年4月24日土曜日

配当金と解約返戻金

まず、保険には貯まるタイプと貯まらない(掛け捨て)タイプがあります。
「終身保険」は、契約者がいつかは亡くなりますから、必ず保険金が支払われますので保険会社はそのために貯蓄・運用しています。

期間の定めのある「定期型(掛け捨て)の保険」は、その期間に保険事故がなければ、保険会社の丸儲けなので、貯蓄部分はほとんどありません。(自動車保険のように、毎年の保険料収入から、その年の保険金の支払いを行い、残りは会社の収入になるイメージです。)

このことから、終身保険は保険料が高くて、解約返戻金があり、定期保険は安くて、解約返戻金がありません。(定期保険も長期になると少し解約返戻金があるものもあります。)

「養老保険」は、この終身保険に年限を設けて、満期または死亡時に必ず保険金、満期金を支払うもので、高額な保険料で貯蓄タイプになります。

保険商品は数千種類もあると言われていますが、基本形はこの3つしかありません。

さて、配当金ですが、保険会社が貯蓄・運用したお金には利子が付きます。
この利子はだれのものでしょうか?

基本的にはこの権利は契約者に帰属すると法律で決められています。
利子(配当)の還元方法には保険契約の内容により2タイプあります。
契約者に配当するタイプと配当しないタイプです。

注:法律では責任準備金の運用による利益や経営努力による生まれた利益などの80%以上は契約者に還元するよう定められています。

最近は無配当型(配当しないタイプ)の保険が多くなりましたが、保険会社がかすめ取っている訳ではなく、その分保険料を割り引いているため安くなっています。

配当とか聞くと銀行の利子のようで嬉しい気持ちになると思いますが、予定利率が低く保険料の運用収入が増えない現状では、どっちにしても影響ないというのが実態です。


有配当の保険がかんぽ生命や国内大手生保でいまだに販売されています。
この有配当保険に対する私の評価は次のとおりです。

現状の低金利状況では運用益がほとんど出ないのであまり期待してはいけません。
将来の金利上昇により配当金が増大すると考えるのも大きな間違いです。
保険会社では資産運用により得た利益を配当として契約者に還元しますが、その肝心な資産の運用先は60%が日本国債です。
日本国債は金利上昇により暴落しますから、インフレにより保険会社自体は経営の危機に直面することとなります。
外貨建て資産などは運用益が出ますが、ポートフォリオ上の比重は小さく、日本国債偏重による巨額損失が保険会社を襲うことになるでしょう。


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