4月に旧アイリオ生命が楽天生命保険となり、ネット専用の保険をかなり割安な価格で販売しています。
定期保険の「楽天生命ラブ」は原価率が77%と高く優良な保険ですので、私はお勧めします。
今回は、医療保険の「楽天生命スマート」を分析してみました。
「楽天生命スマート」は、お手頃感を前面に出した終身型の医療保険で、内容はとてもシンプルになっています。
保障内容は、入院+手術+先進医療であり、契約者が選択するのは入院日額と先進医療特約の付加だけです。
入院日額は5,000~15,000円の間で1,000円きざみで選択できます。
手術給付は自動付帯され、入院日額の10倍(91種類)となります。91種類以外の保険適用手術(約1000種類)は5倍の給付額となります。
先進医療については特約を付加するかどうかを選択できます。この特約は10年ごとの更新となる定期保険です。
限度日数は60日のみで、通算1095日までなので長期保障の選択はできません。(長期入院保障は別契約として「楽天生命ロング」があります。)
保障内容のシンプルさはライフネット生命の「じぶんへの保険」と同じ考え方です。
同じ考え方とは、高額療養費制度を前提とすれば月の支払上限額はおおよそ10万円となるため、保険からの給付額を10万円を基準に考えられています。
この2つの保険を比較した表をご覧ください。(表はクリックすると拡大します。)
前提は、50歳男性としています。
おなじ60日型、入院日額1万円で、しかも先進医療付きで「楽天生命スマート」は「じぶんへの保険」よりも1,125円安くなっています。
「じぶんへの保険」は原価率が80%と公表されていますから、とてもよい保険なのですが、この保険よりも「楽天生命スマート」が割安なのはどこに原因があるのでしょう?
次のグラフには手術の区分ごとに被保険者負担額(手術代)の高額なものから降順に折れ線で示しています。(グラフはクリックすると拡大します。)
横軸は手術の区分(保険が適用される手術の種類)、縦軸は入院患者が支払う3割負担の金額です。
このグラフに「楽天生命スマート」及び「じぶんへの保険」からの手術給付金額の分布をイメージ的に線で表してみました。
必ずしも正確なものではありませんが、保険料の差の原因が明確にできたものと考えます。
「じぶんへの保険」は、医科診療報酬点数表の手術について一律に10万円が給付されます。
このグラフの左側の85万円の高額な手術も右端の2千円の手術も保険適用手術ならすべて10万円が一律に給付されることになります。
一方「楽天生命スマート」では、いわゆる91種類に該当する手術には10万円が給付されますが、それ以外の医科診療報酬点数表の手術については5万円の給付額になります。
グラフの虹色の線(楽天生命スマート)が途中で折れ曲がっているのがこのためです。
先進医療特約の保険料は100円ぐらいですから保険料の差としては僅かです。
1,125円の保険料の差の主な原因は「楽天生命スマート」と「じぶんへの保険」の手術給付の手厚さの違いと考えられます。
1,125円の保険料の差の主な原因は「楽天生命スマート」と「じぶんへの保険」の手術給付の手厚さの違いと考えられます。
「楽天生命スマート」の原価率は不明ですが、「楽天生命ラブ」の例から推測として「じぶんへの保険」の80%とほぼ同じレベルではないかと私は考えています。
したがってどちらがお得とは一概に言えませんが、85万円の手術も2千円の手術も一律10万円を給付している「じぶんへの保険」は保険としての効率性に問題があるのではないでしょうか。
以上より「楽天生命スマート」は、手術の内容により給付額に差を付け、効率化を図ることでその分保険料を安くし、おまけとして先進医療保障を付けているのでとてもスマートな保険だと思います。
「楽天生命スマート」を私はお勧めします。