(表はクリックすると拡大します。)
2012/7/22更新
ソニー損保SUREの内容を更新。
レーダーチャートを追加。
以前に「終身医療総合5000」はすでに投稿しました。
今回は2011年4月1日に発売開始された「新いきるための保障」を分析してみます。
「新いきるための保障」では4種類の商品がありますが、その中の「医療安心タイプ」と、こくみん共済おすすめ組み合わせプランの「医療安心タイプ」+「終身医療5000」を取り上げてみたいと思います。
最初に「こくみん共済」は全労済が共済事業として組合員等に販売している保険(損害保険+生命保険)です。
全労済の実態は、契約高672.9兆円の巨大な保険会社(損保+生保)です。
(ちなみに日本生命の契約高は297兆円)
「こくみん共済」のCMでは「営利を目的としない」と言っていますが、このように巨大な保険会社となっているかぎり「ボランティアで」保険を売っているとはとても信じられません。
第一生命が「お客様を第一に」と言って悪評高かった堂堂人生を販売していたのと大差はないと思います。
さて、「医療安心タイプ」についてです。
この保険は、「新総合医療共済(定期医療プラン)」と同種の保険(こくみん共済用の廉価版?)のようです。
全労済のHPでは、
こくみん共済は「手頃な掛金の頼れる総合保障商品」だそうです。(定期型一律掛金)
新総合医療共済は「充実した医療・介護保障プラン」だそうです。(定期&終身、年齢別掛金)
このような謳い文句なのですが、同じ全労済で扱っていながら、あまりにも同種多様で類似の商品構成には「非効率」との印象を持ちます。
こくみん共済の「医療安心タイプ」と新総合医療共済の「新総合医療共済(定期医療プラン)」(以下「新」と表示)保障内容の違いはつぎのとおりです。
定期型は同じです。
入院 日帰り入院から(新は 5日以上連続したら1日目から給付)
先進医療 600万円(新は 100万円)
手術 6万円(新 5~20万円)
長期入院見舞金 なし(新 30万円)
通院 事故だけ(新 病気・事故)
保険料 2,300円一律(新は年齢ごと、30歳男子1,695円、50歳男子の場合3,435円)
医療重視・医療安心とアピールしている割には新総合医療共済より保障を削って割安一律な保険料にしたと言う印象です。
先進医療を受けることはめったにないと思いますが、600万円に増額されており、その代わりに手術給付が6万円に引き下げられており、通常よくある手術をする入院では不十分な給付額となってしまっています。
上の表には、こくみん共済おすすめ組み合わせプランと人気の医療保険を比較しています。
前提は50歳男性です。
表の上は、保険料と給付内容を比較しており、下のレーダーチャートは6種類の病気になった場合の自己負担額と各商品からの給付見込額の比率を比較しています。
レーダーチャートの見方
6種類のケガや病気で入院したときの自己負担額(医療費+差額ベッド代等)を100%としたときの各保険商品からの給付額を%で示しています。
薄紫色の6角形が自己負担額100%の範囲を示しており、この範囲の外側なら自己負担額以上に給付金がもらえます。
上記4商品のうち「医療安心タイプ」が60歳までの定期型であり、他の3商品は終身です。
「医療安心タイプ」は割安な保険料にはなりましたが、給付額を見るとこの6種の病気の場合の自己負担額の約61%にしかなりません。
日常的な怪我や病気の入院ではとんとんの給付となりますが、ここに挙げた重大な病気で入院した場合には頼りにならない保険と言えます。
ですからこくみん共済では終身医療との組み合わせをお勧めしています。
しかし、組み合わせても胃ガンで入院した場合には自己負担額の467,671円には71,671円不足(推定値)します、
SUREやEVERから給付見込額が約46万円(推定値)ありますから、国民共済の2商品を組み合わせても勝ち目はありません。
しかも保険料は合計で6,300円と割高です。
また、この組み合わせも60歳以降は「終身医療5000」だけとなります。
60歳以降については、この6種の病気の場合「終身医療5000」からの給付額は自己負担額の約51%です。
自己負担額51%の給付に対して、保険料は4,000円ですから、SUREが終身保障で保険料3925円なのに比較しばからしいほど割高な保険と言えます。
こくみん共済は営利を目的としていない、お手頃というイメージが強いようですが、給付額と保険料から比較すると極めて割高な保険です。
全労済の経営の実態は知りませんが、推測として非効率的な経営とお手軽過ぎて不十分な診査による不健全な被保険者が多くいるのではないでしょうか。
以上より「医療安心タイプ」は限度日数180日のまま先進医療と日帰り入院及び割安にこだわった結果として、給付のバランスを悪くし、結果として、契約者の利益にならない内容になったと私は考えますので、お勧めしません。
参考
各病気における自己負担額の詳細は以下をご覧ください。
胃ガン
乳ガン
心筋梗塞
脳梗塞
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