今回は、急性心筋梗塞で入院したらいくらかかるかを取り上げます。
出典元は、生命保険文化センター資料の「医療保障ガイド」2010年11月改訂版です。
では同ガイドの内容から一部抜粋し紹介させていただきます。
注:この例は、76歳男性の場合(後期高齢者医療制度適用)となっています。
【急性心筋梗塞で32日間入院】
○医療費(すべて保険適用)
初診料 2,700円
注射料 42,420円
検査料(心臓カテーテル他)195,910円
医学管理料 19,950円
処置料 39,540円
画像診断料 25,200円
投薬料 49,220円
手術料 1,361,400円
リハビリテーション料 450,000円
入院料(CCU5日間を含む) 980,000円
*** 合計 3,116,340円 ***
この場合保険が適用され、後期高齢者の場合自己負担額は1割となるので、月単位の支払額は、
入院月分(25日) 2,899,730円(1割負担額 289,970円)
翌月分(7日) 266,610円(1割負担額 26,660円)
70歳以上の場合、高額療養費は一律44,400円となり、窓口ではこの上限額を超えた分の支払はありません。
ですから入院月分及び翌月分の自己負担額は、
入院月分 44,400円
翌月分 26,660円
したがって、この入院で実際に支払う医療費の自己負担額の合計は、
*** 医療費の自己負担額 71,060円 ***
となります。
参考:
70歳未満の場合は、通常の高額療養費が適用されるので、次の金額になります。
入院月分 80,100+(2,899,730-267,000)×0.01=106,427円
翌月分 266,610×0.3=79,983円(高額療養費は適用されません。)
したがって、実際の医療費の自己負担額の合計は、
186,410円 となります。
○入院時食事代 22,620円
入院時の食事代は1食260円が自己負担となるので、32日の入院期間の食事回数が87食とすると、
260円×87食=22,620円
を病院の窓口で支払います。
○その他の自己負担額 223,500円
内訳
・差額ベッド代 10,000円×10日=100,000円
・家族の見舞い、看護等の交通費・食費 =48,500円
・その他諸費用(パジャマ等の衣類、快気祝い等)=75,000円
注:差額ベッドについては「静かな環境を望んで、10日間個室に入った」そうです。療養上の必要性はないので減らせないこともない出費になります。
以上より、全部合計して、
71,060+22,620+223,500=317,180
*** 急性心筋梗塞で32日入院したら 317,180円かかりました。 ***
参考:70歳未満の場合は、
432,530円 となります。
参考
日本に住んでいる人はすべて健康保険か国民健康保険などに加入している(皆保険制度)ことになっています。国民健康保険は手続きをしていなくても法律的に当然に(自動的に)加入していますからフリーターの人でも引きこもりの人でも無職の人でも、ホームレスの人でも被保険者となれるはずですから市役所などに相談してみてください。
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