2014/01/06
第一生命(株)「ブライトWay」についてのFPの評価(その1)
堂堂人生と終身医療の主役人生(次回予定)を取り上げます。
堂堂人生については、基本構成は明治安田生命のLA(ライフアカウント)に似ています。
その本質は、終身保障がない定期保険のてんこ盛り保険です。
主契約は「定期の死亡保障」+「生存給付金を原資とした堂堂ファンド」(指定年齢において50万円以上ないと終身保険へ移行できない。)です。
この生存給付金が主契約というのは画期的な「悪知恵」ですね。極めてたちの悪い仕組みです。
なぜなら、生命保険は契約者に何かを保障する商品ですが、堂堂ファンドは何の保障もしていません。
将来の保障もあるかどうかもわからない設計になっています。
注:新商品の「順風人生」(順風ライフ)では、不人気で解約の続く堂堂ファンドを止めて、主契約を「終身保険」に戻しています。
つまり20年前の主力商品である「定期付終身保険」に逆戻りさせています。
堂堂ファンドの本質は、契約者に「終身の保障をしない」ことで保険会社の財務健全性を確保するとともに、契約者に「将来終身保障になる期待」を持たせることにあります。
明治安田生命のLAでは毎月175円程度が70歳まで積立られ、合計84,000円となるアカウントが主契約となっていますが、これも何の保障もしていない主契約ですし、将来終身保険にするには、70歳時点で再計算される金額が積み立てられていなければなりません。
堂堂ファンドは生存給付金が原資ですが、これは貯蓄(かならず返さなければならないお金)なので、定期型(掛け捨て)にくらべて割高となります。
したがって○○レディーの多くは保険料を下げるため(そして儲けの多い定期保険を売るため)最低額の10万円に設定し販売しています。
つまり、10年で10万円が堂堂ファンドに貯まるので、50万円貯めて終身保険に以降するには50年もかかります。(一時払いにより終身へ移行は可能。)
明治安田生命のLAも、最後に貯まっているのが84,000円しかないので、終身に移行しにくい仕組みは似ています。
結局、これらの保険は指定年齢で、保障が切れてしまう構造になっています。
死亡保障は皆さん未練はないでしょうが、多くの方は医療保障を残したいと考えます。
契約者は、更新時または指定年齢で深刻な判断を迫られます。
選択肢は2つです。高額な保険料を払い継続するか、止めるか。
止めた場合は、手厚い保障のすべてが無くなります。
では途中で減額すればよいのではと考えますが、この保険は減額できる仕組みはあるのですが、主契約の堂堂ファンド10万円は他の保障と比例関係にあるため、最初に最低の10万円で契約した場合、特約を減額できません。
つまり、最初に仕組みが分からないまま、手厚い保障と保険料払込免除特約の魅力で加入してしまったら、途中で見直すこともできず、更新時に持病があったら、バカ高い保険料を払ってでも続けざるを得ないという、保険会社の利益を最優先した保険と言えます。
パンフレットにでている保険料の例では、
45歳から10年間 月額保険料 41,840円 内主契約分13,250円
55歳から10年間 月額保険料 77,559円 内主契約分23,734円
主契約は、死亡保障1,200万円(年金240万円×5年)
堂堂ファンド20万円
こんなに高額な保険料を払っても、堂堂ファンドの20万円以外はすべて掛け捨てです。
45歳からの累計保険料は700万円以上にもなります(推定)が、すべて保険会社に取られて何も残りません。
もし貯金だったら800万円ぐらいは返ってきます。
参考:主契約部分について同一条件で他社の商品と比較してみました。
ライフネットの場合 45歳(男)
死亡保障1,200万円(定期10年)
月額保険料は 4,657円(55歳(男)なら10,416円です。)
堂堂ファンド部分については、10年で20万円を積み立てるとして、金利なしでも月1,667円にしかなりません。
つまり堂堂人生の主契約部分は、45歳(男)の場合、ライフネットに乗り換えた場合
4,657円+1,667円=6,324円(月額)
あれば十分保障できます。
堂堂人生の保険料は13,250円ですから、2倍も高い保険料となっています。
ついでに55歳(男)の場合は、ライフネットでは、
10,416円+1,667円=12,083円(月額)
あれば十分保障できます。
これも、堂堂人生の主契約は、ほぼ倍の保険料(23,734円)になっています。
大手生保の保険商品は概ねこのような保障内容と保険料となっています。
第一生命㈱だけがぼったくり商品を売っているわけではなく、日本国内では何十年にもわたって大手生保は「中身の分からない」「高額」な保険を売ってきました。
そして契約者も「横並び」と「お付き合い」で「安心」を買っていたのです。
でもやっと「自分に合った」「内容の理解できる」「割安な商品」が販売されるようになって来ました。
保険を知り、賢い消費者となってください。
私は、全力で応援します。
注:2011年1月、ついに「堂堂人生」と「主役人生」が販売停止となりました。「順風ライフ」が主力商品となったようです。
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