出典元は、同じく生命保険文化センター資料の「医療保障ガイド」2010年11月改訂版からです。
では同ガイドの内容から一部抜粋し紹介させていただきます。
【乳がんで25日間入院】
○医療費(すべて保険適用)
初診料 2,730円
注射料(抗ガン剤点滴)146,810円
麻酔料 87,500円
病理診断料 21,400円
医学管理料 92,130円
処置料 5,950円
検査料 11,710円
入院料 508,720円
投薬料 23,770円
手術料 257,500円
画像診断料 388,890円
放射線治療料 52,800円
*** 合計 1,599,880円 ***
月単位の支払額は、
入院月分(25日) 1,599,880円 (3割負担額 479,960円)
参考:
この入院をされた方は賢い方で、月初めに入院し、月末で退院しています。
なぜ賢いかは高額療養費の適用にカギがあります。
この場合同一月内で退院していますから、高額療養費の計算式は。
80,100+(1,599,880-267,000)×0.01=93,429円
もし入院が、翌月にまたがる場合、入院初月15日間(医療費100万円)、翌月10日(医療費599,880円)とした場合、
80,100+(1,000,000-267,000)×0.01=87,430円
80,100+(599,880-267,000)×0.01=83,429円
合計で、170,859円となりますから、翌月にまたがる場合は77,430円も高くなります。
入院する日が選べる状況なら、月初めに入院し、同一月内に退院するのがお薦めです。
(実際の請求と支払は病院の会計締め切り日によりますので、前月末入院も含んだ請求となることもあります。)
以上から、高額療養費を適用された医療費の自己負担額の合計は、
*** 医療費の自己負担額 93,429円 ***
となります。
窓口支払額との差額 386,531円は、被保険者がそれぞれの医療保険の保険者(健康保険組合、全国健康保険協会、共済組合、市町村等)に支給申請すれば、後日払戻されます。
あらかじめ手続きを取ることで、窓口支払の時点で高額療養費が適用された金額だけを支払うこともできます。
手続きは、事前に保険者に「健康保険限度額適用認定申請書」を提出し、「健康保険限度額適用認定証」の交付を受け、入院する際に医療機関の窓口に認定証と被保険者証を提出します。
参考
日本に住んでいる人はすべて健康保険か国民健康保険などに加入している(皆保険制度)ことになっています。国民健康保険は手続きをしていなくても法律的に当然に(自動的に)加入していますからフリーターの人でも引きこもりの人でも無職の人でも、ホームレスの人でも被保険者となれるはずですから市役所などに相談してみてください。
○入院時食事代 17,160円
入院時の食事代は1食260円が自己負担となるので、25日の入院期間の食事回数が66食とすると、
260円×66食=17,160円
を病院の窓口で支払います。
○その他の自己負担額 222,500円
内訳
・差額ベッド代 7,000円×18日=126,000円
・家族の見舞い、看護等の交通費・食費 =31,500円
・その他諸費用(パジャマ等の衣類、快気祝い等)=65,000円
注:差額ベッドについては「乳がんは、放射線治療など、手術後の予防治療がかかせないので、管理の受けやすさを考慮し、18日間希望して個室に入った」そうです。
以上より、全部合計して、
93,429+17,160+222,500=333,089円
乳がんで25日間入院したら
【 333,089円 】かかりました。
注意:入院が2ヶ月に渡る場合は、同じ入院期間でもこの金額から8万円ぐらい増える可能性があります。詳しくはこちらをご覧ください。
がんなどの入院費用はいくらかかるか?(胃がん)
がんなどの入院費用はいくらかかるか?(脳梗塞)
がんなどの入院費用はいくらかかるか?(急性心筋梗塞)
「医療保険とがん保険を検討するときに参考となる入院日数、医療費等の資料」
手術の医科点数と医療保険の手術給付金の関係について
長期の就業不能に対する保障は必要なのだろうか?
がん治療に疑問がある方はこちらをご覧ください。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。
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