2015/7/27
がん統計データ集
オリックス生命の【がん保険 Believe(ビリーブ)】とアフラックのがん保険f(フォルテ)についてはすでに分析していますので、そちらの投稿をご覧ください。
がん保険を考えるとき、あなたはこのフレーズが気になるのではないでしょうか。
「二人に一人はがんになり、三人に一人ががんで亡くなられています。」
これは国立がん研究センターがん対策情報センターの「全国がん罹患数・率推定値1975-2004年」が根拠で、毎年「がんと診断」された数が648,491件ありました。
厚生労働省の「人口動態調査(平成19年)」によると、年間の出生数が約110万人(30年前は160万人もいました。)いますから、一生の内がんと診断される確率が約59%あることになります。
(計算としては、110万人が80歳まで生きるとすると、人口は110万人×80年=8800万人、この間にがんと診断される件数は、65万人×80年=5200万人なので、罹患確率は5200万人÷8800万人=59%、つまり罹患数を出生数で割った値と同じになります。)
一方死亡者数は、人口動態調査より年間110万人です。
内訳は、
悪性新生物 33.6万人(31%、約3人に1人の確率)
心疾患 17.6万人(16%)
脳血管疾患 12.7万人(12%)
その他 46.1万人
となっています。
さて、統計は処理の仕方で、また別の結果がでてきます。
がん対策情報センターの同じデータを使って【年代別のがん罹患確率】(当該年代のがん診断数をその年代の人口で割った値)を計算すると、
40-44歳 0.18%
45-49歳 0.28%
50-54歳 0.41%
55-59歳 0.59%
60-64歳 0.84%
65-69歳 1.20%
70-74歳 1.60%
75-79歳 1.90%
また厚生労働省の患者調査(平成17年9月の調査)によると、外来と入院を合わせた傷病分類別患者数、および入院したときの平均在院日数は、
高血圧性疾患 約781万人(41日)
糖尿病 約247万人(35日)
悪性新生物 約142万人(35日、胃がんの場合)
脳血管疾患 約137万人(102日)
虚血性心疾患 約86万人(28日)
というデータもあります。
(がんと同じ考え方だと、日本人全員が一生の内に何回も高血圧や糖尿病になることになりますが、そんなバカなこと・・・)
さて医療保険、がん保険は【入院や手術等】の費用負担に備えるものです。
入院給付金を貰うには、がんになる確率を気にするよりも、どの原因で「入院する可能性」があるのかを考えなければなりません。
入院確率はがんだけが高いわけではなく、さまざまな病気やケガで「入院する可能性」があります。
また費用負担はがんだけが高額なわけではなく、高血圧性疾患や糖尿病は生活習慣や体質改善のために長期入院となり、脳血管疾患は身体の麻痺によりリハビリに長期を要し、費用負担も高額となります。
厚労省のデータでは、生活習慣病は死亡数割合の約6割もあり、国民医療費の約3割を占めていることから、国としても特定健診(メタボ検診)などの対策を推進していますから、個人の医療保険を考える上でも主要な病気と言うことができます。
いま各社が【がん保険】に力を入れているのは、収益力改善のためです。
格安な医療保険より【がん保険】は利益率が非常に高く、営業としてもお客にアピールしやすいからです。
いまあなたは、親族や友人知人のがん患者を診て不安な気持ちになられていると思います。
でも、保険選びは冷静客観的、そして保険料は累積すると何百万円にもなりますから、損得を考えて選択することをお薦めします。