2010年7月4日日曜日

ネットで見つけた大手生保の「おどし文句」

某営業員とお客様の会話です。
「何かあったときは、うちに入っていて良かったと思うでしょうが、何もなかったときは、向こう(外資系生保)に入っていてよかった、と思うでしょう。」とお答えしました。そうしたら、「何かあったときの為に入るのが保険じゃないの?」とお客様はおっしゃいました。後は、そのお客さまのお考え次第だと思います。
・・・

あなたはどう思いますか?
私は、「おどし文句」だと受け止めました。

FPとしては「不安」 → 「保険」の単純思考が気になります。
保険を考えるときの私の視点は、次の3つです。

○備えるべき「リスク」は何か(保険に入る目的)

○社会保険等からの給付はあるか

○貯蓄で備えられないか

リスク」については以前の投稿にも書きましたが、大リスクこそ保険の出番です。

人生最大のリスクは家族のある世帯主の死亡です。

遺族の生活保障、子供の進学費用などは数千万円にもなりますから、貯蓄で備える事は困難であり保険が最適と考えます。

高度障害や要介護状態、三大疾病については、人生の大きなリスクではありますが、国の保障が整備されています。

社会保険についてはこちらにまとめていますからご参照ください。

遺族補償についても、必要な金額の70%(目安として5~8千万円ぐらい)は国から遺族基礎年金、遺族厚生(共済)年金として給付されますから、通常個人保険として備えるべき遺族補償(必要保障額)はその分を差し引いた金額となっています。

高度障害については、障害基礎年金、障害厚生(共済)年金があり、要介護者については公的介護保険が、医療費については、高額療養費制度があります。

公的介護保険については、自己負担額は1割ですから、平均月に3万円から10万円の出費であり、おおむね厚生年金からの給付でまかなえる額となっています。

医療費については、保険診療である限り、高額療養費制度がありますから、月の支払額は9万円程度(会社員の場合、複利厚生からの補助があれば3万円までの負担)ですから、三大疾病の診断で500万円ももらう必要性はどこにもありません。

私的な介護保険についても、保険から500万円ももらう必要性はどこにもありません。

それに国内大手生保の商品は、保障が手厚い一方で、終身保障はなく、10年更新型であり、更新後は保険料は倍、医療保障を継続するには300万円も一時払いなんていう保険に1000万円(掛け捨てです。)も払うなんて、半ば詐欺といっていいものです。

保険は、保険料の60%以上が保険会社の手数料となりますから、平均して契約者に返される割合は、40%以下が実態です。(私は「ぼったくり保険」と呼んでいます。)

ですから、高度障害や要介護状態が心配な方はいまから貯蓄すれば、その100%があなたに返ってきます。

保険を「何かあったときの為に入るのが保険」と考えてしまうと「リスク」 → 「保険」と言う単純な思考に陥りますから、国(自治体)の保障、会社の保障などをよく知り、本当に「自分で備えなければならない保障」はなんなのか、その「金額」はいくらなのかを見極め、そして保険にするか貯蓄にするかじっくり考えることが必要なのです。

「お客さまのお考え次第」の言葉の裏には、「不安」を煽り高額な保険を売ろうとする卑しい下心が見えます。

広い視点に立ち、お客様がほんとうに備えなければならない保障を提案する営業が理想なのですが、皆生活が掛かっていますから、ほとんどの営業は「カモ」を探しているのが実態です。

営業に頼らず、自分で最適な保障を選ぶことは難しいと思いますが、私のブログなどを参考にしていただきたいと思います。