2010年6月5日土曜日

保険に入るための基礎知識(その1)

保険用語には分かりにくいものが多く、そのことで「保険」自体に対する理解を困難にし、そして「保険の話」を敬遠される方も多くおられるのではないでしょうか。

保険は、実態の見えないものを販売する契約です。
「保険の実態」とは、契約内容そのもの(約款の内容)ということになります。
契約ですから法律用語をいっぱい使うことになります。

その一方で、「営業トーク」はさまざまなイメージを契約者に持たせますが、契約内容を正確に伝える努力よりも、契約につながるように、契約者の「将来の不安」をかき立てることに重点が置かれています。したがって契約後になって「こんなばずではなかった」と思われる方も出てきてしまうのです。

でも保険は難しくありません。契約者側が難しく感じる理由は、保険会社が訳の分からない保障を売ろうとしているからです。
理解できる範囲の保障を買えばよいのです。

では順次説明させていただきます。

【保険とはなにか】
長い人生には予期せざる病気や事故があり、これらは日頃注意していても避けようがありません。
しかし、事故等は避けられませんが、2次的に生ずる「経済的な損失」については、あらかじめ備えておくことが可能です。

このリスク・マネイジメントと呼ばれる中の一つが「保険」です。
貯蓄により備えることもできますが、一般的に数千万円も貯蓄するには長期間を要します。

その点保険は、加入した時点から高額な保険金が保障されますから、この即効性が大きな利点となっています。

【人生のリスクとはなにか】
生命保険が対象としているリスク(保険事故)は次の3つです。

・死ぬこと。(遺族の生活費、子供の教育費)
・長生きすること。(老後生活費)
・ケガ、病気等になること。(入院治療費、収入保障費)
(その他には、家や車の「物」の保険があります。)

【リスクに備える保険には何があるのか】
保険の種類は、次の3種類しかありません。

定期保険 
保障期間が10年と言うように保険期間が限られており、その間に起こる死亡や病気などの保険事故について保障します。

保険事故がなければ100%掛け捨てとなります。
もらえる人が少ないので保険金額は高額となります。

また保険金額の割には、保険料は割安になります。
(定期型には医療保障、死亡保障があり、死亡保障には一時金か年金方式の2つがあります。)

注意点:
・貯蓄性がないので、保険料が払えない場合は、自動振替貸付制度などを利用できませんので2回保険料を払えないと、契約が失効してしまいます。

・死亡保障額は、末子誕生時が最高額で、その後は年々低下させてゆき、子の独立時には300万円から500万円となります。

・医療保障は、年代にかかわらず一定の保障が必要であり、特に60歳以降はその必要性が増大しますから、ケガと病気全般を保障する終身型に40歳を目安に加入しましょう。

終身保険
一生涯保障する保険です。

死亡保障なら、だれでも必ず最後には保険金がもらえます。
したがって保険料は定期保険よりも割高ですし、保険金額も累計保険料の2倍程度です。

必ず保険金が支払われますから、保険料の一部は積み立てられており、その利子は配当金として契約者に配分されます。

(終身型にも医療保障、死亡保障があり、医療保障は解約返戻金があってもわずかです。つまり医療保障には貯蓄性はありません。)

養老保険
貯蓄性のある定期保険です。

保険期間内には死亡保障があり、満期には満期保険金が支払われます。
したがってだれでも保険金がもらえるので割高ですし、死亡保障も満期保険金と同額程度です。

(医療保障はありません。
アカウント型は養老保険に似ていますが、死亡保険金と満期保険金は積立額により変化します。)

この3つを組み合わせることで、契約者のさまざまなニーズに合った保険を設計することができます。


続く

保険に入るための基礎知識(その2)

保険に入るための基礎知識(その3)

保険に入るための基礎知識(その4)


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