【相続税】
被相続人が死亡し、相続人に保険金が支払われた場合、この保険金はみなし相続財産として相続人に対して相続税が課税されます。
この場合の契約関係はつぎのとおりです。
・契約者(保険料を支払った人)及び被保険者は、被相続人(亡くなられた人)
・保険金の受取人は、配偶者や子供などの相続人
注:保険金が被保険者の高度障害を原因として支払われた場合は、非課税です。
ただし、保険金について、非課税限度額までは相続税は課税されません。
500万円×法定相続人の数=非課税限度額
例:相続人が、妻と子2人(法定相続人が3人)の場合は、
500万円×3人=1,500万円
この金額を越える額がみなし相続財産として預金、土地などの相続財産に加算されます。
注:法定相続人以外の人(被相続人の兄弟や甥姪など)が保険金を受け取った場合は、非課税限度額の適用はありません。
相続税の計算式は、
財産をもらった人全ての遺産の合計金額 A
基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数) B 2015/1/1改正
A-B=課税遺産総額
・・・以下省略
Bの金額は、法定相続人が3人なら4千8百万円になりますし、配偶者の税額軽減(1億6千万円)もありますから、たぶん、日本国民なら95%の確率で相続税は0円となります。(2015/1/1からはもう少し納税者が増えそうです)
「収入保障保険」では、保険金が一括ではなく年金として遺族に支払われます。
この年金の「受給権」についても相続税が課税されます。
くわしくはこちらをご覧ください。
【贈与税】
同じように死亡保険金が子に支払われても、契約関係がつぎの場合は、贈与税が課税されます。
・契約者が被相続人(亡くなられた人)ではない
・受取人が契約者以外の人
例:
被保険者が被相続人(亡くなられた人、夫)
契約者が被相続人の妻
受取人が被相続人の子
つまり生きている人から金銭的な利益を受け取ると贈与税となります。
亡くなった人から金銭的な利益を受け取ると相続税となります。
ちなみに、契約者自身が満期保険金などを受け取ると一時所得になります。
贈与税の計算式は、
1年間に贈与された金額-基礎控除額110万円=課税価格
課税価格×税率-控除額=贈与税額
税率は、
200万円以下 10%
300万円以下 15%(10万円控除)
400万円以下 20%(25万円控除)
600万円以下 30%(65万円控除)
1000万円以下 40%(125万円控除)
1000万円超 45~55% 2015/1/1改正
例:死亡保険金の合計が1,000万円の場合
基礎控除後の課税価格 1,000万円-110万円=890万円
贈与税額の計算 890万円×40%-125万円=231万円
ここでFPとしてのアドバイスは、死亡保険金が同じ1,000万円でも、契約の仕方により、
被相続人の契約なら 相続税 0円
被相続人以外の契約なら 贈与税 231万円
こんなにも税金が違いますから、契約者、被保険者と受取人を誰にするのか十分注意してください。
もっとも保険屋さんは常識として知っているはずですが・・・
保険にかかわる税金のおはなし(その1)
保険にかかわる税金のおはなし(その2)
保険にかかわる税金のおはなし(その3)
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。