2010年5月16日日曜日

医療保険の入院日額はいくらぐらいか?

保険屋さんは、
「胃ガンで入院したら治療費は248万円も掛かるんですよ。知ってますか?」
「入院すると、平均一日1万4千円も掛かるんですよ!」
と言います。

ウソではありません。
これを正しく分析すると、
治療費は248万円になりますが、健康保険や国保から7割給付されるので、窓口の支払は、3割分の744,000円になります。

またこの支払額は高額療養費に該当しますから、実際の自己負担額(食事代を含む)は20万円だけです。したがって、差額の74.4万円-20万円=54.4万円は、会社か市区町村役場に支給申請すれば、後日払い戻されます。

入院の平均日額1万4千円の根拠は、生命保険文化センターが公表している金額で、医療費代20万円+差額ベッド代等30万円を入院日数36日で割った13,800円という金額なのです。
差額ベッド代等30万円は、お金に余裕のある人は払えばいいし、余裕のない人なら節約し10万円ぐらいにできる金額なのです。

したがって差額ベッド代等を除き、入院費用だけを考えれば、どんな病気でも保険診療なら1ヶ月当たり高くても9万円程度と考えてよいでしょう。

例えば、医療保険で入院日額5000円なら、36日入院して18万円給付されますから、医療費分20万円に近い額になります。
これに手術代(多くは主契約に含まれています。)が10万円給付されると、28万円になりますから、差額ベッド代を1万円ではなく5000円ぐらいに下げれば、お財布からの実質的な持ち出しは合計で2~3万円程度になります。

特約としてガン入院5000円があれば18万円が上乗せされ、合計46万円給付されるので、1万円の差額ベットの部屋に入ってもOKです。

以上の結論として、入院日額5000円、ガン(三大疾病をお薦め)入院5000円、手術10万円あれば大丈夫です。

なお、脳血管疾患、高血圧性疾患の入院は長期になるので長期入院(120日)への備えと先進医療の特約は付けた方がよいでしょう。

いらない特約は、特定疾病診断、入院初期給付、通院、退院、女性です。
なぜなら、これらの特約は、医療保険からの給付額が入院時の自己負担額を大きく上回ることになり、その分保険料が割高となります。

医療保険は、必要な自己負担額をカバーできていれば最適な保障なのです。

手厚い保障は保険会社を儲けさせるだけです。
あまり個別の特約に目を奪われないことが賢い消費者なのです。
ですから全体の給付額が、自己負担額をカバーしているかどうかだけチェックしてください。

参考
ガンなどの入院費用はいくら掛かるか?

注:個人事業主の場合は、収入の確保も必要になりますから、入院日額1万円または特定疾病診断30万円などの特約を付加することもよいでしょう。
保険の選び方は、こちらを参考にしてください。

参考
医療保険を選ぶ基準(その1

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