2015年10月5日月曜日

ネオファースト生命の終身医療保険

ネオファースト生命って何?

ネオファースト生命は、第一生命の100%子会社です。

会社沿革
1999年 日産火災海上保険株式会社の100%子会社としてディー・アイ・ワイ生命保険株式会社設立

2002年 損保ジャパン・ディー・アイ・ワイ生命保険株式会社に社名変更

2014年 株式譲渡により第一生命保険株式会社の100%子会社「ネオファースト生命」に

ちなみに社名の由来は、ホームページでは訳の分からない説明をしていますが、世間が見たら「第一生命」の子会社だから「ファースト」なんでしょ・・・

ディー・アイ・ワイ生命の「1年組み立て保険」はよいアイデアでしたが、弱小保険会社はやはり販売力が弱かったのか、昨年日本一(?)の保険会社に買収されてしまいました。残念!

「ネオファースト生命」は、この買収をチャンスに販売力強化のため「通販」から「窓販」専門の保険会社として再出発。

通販専業のライフネット生命も現在苦境にあり、窓販に注力したりKDDIと資本業務提携したりしていますが、いずれどこかの保険会社(損保?)に買収されるかも。

ネオファースト生命の「窓販」先は、第一生命のコネを最大限活用し大手銀行や保険ショップなどのチャンネルとなっています。

でもアフラックのように強力なブランド力がないため、販社のご意向に沿ったいろいろのメニューと商品名となったため、多くの消費者には浸透しにくいマーケティングとなってしまいました。

正式名称は「無解約返戻金型終身医療保険」ですが、それぞれの窓販先での商品名は、「ネオdeいりょう」「ネオいりょう」「医療安心これ一本」などなど。

もともと組み立て保険を得意としていましたから、保険のばら売り/組み立ては朝飯前かも知れませんが、独自ブランドを持たないかぎり将来も日陰者としての立場から抜け出せないことは覚悟しなくてはなりません。

では以下で終身医療保険「ネオdeいりょう」「ネオいりょう」「医療安心これ一本」を分析してみます。

保険料は50歳男性、非喫煙者で試算しています。
非喫煙割引きをテレビCMで強調していますが、まあ世間並みの価格です。


                         (1入院60日限度/通算1,095日)

保険ショップ用のスタンダードプランは「特約ぜんぶ込み」となっており、月額保険料5,787円はぼったくりプランと言えます。

一つ一つの特約の給付事由を説明されると、「いりません」と言える人はたぶんいないのでは。(でも給付事由は二重三重に重複しているので特約を全部付ける必要性はまったくありません。)

保険ショップとは、なんと阿漕(あこぎ)な商売をしていることでしょう。

○が4つと少ないりそな銀行はすこし善良な商売をしているように見えます。

でも高額な治療保障(入院治療給付金特約)を付けていますから、善良かどうかは分かりませんが、この特約がいちばん儲かる特約のようです。

入院治療給付金特約:
いわゆる医療費にリンクした保障で、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ型があり、入院・手術などの診療報酬点数に応じて給付金がもらえます。表の保険料2,137円はⅢ型のもので、診療報酬点数1点が3円に換算され1ヶ月30万円(通算360万円)を限度に給付金が支払われます。(明治安田生命の医療費リンクシリーズと同じ仕組み)

一方、ホームページでの試算にはこの治療保障を外し、格安な保険という印象を持たせようとしています。(でもこの保障内容ではまったく役にたちません。)

ではどの保障を選ぶべきか、アフラックのEVERとメットライフのFlexiと比較してみましょう。


基本保障部分(入院+手術)だけをみると、最安値はフレキシィーです。

注意
ネオファースト生命の基本保障には入院一時給付特約5万円(保険料975円)を付け、フレキシィーと同様に一回の入院+手術で一律に10万円が給付されるようにしています。

しかしこの基本保障だけでは次のグラフで示すように自己負担の範囲を示す紫色の6角形(100%)をいずれの保険も十分にカバーしきれていません。


グラフの見方
給付率とは、それぞれの事由で入院した時に支払う自己負担額を100%とした場合に、各医療保険から給付される割合(%)を6角形のグラフで示しています。100%の範囲よりも外側にグラフがあればグッドです。

ネオファースト生命とフレキシィーは線がほぼ重なっているため見にくくなっています。

虫垂炎や骨折などの日頃よくありそうな入院において、ネオファースト生命とフレキシィーはかろうじて100%の範囲をカバしています。(このような場合、EVERは手術5万円だけですが、ネオファースト生命とフレキシィーは10万円もらえます。)

参考
この条件でのコストパフォーマンスは、次のとおりで、フレキシィーがベストです。(でもあまり差がありませんからほぼ互角かな。)
フレキシィー       445
ネオファースト生命  412
EVER           403


基本保障だけでは役に立たないので、三大疾病のようにお金がかかる入院において自己負担額をカバーできるよう、基本保障に三大疾病入院一時金(ネオファースト生命は治療保障)を付加した場合を比較してみます。

それぞれの保険料は、
フレキシィー       5,780円
ネオファースト生命  5,452円
EVER            5,620円

EVERは、かなりフレキシィーを意識した値付けとなっています。

ネオファースト生命の治療保障は、前記のとおり診療報酬点数1点が3円に換算され、給付金が出ますが、三大疾病の場合、診療報酬点数が17万~32万点となりますから、給付金は×3円なので、合計50万円~96万円にもなるため、1ヶ月の支払限度額を30万円に抑えています。

EVERとフレキシィーは3大疾病で50万円が給付されるので、給付金としては50万円VS30万円(治療保障)というイメージです。

この特約を付加した場合の給付率は次のとおりです。


EVERが虫垂炎や足の骨折で100%以下となっていますが、ネオファースト生命とフレキシィーは100%の範囲をすべてカバーしています。

特にネオファースト生命の治療保障は、入院・手術の他に診療報酬×3円の給付金がすべての入院で貰えるため、通常ありそうな軽度の入院などではかなり手厚い給付金がもらえそうです。(治療保障特約は入院していることが条件となるため、通院では給付されません。)

一方3大疾病などではEVERとフレキシィーが50万円が給付されますが、ネオファースト生命では30万円の給付金なので給付率が低くなっています。(でも100%は十分にカバーできています。)

したがってネオファースト生命の医療保険は、基本保障+治療保障では他のメジャーな2商品よりも割安で有りおすすめです。

参考
この場合のコストパフォーマンス
フレキシィー       574
EVER            572
ネオファースト生命  554

より賢く選びたい(つまり保険料を下げたい)場合は、治療保障と保障がダブっている手術(685円)を外してよいと思います。(りそなプラン)

もっと賢く選びたいのなら、入院一時金(975円)も削ってOKです。(この場合の月額保険料は3,792円)

この2つの保障を削っても3大疾病などで入院した場合、入院+治療保障から30万円~40万円ぐらいは確保できますから、自己負担額のほぼ100%に近い給付金は貰えそうです。


以上ご参考としてください。




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