2012年3月12日月曜日

一生のうち医療費はいくら必要なのだろうか?


(グラフはクリックすると拡大します)

このグラフは、厚生労働省の統計データを元に作成し「人口一人当たりの国民医療費(平成21年度)」を示しています。

グラフの見方として、たとえば、年齢階級が40歳から44歳までの人について、年間の平均で入院費が3万7千円、入院外は5万8千円となっています。

これは医療費ですから保険からの給付と自己負担額の合計額です。
年齢階級が40歳から44歳の場合では年間で合計で9万5千円となります。

したがって、この年代の方が実際1年間にお財布から支払う金額は、約3万円(3割負担)となります。


入院費には手術費用等が含まれていますが、差額ベッド代等の選定療養や先進医療などの評価療養は含まれていません。

このグラフで注目は、60歳以降に医療費が急激に上昇していることです。

70歳では医療費が年間で平均48万3千円にもなります。

しかし70歳以降は自己負担額が1割ですから5万円でおつりが来ます。
また高額療養費の限度額も44,400円ですから、年金だけの生活でも現状ではそれほど心配はいりません。


いずれは現状の1割負担が本来の2割負担に戻される予定です。


グラフの金額は平均値ですから、当然2倍、3倍の医療費となることもあります。

とは言うものの、この年代は収入が年金だけとなりますから、がんや脳梗塞などの重大な病気となった場合には大きな不安があると思います。

したがって重大な病気となったときに自己負担額を適切にカバーできる終身医療保険に50歳までにご加入されることをおすすめします。

またグラフから60歳で保障が切れる均一料金の保険や共済が役に立たないことがわかると思います。


さて一生のうち医療費はいくら必要なのでしょう?

このデータを元に90歳まで生きるとして計算すると、
一生の合計医療費は2,224万円
入院に関する累計額は225万円となります。

参考
40歳以降の累計額は202万円
50歳以降の累計額は194万円

終身型の医療保険を検討するときに、支払う保険料の累計額がこの金額を超えるような保険は割高と言えますから、できるだけ避けた方がよいと考えます。

保険料の累計額の具体例はこちらをごらんください。
具体例その2はこちらをごらんください。

特に医療保険+がん保険などの組み合わせ、または特約を付加した場合の累計保険料がこの金額を超える方がわりと多いのではないでしょうか。

この金額を超えている場合は、割高な保険もしくは過大な保障となっている可能性があります。

この金額を医療保険選びのひとつの目安としてお考えください。


一方、割安な保険料の広告に釣られると保険給付自体がとても貧弱な医療保険がありますから注意してください。

一生涯の医療費(入院)が225万円なのに、国内大手のパッケージタイプの保険では3大疾病の給付金が300万円、累計保険料が1千万円にもなり、しかも70歳で保障が切れてしまうという、まったく詐欺といっても良いような保険があります。

「手厚い保障」とは保険会社の「儲け」が手厚いのであって、契約者にとっては保障額の3倍もの保険料を支払っていることを知っておく必要があります。

もし1千万円の貯金があったら、どれほど「安心」できることでしょう。
これだけの貯金があれば介護費用でも、有料老人ホームでも、リホームでも自由になんにでも使うことができます。

いたずらに将来の不安に駆られ手厚すぎる保障を買わないよう、このグラフをしっかり見て、最適な保険を選びましょう。


参考
2016/5/3
人生の後半で必要な医療費と介護費用はいくらぐらいか

入院したら1日平均でいくらぐらいか-厚労省データからご紹介します



保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。