2010年8月5日木曜日

保険にかかわる税金のおはなし(その1)

保険は保険料の支払い時や、万が一のときの死亡保険金、そして満期となったときの満期保険金の受取時など、その時々で税金が関係してきます。
税金については難しそうだと思われるかも知れませんが、「自己責任」があたりまえとなった現在、社会人としての「常識」ですので、分かりやすく説明しますから、腰を落ち着けてじっくりと読んでください。

保険に関係する課税関係は、整理するとつぎのようになっています。
○保険料控除
保険料は社会人としての必要経費みたいなものなので、収入から保険料を差し引くことができます。(その分税金が安くなります。)

○非課税
ケガ、病気、高度障害、介護などの不運があった場合に本人が受け取る保険金などは、原則として全額非課税となります。

○相続税
死亡保険金は、被相続人(亡くなった人)が契約者で、受取人(遺族以外も含む)に支払われたら相続税が課税されます。
注:基礎控除と配偶者の税額軽減により、ほとんどの人は税額が0円です。
注:被保険者の夫が死亡し、妻が契約者で子が受取人なら、贈与税になります。(贈与税の税率はバカ高いです。)

○20%源泉分離課税
保険と言っても払込が5年以内で「貯蓄性」がある商品(金融類似商品)は、預貯金の利子と同じく満期保険金(または解約返戻金)の利子分から20%源泉徴収されます。

○一時所得

原則として自分が契約した保険から保険金などをもらったら一時所得になります。
被保険者が両親などの親族で死亡した場合、子である自分の契約から死亡保険金などをもらったら一時所得になります。

5年超の長期契約で「満期保険金」などを一括でもらったら、一時所得になります。
お祝い金や生存給付金も同じです。

○雑所得
5年超の長期契約で満期保険金などを「年金」でもらったら、雑所得になります。
今話題の「二重課税」に該当していれば、非課税です。

○住民税(道府県民税、市町村民税)
国税として適用された保険料控除、所得税(一時所得、雑所得)、利子に対する源泉分課税が適用されていれば、翌年に控除額と税率は違いますが住民税が課税されます。(利子割は当年です。)

参考
法人における生命保険
○法人税法上の損金算入と相続税の関係
・法人が使用人(社員)に掛けた総合福祉団体定期保険(死亡保険金)の保険料は全額損金に算入できます。
・この死亡保険金を、企業が受け取ると益金、遺族が受け取ると相続財産となり、それぞれ課税されます。(相続税については、500万円×法定相続人数が控除できます。)

・企業から死亡した被相続人に支払われるべき退職金や功労金など(死亡後3年以内に確定したもの)を遺族が受け取ると相続財産となり、相続税が課税されます。

・企業が受け取った保険金を遺族に弔慰金として支払った場合は損金に算入できます。

・企業から遺族が受け取った弔慰金や花輪代については、一定限度内であれば非課税となります。
限度額
被相続人が業務上死亡した場合、死亡当時の普通給与の3年分に相当する額
業務外の原因による死亡した場合、普通給与の半年分に相当する額
限度額を超える金額について相続税が課税されます。

・高度障害給付金については、本人が受け取ると全額非課税になります。

・確定拠出年金や確定給付型企業年金の掛金も全額損金算入できます。
・確定拠出年金において、使用人が当該掛金を運用し生じた利益(配当金など)については課税が先延ばしされます。(年金支払い時に課税されます。)

○法人の住民税
法人税で損金算入が認められたものは住民税でも損金算入が認められています。

次回からは各項目について具体的な内容を分かりやすく説明したいと思います。
続く

保険にかかわる税金のおはなし(その2)