2015/10/15 読売プレミアム
「アメリカンホーム・ダイレクト、新規募集を終了」
(クリックすると表は拡大します)
この保険については、わたしの評価ははっきり言って「ひどい保険」を作ったものだとあきれてしまいます。
詳細は以下のとおりです。
比較のためアフラックの「新EVER」と並べて表にしています。
前提は50歳の男性の場合です。
いずれの保険も終身タイプです。
「みんなのほすピタる3000」の先進医療、死亡保険金、返戻金は10年ごとに更新され、その分の保険料は上がります。
つまり契約当初の保険料は5,000円ですが、11年目からは値上がりします。
新EVERは一生涯おなじ保険料です。
それでは、
「ひどい保険」である理由その1
満期返戻金(お祝い金)が28.2万円あり、このための保険料が月額 2,350円にもなります。
282,000÷10年÷12月=2,350円
この金額だけで5,000円の保険料の47%もあります。
(10年定期の場合には50%になっています。)
付加保険料を考慮するとこの比率はもっと高くなり、原価率60%とすると、純保険料は3,000円となりますから、3,000円のうち2,350円が積立(お祝い金)なので実質の医療保険分は650円でしかありません。(以上は推定値)
つまり純保険料の78%がお祝い金のための積立となっています。いわば保険と言うより貯金といった方が適切です。
しかしその貯金(積立)には配当(利子)がありません。
「ひどい保険」である理由その2
「みんなのほすピタる3000」は、保険部分にほとんどお金が回っていないので、医療給付は貧弱なものです。
(レーダーチャート参照)
レーダーチャートの見方
6種類のケガや病気のときに支払う自己負担額を100%として、グラフには薄紫色の6角形で示しています。
この範囲の外側に線があると、自己負担額を超える給付金がもらえます。
グラフより「新EVER」は、自己負担額100%の範囲をほぼカバーできていることが分かります。
それに比べて「みんなのほすピタる3000」からの給付額は僅かであり、特に三大疾病などの重大な病気になったときには、自己負担額の半分にも満たない給付金しか出ません。
これは、「みんなのほすピタる3000」には手術給付がないため給付見込み額が新EVERの1/3以下となっているからです。
具体例として、脳梗塞51日間入院した場合の自己負担額は55万円、心筋梗塞で32日間入院した場合は43万円となっていますが、「みんなのほすピタる3000」からは限度日数30日間の入院分として18万円しか給付されません。(通院は含んでいません。)
したがって脳梗塞の場合は37万円、心筋梗塞の場合は25万円が足りませんから、貯金の取り崩しなどで支払わなければなりません。
つまりいざというときに役に立たない保険と言えます。
保障額の低さは保険料の安さと誤解されるといけませんので、コストパフォーマンスで比較しています。
数値が大きい方がよい保険です。
これより同じ保険料なら「新EVER」は「みんなのほすピタる3000」の1.3倍(=418÷317)給付金が多いといえます。(コストパフォーマンスについては詳しくはこちらをご覧ください。)
しかもみんなのほすピタる3000は10年ごとに給付金が下がりますから、やがてまったく使い物にならない医療保険になってしまいます。
でも保険料はしっかりと取られるのです。
注意
コストパフォーマンスの計算において、「みんなのほすピタる3000」の保険料は貯蓄部分を除いた額としています。
ひどい保険」である理由その3
「みんなのほすピタる3000」には先進医療として限度額1000万円が付いています。
このための保険料は100円程度ですから、「貯金型」保険としてはあまり影響のない範囲です。
しかし「みんなのほすピタる3000」のHPでは最大限のアピールをしています。
返戻金とともにこの保険の最も重要な「セールスポイント」となっています。
でも1000万円の保障がわずか100円の保険料と言うことは、一生涯を通じて先進医療給付を貰う確率はほとんどないと言うことです。(十万人に1人ぐらいの確率です。)
はっきり言って宝くじに当たるのと同じと考えた方がよいでしょう。
したがって医療保険としては入院・手術の給付がメインとなりますが、給付の主体であるべき手術のないこの保険では、宝くじ的な先進医療しかアピールする部分がないのです。
つまりお客を釣るための「餌」なのです。
以上より、もし「みんなのほすピタる3000」に加入しようと思ったら、保険料が2000円ぐらいの共済に加入し、残りの3,000円はネット定期に預金したら、10年間で元利合計約37万円にもなって返ってきますので、私はこちらをお勧めします。(略称 カワシマ・エフピタる5,000(^_^))
さて、
多少辛辣な評価となりましたが、しかし保険とは名ばかりで、実体は無利子のお金を10年間集めるための「しかけ」としか考えられない商品です。
察するに会社自体の資金繰りの手当てに利用されているのではと思えてきます。
いずれにしろ私は「入ってはいけない保険」と判断しますのでご参考としてください。
参考
「みんなのほすピタる」(総合医療タイプ)の評価はこちらです。
「みんなのほすピタるガンタイプ」の評価はこちらです。
「引受基準緩和型みんなのほすピタる」の評価はこちらです。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。