いよいよ2020年1月より標準利率が現状の0.25%から0%になります。
保険会社はこの標準利率をもとに保険商品の予定利率を設定します。
このため、年明けから貯蓄性の保険商品の貯蓄性はなくなってしまいます。
利回りが0%付近ですから、10年たっても利子は付きません。
「保険料は一生上がりません」と言っている保険も予定利率が0%ですから、支払った保険料は増えることはなく、その中から手数料として70%を取られ、30%程度が給付されることになります。
それなら保険ではなく貯蓄をしていれば、貯蓄額の100%が、病気でも介護でも海外旅行でもリフォームでもなんにでも使えるお金になります。
また貯蓄では、世の中の金利が上昇すると利子が付き始めます。利子が2%なら1年後の返戻率は確実に102%になります。(税抜きで101.8%)
保険は契約した時点の予定利率が一生適用されるので、2020年に契約すると、いつまで経っても予定利率は0%のままです。(お宝保険ではなく「お荷物保険」)
したがって2020年に貯蓄性の保険に入ろうとする人は、とりあえず止めた方がよさそうです。
反対に10年の定期保険はおすすめです。死亡率の低下などにより割安になっています。
この超低金利は保険会社も苦しめています。
終身保険が売れないため、責任準備金がどんどん目減りし、運用資産が減ってしまいます。
そこで高金利の外貨投資に踏み出していますが、リスクも増大します。
しかし外貨を契約者に買って貰えば、リスクは契約者へ、リターンは保険会社がゲットできますから、左うちわの商売ができます。
もしかしてあなた!・・・外貨建て保険、買ってないでしょう?
いずれにしても保険会社はガッチリ儲け、保険を買う人が騙されるのです。
でも契約者は高利回りの投資ができてハッピーだよ!・・・と言う銀行員がいそうですが、そういう為替を理解していない馬と鹿が売っているから金融庁は怒っているのです。
なぜ馬と鹿なのか。
為替レートが不変ならば「高金利商品」はとても魅力的です。
世界中を見渡して米国債の利回り1.8%は極めて魅力的です。
なにしろEUのギリシャやイタリア国債までもが1%付近ですから、ほぼノーリスクの米国債を世界中の投資家が買いたがるはずです。
そうすると世界各国の投資家はこぞって米ドルを買い、そのお金で米国10年債に投資することでしょう。
さてその時、為替レートはどうなるのか?
プロの世界では「裁定取引(Arbitrage)」といいますが、人気の米ドルは値上がりし、人気の無い(売られる通貨)は値下がりします。
この為替の裁定取引により、米国10年債の利回りは、これを買う国の国債の利回りと同じになるまで低下します。
参考
詳しくはこちらの投稿をご覧ください。
そして理論的には、表面的な利回りにかかわらず、為替の裁定取引により各国の金利差は解消され、どの国の国債も利回りは同じレベルになってしまうのです。
もしそうでなければ、日本国債を買う外国人投資家はいなくなってしまいます。
この結果、外貨建ての貯蓄性保険商品の利回りは、ほぼ日本国債と同程度の利回りになる可能性が高いと言えます。
注意
為替は常に変動していますから、ときどきで儲かったり損したりしますが、契約時点の高利回りで円貨の利子を受け取れると思っていると、がっかりします。おおざっぱには日本国債より儲かる確率が50%、損する確率が50%と見ておくと無難です。
2020年は世界各国で利下げ競走となりそうです。
そうすると債券投資で利子を稼ぐ事が困難になります。
銀行などは高利回りの外貨投資を強力に勧めてきますが、騙されてはいけません。
ではどうしたらよいのか?
私のおすすめは「個人向け国債(変動10)」です。
安心安全な投資商品であり、最低金利保証(0.05%)、変動金利のためインフレにも強く、いつでも中途換金ができます。
銀行窓口などではこの商品を鼻で笑う輩がいますが、「おすすめしない」担当者は腹黒く、「いい商品です」とすすめてくれる担当者は善人です。
そして川島FPも善人なのです・・・(^^;)