2017年2月13日月曜日

「イールドカーブ・コントロール」により「標準利率」を下げる必要性は無くなった!



これからの保険の選び方(2016年8月18日木曜日)」に書きましたように、生保各社は超低金利に苦しめられており、利回りを確保するため米国債などに投資先を振り向けて来ました。

そして金融庁は生保各社の苦境を救うべくこの4月から「標準利率」を1.0%から0.25%に大幅に引き下げます。

この結果、生保各社は外債投資から日本国債投資へと大きく舵を切り始めています。

日経記事2017/2/8 12:42
意外な金利低下、立役者は「ザ・セイホ」

しかしザ・セイホが国内回帰した本当の理由は「標準利率」の大幅な引き下げよりも長期国債の利回り改善が主因と思われます。

次のグラフは長期国債(10年債、20年債、30年債)の利回りの推移状況です。



政府日銀は2016年1月に「マイナス金利政策」を導入しましたが、生保や銀行への影響が極めて甚大であり、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされたこの業界は一致団結し金融庁や日銀に働きかけた結果、金融庁は標準利率を下げ、日銀は2016年9月21日に「イールドカーブ・コントロール」を導入しています。

参考
日銀はマイナス金利政策を導入した時点で、銀行などがガンバッテ利回りの良い貸付先をどんどん開拓してくれるものと考えたようですが、結局「担保主義」は一切変わらず、国債投資の利ざや稼ぎでしか生きて行けない護送船団体質は変化しなかったため、早々にマイナス金利政策は止めてしまったようです。
[東京28日ロイター] - 麻生太郎金融担当相は3月28日、参院決算委員会で「融資態度を変えなければ銀行も生き残れない」との認識を示した。

「イールドカーブ・コントロール」について頭の堅いエコノミストは長期金利はコントロールできないと言っていましたが、現実的にはグラフが示すように長期金利はみごとに復活しました。

今では30年国債の利回りは0.87%まで戻って来ています。

そうすると30年国債の利回り0.34%では生保が可哀想だから標準利率を1%から0.25%に大幅に下げてあげましょうと言った金融庁はバカみたいなもので、4月実施は当然中止すべきです。

でも日経の記事では「イールドカーブ・コントロール」により長期金利が戻ってきたことよりも、標準利率が下がったからザ・セイホが日本国債投資に戻って来たと分析しています。

しかし保険会社の投資判断で最も重要なのは国債の利回りのはずですから、日銀が「イールドカーブ・コントロール」をすると宣言し、実際長期金利が戻って来ている状況を見れば、保険会社は利回りの良くなった長期国債に投資し始めるのは当然です。

日経記事では「日銀が実施する国債買い入れのオペ(公開市場操作)を巡り、運営方針が読みづらくなっているためだ。」として「イールドカーブ・コントロール」をまったく信用していません。(もしかしたら大スポンサーである生保にごまをすったのかも。)

鉛筆を持つ人と実際にお金を運用する人とは感覚がだいぶずれているようです。


いずれにしても現下の状況では予定利率を下げる必要性はまったくありません。

したがって予定利率を下げると言う保険会社はまったく信用できないと言えます。