2016/5/13
データの更新「介護給付費等実態調査(平成26年5月審査分~平成27年4月審査分)」
健康保険の自己負担割合の修正
国民介護費推計要領の間違いを訂正
「一生のうち医療費はいくら必要なのだろうか?」はすでに投稿しました。
この際使用したデータは「人口一人当たりの国民医療費(平成21年度)」でしたが、平成25年度のデータに更新し、また小学校入学前及び70歳以上の方の健康保険負担割合を2割に修正して、グラフをアップデートしてみました。
出典元は、厚生労働省「平成25年度 国民医療費の概況」です。
前回の投稿と今回の違いは、前回のグラフは保険者(健保組合など)が医療機関などに支払った国民一人当たりの医療費をグラフにしており、今回はそれぞれの年齢階級に応じた被保険者の負担割合(原則3割、その他1割または2割負担)の金額をグラフにしています。
ここに示した自己負担額は、(入院+入院外)の合計額です。
このグラフに示した数値の計算要領は、
例えば65~69歳の年齢階級でみると、
この階級で、保険者が支払った医科診療医療費は30,192億円(約3兆円)でした。
またこの階級の人口は、8,699,000人ですから、人口ひとり当たりの国民医療費は、
30,192億円÷8,699,000人=34.71万円
自己負担を3割(30%)とすると、
34.71万円×0.3=10.413万円
したがって、65~69歳の年齢階級では、一人当たり1年間に約10万円の支払額となっています。(グラフの左目盛り)
注意
この金額は、医療費を870万人で割り勘にした場合の金額ですから、実際に入院した方の支払額はもっと高額となります。
これより、65歳の方は1年間で一人あたり約10万円、66歳の方も10万円・・・69歳の方も10万円の支払となります。
同様に70歳は9.2万円(2割負担)・・・75歳からは1割負担とすると5.7万円・・・(グラフではこの金額を表示しています。)
これを累積計算すると、65歳の方の余命までの医療費合計額は、約202万円となります。
同様に50歳の方の余命までの累積医療費は約298万円となります。(グラフの右目盛り)
したがって一般的には、65歳の定年までは医療保険が必要と考えてよいと思います。
65歳以降は貯蓄で対応するか、貯蓄が少ない方はガン保険がよいかも知れません。
しかし50歳以降に一般の医療保険に加入したり、緩和型のガン保険などに加入すると、保険料がバカ高く、保障はわずかしか出ませんから、支払った保険料がムダになるので私はおすすめしません。
保険料として支払うよりも老後資金として貯蓄に回した方がたぶん90%以上の確率でお得になります。
50歳以降で保険に加入するとしたら、県民共済がベストな選択支です。
なぜなら保険料が一律ですから、若い人にとっては割高となり、中高年にとっては割安となっているからです。
一般の医療保険に加入するのなら50歳まで、健康なときに加入しましょう。
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