(グラフはクリックすると拡大します。)
参考
2015/6/22 「ちゃんと応える医療保険EVERの重大疾病特約について」
2017/3/2 ちゃんと応える医療保険EVERの リニューアル
グラフの説明
元データ:「日数ごとにみた推計退院患者数の推移0~120日」(中医協 総-1 23.11.25)細部説明についてはこちらの投稿をご覧ください。
元データは、調査した1ヶ月間に退院した患者106.4万人が、それぞれ何日間入院していたのかを調べたものです。
上のグラフは国民全員が医療保険の加入者として、退院した106.4万人はそれぞれ入院していた日数に応じて、日額5000円を給付された場合の受取金額の平均を折れ線グラフとして示しています。
グラフより、例えば、8日間入院したときには平均で16円もらえることになります。
この場合の計算式は、
元データより、8日間入院した人は5.1万人なので、
この5.1万人に入院日額5000円を給付すると、
51000人×8日×5000円=20.4億円
この給付金を日本国民1.28億人で割ると、一人あたり平均の受取額は、
20.4億円÷1.28億人=15.9円
または、
8日間入院する確率 A=5.1万人÷1.28億人
期待値=A×(8日×5000円)=15.9円
したがって医療保険の加入者がある1ヶ月間に8日入院し、入院給付金としてもらえる平均額(期待値)は約16円となります。
これを入院0日から120日間について総和を取ると、合計646円となります。(限度日数60日の場合)
この646円が入院日額5000円のときの純保険料となります。
参考
実際の「ちゃんと応える医療保険EVER」主契約の保険料
(主契約には、入院保障以外に手術保障及び放射線治療保障が含まれています。)
30歳 1510円
40歳 2005円
50歳 3015円
60歳 4485円
注意
元データは全ての年齢についての平均ですから、年齢階級別に総和を取ると、若い人は646円よりも安くなり、高齢になるほど純保険料は高くなります。
さて、「ちゃんと応える医療保険EVER」は入院5日までは、一律に日額の5日分を給付してくれます。
グラフでは(青色)の線でこの場合の期待値の分布を示しています。
期待値で比較すると、入院5日間について日数に応じた給付の場合が合計40円に対して、一律給付では合計67円となるので、契約者としては27円分(4.1%)お得になります。(このための保険料は無料です。)
一方61日以上の長期入院について、特約を付けた場合と付けない場合を比較すると、長期入院保障のある場合の期待値が161円、長期入院保障がない場合の期待値が120円となり、契約者としては41円分給付金が減ることになります。
参考
30日型の医療保険がありますが、31日以上の長期入院の期待値は188円と低く、120日型と比較すると期待値は158円も低下するため、長期入院に対するリスクが極めて大きくなります。
期待値の差41円はあまり大きくないように感じられますが、給付金の額は、一例として100日入院した場合で比較すると、
60日型の給付金 5000円×60日=30万円
60日型+長期入院 5000円×100日=50万円
この20万円の差により、長期入院した場合に家計からの支出があるのかないのかの違いになります。
参考
特約として「長期入院」及び「三大疾病増額」を付けた場合は、
60日型+長期入院+三大疾病増額 5000円×(100日+60日)=80万円
この組み合わせは、投稿「人気の医療保険を比べてみました」の中で比較している「新EVER」の特約の組み合わせです。
一律5日分の給付金は2.5万円です。
20万円の給付金の有無と比較して、どちらが大事かお分かりだと思いますがいかがでしょうか。
5日までの入院患者数が34万人に対して、61日以上入院された方は5.1万人です。
あなたが34万人の中に入る確率はそこそこありますが、5.1万人の中に入る確率はとても低いと思います。
金融の世界ではこの5.1万人のことをテールリスク(または「ブラックスワン・イベント」)と呼びます。
発生確率は低いものの、もしその場合に遭遇したら「破滅」をもたらすような事象のことです。
ですからテールリスクについて、プロは頭の片隅で常に考え、そしてそれへの備えを怠らないようにしています。
さてあなたは「テールリスク」どうされますか?
アフラックは長期入院リスクについて、「ちゃんと応える医療保険EVER」では特約を無くしてしまいました。
そしてその代わりとして三大疾病入院一時金を新たに付加できるようにしています。
次回はそのことについて分析することにします。
3 三大疾病入院一時金は必要?
つづく → 最下行の「EVERと新CUREの比較」をご覧ください。
その1
その2
EVERと新CUREの比較はこちらです。
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。