2012年12月13日木曜日

税金に関わる「扶養」や「控除」を知るために(その1)


12月は会社員の方にとって年末調整の時期です。

今年結婚された方や出産された方、保険に加入された方、そして扶養家族がいる方などが所定の申請用紙を提出することで税金の過不足を会社の担当部署でしっかり計算してくれ、今年1年間の正しい税額を給与から天引きしてくれます。

税金についてサラリーマンの方は、ほぼすべて会社でしてくれますから、本当に楽ちんでいいですね。(その分「税金」に関する知識を身につけるチャンスを失ってもいるのですが。)

でも現在では、学校を卒業以来ずっと会社員という方が少なくなっており、就労の形態や結婚の形態も30年前とかなり変化して来ています。

女性も「寿」退社する人が減り、また派遣やパート、アルバイトなど多様な就労形態が増え、結婚しても「扶養」とならない方も多くおられます。

このような方たちは、年の一部の期間が会社員でなかった場合も多々あり、会社での年末調整とともに翌年には確定申告が必要となる場合があります。

税金の申告は煩雑で用語もよく分からないし、できれば避けたいと思っておられる方も多いと思いますが、納税は国民の義務であり、また税を知ることで税金を取り戻せたりしますから「税」の知識は国民にとって不可欠なものと言えます。

また、そもそも税金は自分自身で「申告するのが原則」なのです。

ですから、税のことをよく知り、自分自身でしっかりと計算きるようにならなければなりません。
(とは言うものの、私が現役自衛官の頃は税金に関する知識はほぼ”0”でした。(^^;))

税の専門家は税理士さんですが、国民が税制に詳しくなると商売がしにくくなると考えているのか、確定申告の説明会はしていても、国民への啓蒙活動には消極的なようです、

ですから税制の半人前ではありますが、ここはFPの出番と考え、かなりいい加減ながら「税制」の講義をこのブログですることにしました。

ここではできるだけ分かりやすく「扶養」と「控除」を中心に「税制」の説明をしたいと考えています。

税制はとても分かりにくいので段階を追いながら何回かに分けて、用語の説明も加えながら進めて行きたいと思います。


1 収入と所得について

税金は「所得額」に応じて決まります。

たとえば今年の収入金額が1000万円の人が2人(AさんとBさんが)いたとすると、税金は同じでしょうか。

いいえ同じにはなりません。

なぜならAさんはサラリーマンなので社会保険料などを控除した所得額が700万円とすると税額は97.4万円となりますが、Bさんは保険の代理店なのでお客様へのプレゼント代や仕事で使う車の購入、お店の改装などに1000万円支出していた場合、所得額が0円となり税額も0円となってしまいます。

「所得額」とは収入金額(会社などから受け取った金額)から必要な経費や所定の項目を控除(差し引くこと)した残りの金額のことです。つまり今年儲けた金額が「所得」なのです。

ですからその収入を得るために「支出した金額」により「所得金額」が大きくなったり、無くなったり、または赤字だったりします。

この収入を得るために「支出した金額」は、各納税者の個人的事情を加味して判断されますが、既定として15種類の控除が決められています。

なじみの深いものでは、社会保険料控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、配偶者控除、基礎控除などがあります。

個人事業主(お店の主人や保険の営業者など)の場合、仕事に必要な車や事務用品などを購入すると収入額から一定額を控除することができます。(必要経費)

サラリーマンも仕事のためにスーツを買ったりアタッシュケースを買ったりしますから必要経費として「給与所得控除」が認められています。年収が500万円の場合は154万円も控除できます。
(この額から推測するとルイビトンのバッグも必要経費として認めてくれているのかも知れませんね。)


また収入額とはいわゆる「手取り額」とは違います。

給与明細にあるとおり、会社が支払った金額がその人の収入額となります。

この支払額から、健康保険や年金などの社会保険料が差し引かれ、所得税・地方税が引かれ、生命保険料などが引かれ、その他に労働組合費などなどが引かれに引かれて・・・ごく僅かの(^^;)手取額となるのです。

ですから税制では、まず大元の金額である「会社が支払った金額」を「収入額」として押さえているのです。

この「収入額」から国民として必要な支出を差し引き(所得控除)したのが「所得額」となるのです。

次回につづく