2013/10/28更新
新CURE(キュア) はおすすめか? EVERと比べてみました。
6月2日にCUREがリニューアルされました。
オリックスからのアナウンスメントは次のとおりです。
<<がんの保障を充実させた理由>>
1 医療技術の進歩に伴い、治療方法も、入院ではなく通院による治療が増加
2 お客さまの選択肢を広げ、ニーズに合わせて保障を手厚くすることが可能
3 お手頃な保険料で、通常の医療保障に、がんの診断治療や通院の特約を付加可能
このリニューアルにより最新の医療事情にマッチした保険を提供。
私の印象としては、「医療保険+がん保険」を考えている方に対して、CURE+Believeは特殊性が強く、また保険料も高いため、提案しにくい組み合わせだったものを、CUREの特約としてがん重点保障を作り、売りやすい商品としたのではないでしょうか。
CUREには、もともと三大疾病治療一時金特約がありましたが、これを「がん診断治療+通院」のみに限定し、保険料も安くし、CUREの特約としたことで「医療保険+がん保険」を考えている方に最適な商品が作られました。
なお、今回のCUREのリニューアルでも、手術給付金の対象となる手術については88種類で変更はなく、20倍の一律給付も変わっていません。
では以下のCUREの3つの組み合わせについて分析評価してみましょう。
前提は50歳、男性の場合で、保険料終身払いとしています。
① CUREのみ
入院日額1万円、保険料 6,830円(累計額 254万円)
② CURE+三大疾病治療(50万円)
入院日額1万円、保険料 11,716円(累計額 436万円)
③ CURE+がん診断治療給付金特約(100万円)+がん通院特約(1万円) NEW
入院日額1万円、保険料 10,830円(累計額 403万円)
参考
三大疾病治療一時金及びがん診断治療給付金は、2年に1回を限度として何度でもOKです。保険料はいずれも先進医療給付金特約を付加した場合の金額です。
この3つの組み合わせについて、6種類の病気やけがのときにどのくらい給付されるのかをグラフにしたのが上図です。
給付額については、6種類の病気やけがのときの実際の自己負担額を100%とした給付割合(%)として示しています。
中心の薄紫色の6角形が100%の範囲を示しており、この範囲より外側なら自己負担額を上回る給付金がもらえることになります。
グラフより、①のCUREはこの6種類の場合について93%~225%の範囲でバランスよく全体をカバーできています。
②のCURE+三大疾病治療の組み合わせは、184%~285%の範囲で、ほぼCUREの倍の範囲をカバーしています。
③のCURE+がん診断治療給付金特約+がん通院特約の組み合わせは、がんの場合は312%~435%(実際の自己負担額の3倍から4倍以上の給付金)となりますが、それ以外のときはCUREと同一の給付割合となっています。
この3つの組み合わせの保険について、累計の保険料は上記のとおり①の場合が254万円、②の場合が436万円、③の場合が403万円となります。
いずれも少ない金額とは言えません。人生における重要な投資ですから慎重な商品選択が必要です。
この選択において私のアドバイスは「投資はリスク分散が原則」と言うことです。
保険と投資の結びつけに疑問を感じられる方がいられるかも知れませんが、難しい定義は抜きにして、FPの考え方として「保険」は明確に「投資」です。
したがって「がん」だけに保険料を集中させることは適当ではありません。
脳梗塞と心筋梗塞そして生活習慣病を合わせればがんよりも遙かに高いリスクとなります。
もともとのCUREの商品設計は人生における重大なリスクとして3大疾病及び七大生活習慣病に焦点を当てて、保険給付のバランスを取っていました。
このバランスを前提に、より手厚く三大疾病治療特約を付加することも私は適切だと思いますが、今回の「がん」だけに保障を集中させる特約はグラフを見てもいびつであり、もともとの商品設計のコンセプトとも異なっているので私は適切とは言えないと考えます。
参考
医療保険とがん保険を検討するときに参考となる入院日数、医療費等の資料
保険や家計全般の見直し相談についてはこちらをご覧ください。