2010年9月1日水曜日

離婚を検討中のあなたへ(その2)

離婚においてまず考えなければならないことは、「住むところ」の確保と、「収入の手当」です。
いずれについても、公的な支援が期待できます。
公的支援、私的支援をしっかり、そして賢く活用してください。

【住宅の確保】
元夫の経済力にもよりますが、マンションや持ち家の名義を夫から妻に変更し、引き続き住み続けることができるなら理想的ですが、着の身着のまま出て行かざるを得ない場合もあることと思います。

元夫の援助がなければ、両親との同居か、あるいは住宅の支援が得られれば当面の不安が解消されます。
子の養育についても、両親が手助けしてくれたら仕事にも専念できます。

そのような支援が誰からも得られない場合は、公的な支援を検討することをお勧めします。
母子家庭に住宅を提供するため、児童福祉法第38条に基づき国の施策として「母子生活支援施設(旧母子寮)」が作られています。

寮ですから、20~29世帯ぐらいの母子家庭専用アパートです。
全国に計272施設あり、東京37施設、神奈川12施設、埼玉6施設、千葉5施設などとなっています。(施設数が少なく、田舎にはありません。)
法律では、施設長、母子指導員、保育士、調理員などがいることになっていますが、地方自治体によってはかなり違いがあるそうです。

入寮の手続きは、市区町村が設置している福祉事務所が窓口になっています。
費用については一律ではなく、収入状況、住民税や所得税の税額に応じて決まります。

入寮者についての統計では、正規雇用18%、非正規雇用80%であり、就労している世帯の約24%が生活保護を受給しています。
この施設は、母子家庭が自立するまでの間住居を提供し、そのための支援を行うことを目的としており、したがって当面の仮住まいとしてお考えください。

母子生活支援施設以外に、地方自治体には公営住宅があり、母子家庭は優先的に入居できますから、福祉事務所などを通じて相談してみてください。
寮から一般の借家などに転居する場合は、身元保証人が必要になりますが、施設長等が保証人となってくれる制度もあります。

注意点は、母子生活支援施設に入居した場合は、児童扶養手当がもらえなくなります。

【収入の確保】
《児童扶養手当》
なんと言っても母子家庭にとって心強いのは児童扶養手当ではないでしょうか。
支給額は、子供1人月額4万1880円(2人なら+5千円)が4ヶ月ごとに、4ヶ月分がまとめて支払われます。

児童扶養手当をもらうための要件はつぎのとおりです。
○母親の要件
・日本国内に住所があること(持ち家かどうかは問いません。)
・子ども(高校生まで)を監護していること
(心身に一定の障害のある児童については20歳未満)
・公的年金等を受給していないこと

○子どもの要件
・父母が離婚した子(事実婚の解消を含む)
・未婚の母の子
・父が死亡、重度の障害あるいは生死が不明(船舶・航空機事故など)である子
・父から1年以上にわたり遺棄(扶養義務、監護義務を放棄)されている子
(出稼ぎ・単身赴任、単なる別居の場合等は該当しません)
・父が1年以上にわたり拘禁されている子

○対象にならない場合
・母子共に日本国内に居住していない
・子どもが父と生計が同じ(父が重度障害の場合を除く)
・子どもが母の配偶者(内縁関係を含む)に養育されている
・子どもが児童福祉施設等(母子生活支援施設、保育所、知的障害児通園施設等を除く)に入所している
・養育する母親が遺族年金や遺族補償等を受けることができる
・子どもが(児童福祉法に基づく)里親に委託されている
・子どもが父に支給される公的年金の額の加算対象となっている

○児童扶養手当の支給額
全額支給の場合の月額
子供1人 41,880円
子供2人 41,880円+5千円
子供3人 41,880円+5千円+3千円

○児童扶養手当の減額
児童扶養手当は母親の収入により、減額されます。
母親の前年の所得について、
扶養家族1人なら、230万円を越えると減額されます。
扶養家族2人なら、258万円を越えると減額されます。
扶養家族3人なら、306万円を越えると減額されます。

注1:児童扶養手当は一定の期間経過後、減額されます。
減額される時期は、前記の給付要件に該当してから7年間、または給付開始から5年間のいずれか早い期限になったら、減額されます。(現在この法律は凍結され、非適用となっています。)

注2:児童扶養手当が全額支給になれば、保育料は無料となります。
保育料は自治体により、また親の収入により違いがありますが、4才以上で18000円~24000円、3才未満で3万円~5万円ぐらいになります。
児童扶養手当+保育料無料により、合計すると、6万円~7万円の公的支援が得られます。


離婚を検討中のあなたへ(その1