2010年7月14日水曜日

来店型保険ショップの問題点

保険販売については、在来型の個別訪問による営業スタイルから、現在はネット通販や来店型保険ショップが増えてきています。
キーワードは「見直し」「削減」です。

右肩下がりの経済状況の中、家計負担を切り詰めるために、固定費として月収に大きな割合(平均は収入の約9%)を占めている「保険料」を減らしたいとのニーズがたいへん多くなって来ました。

それと消費者側の変化として、「分からないものにお金を払いたくない」と言う考え方が広まっており、昔ながらの「お付き合い」「世間並み」と言う考え方が少なくなって来ています。

そのような変化をうまくとらえて急成長しているのが来店型の保険ショップです。

・保険の内容を分かりやすく教えてもらえる。
・数社の商品を提案してくれ、自分でその中から選択できる。
・保険料が安くなる。
保険を見直したいと思っている方にとっては、100%満足できる内容ではないでしょうか。

でも、次の点についても考えておかなくてはなりません。

・無料相談の費用は新規契約の手数料から賄われていること
・保険は減額、一部解約、払済等の選択肢があり、全部解約がかならずしも効率的な保険見直しとは限らないこと(加入した年齢によっては安いかも知れません。)
・保険金額が大きければ保険ショップの手数料も多い

したがって、保障額が多すぎる保険契約があったとしても、保険ショップからは「同一保障額」で保険料が安い他社保険を勧められる可能性があります。

この場合見直さなければいけないのは、大きすぎる保障額なのですが、保障額を下げることは保険ショップの利益になりません。

また、現在契約している保険について、見直す場合は減額等の見積りも必要なのですが、保険ショップでは最初からそのような煩わしい話はせず、解約を前提に話を進めます。
(保険料の高い現在の契約と新規提案の安い保険の2択としてお客様に提示されます。)

お客様にとってほんとうに「必要な見直し」とは、「最適な保障」を「最安値で確保する」ことなのです。
しかし保険ショップのやり方は、家族構成や、年収などがまったく同一の家族がいたとして、A家族は月5万円の保険料なら4万円の提案をし、B家族が月2万円の保険料だったら1万5千円の提案をする「足下を見た対応」となります。
(または、1万5千円+たりない保障があることを納得させて契約額を上積みします。)

ですから「ほんとうに必要な保障」をどちらの家族も知ることはないのです。

お客様に対して必要保障額は提示されますが、かなり膨らませた保障内容となっています。
保険ショップに行こうとお考えのあなたに言いたいことは、保険ショップも「保険屋さん」であることに違いはないということです。

保険ショップも保険を売って利益を得ています。
「無料相談」にはちゃんと理由があり、元は取れる仕組みになっています。
保険料が安くなって良かったと思うのは早計だと思います。


来店型保険ショップの実体については次の記事をごらんください。
週刊ダイヤモンド