2012年12月23日日曜日
宝くじ症候群
年末は宝くじの季節です。
キムタクのCMが目を引きます。
宝くじは不思議なもので、なぜかしら自分だけは「当たる」と思ってしまいます。
私は「期待値」のことも、宝くじの当たる確率が1等は1000万分の1であることも、そして還元率が45.7%しかないこともよく知っています。
でも、それでも私だけは特別で「当たる」気がしてしまいます。
知識では分かっているつもりでも、宝くじを見ているとなんとなくワクワクした気分になり、抽選会までは本当に「当たる」気分になってしまいます。(これを主観確率といいます。)
そして、年が明けるとやっぱり・・・「夢」でした。
保険も逆の意味で「当たり」がでたらどうしようという心情が大きく影響します。
合理的に考えればこんな損な契約をなぜ続けるのか理解できないのですが、でも万一(かなりの確率で起こりそうな気がして)何かあったらとの「思い」から保険を止められない方が多くおられます。
それはまさしく「安心」という宝くじを買っておられるのでしょう。(この場合「ハズレ」となればハッピーとなります。)
わたしはその心情は十分理解できますし、契約を継続されることも精神衛生上良いと思います。
毎日心配なくぐっすり眠れるのであれば、お金の問題はともかく、これに勝ることはありません。
一方、保険料の負担が重く保険を止めたいのだけれど、どの保障もいざとなると切り捨てることが出来なくて、思い悩んでおられる方も多いと思います。
この悩みの解消はなかなか難しいのですが、一つ一つの「不安」について具体的に考えてみると「保険」だけが解決策とは限らないことを納得して行くのも一つの方法です。
「うちはガンの家系なので、医療保険の他にがん保険はしっかり確保しておきたい。」と言われる方が多くおられます。
たぶんそのとおりで、ガンになる可能性は低くないと思います。
でもそうなった時に、家計のリスクとしては40万円程度です。
現在、ガンは「死」に至るリスクはかなり低くなり、ガンのリスクとは家計負担となるこの「40万円の出費」なのです。
この出費に対して医療保険とがん保険双方から100万円を遙かに超える給付金がもらえたらとてもハッピーかも知れませんが、そのために200万円を超える保険料を支払っているとしたら、あまりお得とは言えないのではないでしょうか。
それなら貯金から40万円を支払った方が長い人生ではお得になります。
参考
ガン診断給付金をもらった直後に保険を解約した場合、差し引き保険料を上回る給付金がもらえ、得したことになりますが、ガンで手術した直後にそのような「決断」をできる人はめったにいないと思われます。
長い人生には病気などの「不幸」もありますが、結婚や出産などの「幸福」がとてもいっぱいあります。
「不幸」ばかりに心を捕らわれるより「幸福」への備えを充実させることで、人生も家計もハッピーになれるかも知れません。
特に独身の方は、社会保険がしっかりしているのなら、将来の幸せに備えて貯蓄を第一優先にすることをお勧めします。
でも合理性だけで生きて行けないのが人生ですから、時には「宝くじ」も必要なのです。
私は知っています「宝くじ」は当たらないことを。
ですから1等前後賞ネライで300枚も買うようなバカなことはしません。
賢く(?)10枚ぐらいで・・・・・